国連大使がほぼ裸!世界的に話題に。「正しい」の価値観って何だ?

 

クイズです。

「TPOには気をつけよう」という場合の「TPO」って何のことでしょう?

 

 

答え。

Tは、time(時間)。
Pは、place(場所)。
Oは、occasion(場合)。

「TPOに気をつける」というと、この3つのことを考えて状況に応じた服装やふるまいをするということ。

 

ミャンマーの蚊取り線香
特に意味はない。

 

でもバックパッカーの貧乏旅行では、TPOもなにもない。
東南アジアを旅行していたら、短パンTシャツに100均サンダルという旅行者をよく見る。
自分もそんなかっこうで旅行していたし、今でもしている。

 

でもそれではTPO的に、あまり歓迎されないところもある。
15年ぐらい前に、ベテランの日本人旅行者からこんな注意をされた。
注意というかアドバイス。

「大使館にビザをもらいに行くときは、できるだけ良い服を着て行きな。短パン、サンダルにヨレヨレのTシャツだと、対応する職員の印象が悪くなるから」

職員の受けが悪いと、こちらにはどんなマイナスがあるのか?

「『コイツ、うちの国をめんてんな』って思われたら、嫌がらせをされるかもしれない。立場は向こうが上だから。書類や写真にいちゃもんをつけられるかもしれないし、最悪、ビザを発給してくれないおそれもある」

幸いボクにはそんな経験はなかったけれど、その可能性はあるかもしれない。
今はどうなのか知らないけど。

 

タイ人がこの人たちを指さして、「あいつらは失礼だ!」と怒っていた。
ビーチじゃないんだから、せめてTシャツぐらいは着ないと。
TPOをわきまえていない。

 

 

NHKの「映像の世紀 11」のキャプチャー

これは1915年(大正4年)のサンフランシスコ万国博覧会でおこなわれた相撲の様子。
力士はまわしの下に、ボクサーパンツのようなものをはいている。

相撲という日本の文化を紹介するときでも、TPOを考えたら「お尻丸出し」というのはマズイ、となったのだろう。
日本の文化や伝統は大切にしないといけない。
でも日本以外の場所では、その場の常識や価値観を尊重する必要はある。
「正しい」は、時と場所によって変わる。

 

その観点で見ると、これはどうなのか?
と判断に苦しむことが最近、国連でおきた。

アメリのニューヨークで開かれた国連の会議で、ニューギニアの国連大使が民族衣装を身にまとってに出席した。
「世界各国の代表が集まる会議では、スーツを着ないといけない!」
ということはない。

その国の民族衣装で出席することは国際的に認められている。
それがその国の正装だから。
サウジアラビアやUAEの要人も、伝統的な衣装で会議に参加している。

 

これはイエメン人
この姿で国連の会議に参加することは問題ない。

 

でも、このニューギニア大使の服装はどうなのか?

会議の参加者のインスタグラムをキャプチャーした画像。
これ↓

国の正装で国連会議に出席するパプア・ニューギニア大使

 

この服装はどうなのか?
という以前に、この人は服を着ているのか?

この姿は世界の人たちの話題を呼んだ。

写真は突風的なコメントを引き起こした。コメント欄では意見が分かれ、実質的にほぼ全裸で訪れたことで非難する人や、その勇敢さと国の伝統を尊重する態度を指摘し、賞賛する人がいた。

ニューギニア国連大使がほぼ全裸でサミットに出席【写真】

 

この姿の賛否を判断することはむずかしい。

これはニューギニアの正装で彼はその代表なんだから、当然これは認められるべき。
いやいや、いくらなんでも国連の場でこのかっこうはないだろう。

どちらも説得力がある。

そもそも、「TPOを考えろ」という場合、その状況での「正しい」というのはだれがどうやって決めるのか?
結局それは、特定の価値観を押しつけているだけではないのか?

そんなことを考えると、ニューギニア大使のかっこうが「不適切だ」と判断する場合、それはだれのどんな価値観にもとづいているのか?
特定の価値観によって、ニューギニアの価値観を否定することができるのか?
そもそも、その価値観自体が適切なのか?

そんなことを考えたらキリがない。
だから、この場合の「正しい」の判断は本当にむずかしい。

 

もしどこかの国の要人が、こんな姿で「天皇陛下に会いたい」と言ったら、日本はどう対応するんだろう?

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。