【聖女伝説】キリスト教の殉教者「アグネス」に起きた奇跡

 

ほんじつ1月21日は「料理番組の日」。
いまでは世界中にある料理番組のルーツは、1937(昭和12)年にイギリスBBCが放送した「夕べの料理」といわれる。
第1回目のお題となった料理はオムレツだったとか。

そんなほのぼの記念日から1600年ほどさかのぼって、304年の1月21日はイタリアで「アグネス」という聖女が天に召された日。
日本でアグネスと聞けば、昭和世代の人なら「ひなげしの花」を連想するだろうし、平成なら「ダクネス」とかいうド変態女を思い浮かべる人もいるだろう。
ここでのアグネスは、アグネス・チャンさんの由来となったカトリック教会の聖人「聖アグネス」のこと。
この人物にはほかにも、ローマの聖アグネス、聖イネス、聖女アグネス、聖女アニエスという名称があって、とにかく有名な伝説的少女なのだ。

日本ならおよそ弥生時代、291年にローマ貴族の家に生まれたアグネスは、裕福な家庭で知的な美少女へと成長していく。
なんかもうアニメの第一話。これは伝説だからどこまでホントか分からない。

このころのローマ帝国は皇帝ディオクレティアヌスが治める時代で、キリスト教はまだ国教になる前だったから、多くの信者が迫害を受けて死んでいった。
アグネスはそんな殉教者の姿を見て、自分も信仰を貫き、すべてを神に身を捧げたいと願うようになる。
アグネスほどのハイスペックなら、結婚を望む男どもが続出するのは当たり前。
でも、彼女は「宗教的純粋さ」を理由にすべて拒否する。
すると怒った男どもの中に、アグネスがキリスト教徒であることを当局に告げるヤツが出てきて、アグネスは(キリスト教的には)悪者どもに捕まって売春宿に入れられることとなる。
服をはぎ取られた彼女は、売春宿まで全裸で行くよう命じられた。(ほんとマンガ…)

でも神は見ていた。
聖女には神の祝福がさずけられ、彼女が祈ると突然髪が伸びて全身を覆い、誰もアグネスの裸体を見ることはできなかった。そして、彼女を強姦しようと男たちはその場で失明したという。

as she prayed, her hair grew and covered her body. It was also said that all of the men that attempted to rape her were immediately struck blind.

Agnes of Rome 

アグネス

 

当時のローマでキリスト教の信者でいることは罪。
拷問を受けても改宗を拒否したアグネスには死刑を宣告される。
それでも、「キリストは私の花婿です」と意志と純潔を貫くアグネス。
火刑がきまって彼女が杭に縛り付けられると、そこでまた奇跡が起きた。
火をつけようにも木の束が燃えなかったり、炎が彼女から逃げてしまって(the flames parted away from her)、彼女に火刑に処することができなかった。
それで結局、アグネスは剣で首をはねられ(または喉を突き刺され)て、304年1月21日に12歳か13歳で殉教したという。

そんな奇跡の聖女はいま、純潔・少女・ガールスカウト・夫婦・性暴力の被害者・庭師(なぜ?)の守護聖人になっている。

 

ローマの聖アグネス聖堂にあるアグネスの頭蓋骨。
画像:Michaelphillipr

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。