日本企業、中国で「台湾問題」のタブーにふれて削除&謝罪

 

世界には「ふれてはいけない話題」というものがそこら中にある。
初対面の日本人と韓国人が慰安婦・元徴用工問題の話をしたら、例外をのぞけば、大抵の場合は空気が重くなって不快になる。

知人のどのインド人も、もしパキスタン人と出会ったらカシミール問題の話は絶対にしないと言う。
タイ人とミャンマー人も、かつてビルマ(ミャンマー)がタイのアユタヤ王朝を滅ぼした話をあえてすることはないはず。それは挑発行為だ。

日本にいる台湾人や中国人に個別に話をきくと、「台湾問題」の話はしないと言う。
この地雷の破壊力は絶大で、それまで築いた友好関係を粉みじんに吹き飛ばす威力を秘めている。
だから、それだけはお互い絶対にふれない。
その暗黙のルールを守っていたせいか、日本語学校に通っていたその台湾人と中国人は仲が良くて、よく一緒にご飯を食べたり遊びに行っていた。
地雷さえふまなかったら、安全に楽しくピクニックすることができる。

 

でも、日本企業がこのタブーにふれてしまったらしい。

毎日新聞の記事(2021/4/2)

エイベックス、台湾表記謝罪 新華社報道受け

エイベックスの社員がライブイベントの「a-nation」についてこう発言した。

「出演アーティストに関してはあまりコンセプトに囚われずに、海外とのリスナーとの接点を増やすためにも韓国・台湾・中国といったアジアのアーティストも積極的にキャスティングした」

これが公式サイトに掲載されていたのを中国のネットユーザーが見つけて、「一つの中国」の原則に反するとネットで非難が高まる。
中国の大手メディア・新華社でも報道されたことで、エイベックス中国法人は中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」でこんな謝罪文を公開。

「2018年に弊社サイトに掲載した記事は公式見解ではございません。お騒がせしてしまい心よりお詫び申し上げます。記事はすでに削除しました。今後、このような不適切なコメントは許容しません」

 

個人的な思いはあっても、それを表していいかどうかTPOはわきまえる必要がある。
日本にいる中国人と台湾人も互いが気持ちよく生活するために、タブーにふれないのもは当然として、それにつながる話題やことばも避ける避けるだろう。
「郷に入っては郷に従え」で中国人を相手に仕事をしたいのなら、この話題にふれてはいけない。
ということはわかるけど台湾問題が、韓国・台湾・中国と並べただけでも許されないほど厳しいとは思わなかった。

 

 

こちらもどうぞ。

中国と台湾の関係を、わっかりやすく説明しますよ。

日本・韓国・ヨーロッパで起きた台湾と中国の問題(台湾問題)

台湾 「目次」

中国 「目次」 ②

中国 「目次」 ③

 

2 件のコメント

  • > 「郷に入っては郷に従え」で中国人を相手に仕事をしたいのなら、この話題にふれてはいけない。
    正確に言えば、「中国国内で中国人を相手に仕事をしたいのなら、この話題にふれない方が得策だ。」だと思いますが。当然、日本国内であったら、例え中国人でも「郷に入っては郷に従え」を守るべきですね。

    > 個人的な思いはあっても、それを表していいかどうかTPOはわきまえる必要がある。
    ははは、そんなことを最優先の原則としたがるのも、日本人だけでしょうね。
    度が過ぎた遠慮?思慮深さ?本音と建前?は、世界においては、「ずる賢さの現れ」と捉えられ信用されないことの原因にもなります。おそらく、このような思考パターンが、日本人が外国人から嫌われる時の最大の原因ですよ。そのことは、このブログでも何度か描かれています。「日本人は冷たい」「他人行儀だ」「本音で付き合えない」などという記事で。

    日本人以外だったら、次のように考えるでしょうね。
    個人的な思い(=考え方)・信念に基づきそれを正確に発言することがまず第一原則。ただし、ことばは、場合によっては円滑なコミュニケーションを阻害する原因にもなり得る。なので、何も考えず条件反射的に感情的に発言するのではなく、一歩下がって、その影響まで予想し対処できることを確信した後に発言する方が得策である場合が多い。
    でも立ち止まって考えているだけでは、何も発言できない、つまり何も考えがないと思われるのが一般的であるから注意せよ。何も発言しないでいれば、相手とのコミュニケーションのきっかけさえも、掴めない。

  • 中国の内外にかかわらず、中国相手にビジネスをする企業で「一つの中国」の原則を否定したというのは聞いたことがありません。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。