日中交流。中国での製紙法の発明と日本人の識字率が高い理由とは?

 

今年(2017年)は、日中国交正常化45周年になる。

読んでそのままだけど、今から45年前に日本と中国の国交が回復した。
今年はそんな記念の年でもあるから、今回は日本と中国の交流について書いていきたいと思う。

中国人の発明と日本人の識字率について。

 

 

外国人が江戸時代の日本の人や社会を見て、何に驚いたのか?

そりゃ、たくさんありますよ。

その中には、「日本人の識字率の高さ」がある。

日本では、文字を読んだり書いたりできる人というのは上流階級の人間だけではなかった。
ふつうの庶民でもそれができていた。

そんな日本人の様子を見た外国人がこんな言葉をのこしている。
「逝きし日の面影 平凡社」から。

日本では、召使い女がたがいに親しい友達に手紙を書くために、余暇を利用し、ぼろをまとった肉体労働者でも、読み書きができることでわれわれを驚かす。
(ヴェルナー 江戸時代)

私には日本人ほど好んでペンや筆を振う国民があるとは信じられない。彼らはあらゆることを文書にして取扱う。また一般に広い範囲にわたって手紙のやりとりを続けているので、婦人ばかりか男子も、このために時間の大半を費やしている有様である。
(フィッセル 江戸時代)

外国人が幕末の日本人を見て「彼らは文字に親しんでいる!」と驚いた理由は、日本人の識字率がこの時代のアジア人やヨーロッパ人よりも高かったから、ということだろう。

 

作家の司馬遼太郎はこう書いている。

江戸日本は、(中略)読み書きする人口は、中国や朝鮮に比して圧倒的に多かったのです。

「『明治』という国家 (司馬遼太郎)」

 

逆に日本人のボクが海外に行くと、文字の読み書きができない人と出会って驚いたことがある。

インドを旅行中に、見た目20代のインド人4人の写真を撮った時のこと。

「この写真を送りますよ。だから、あなたの住所を教えてください」とボクが聞くと、彼らが困った顔をする。
「『ユア・アドレス』という英語も通じないのかな?」と思ったら、じつはそうではない。

その時、英語がわかるインド人が間に入ってくれて、ボクにこう言う。

「彼らは自分の名前や住所を書くことができないんだ。だから、困っているんだよ」

そんなことを言って笑っている。
英語がわからなくのではなくて、文字を書くことができないのか!
この時は、そのことに驚いてしまった。

 

今は違う。
今だったら、そうした人と会って驚くことはない。
日本の教育環境は恵まれている。
特別な理由がなければ、だれでも読み書きができる。

でもそれが世界の常識ではない。
発展途上国に目を向ければ、教育を受けることができなくて、文字の読み書きができない人がいても不思議ではない。

 

 

なんで日本人の識字率は昔から高いのか?

その理由の前に書いておきたいことがある。
それは中国の4大発明。

中国人が人類の歴史を変えた4つの発明を知ってますか?

それはこの4つ。

【四大発明】

中国における、紙・印刷術・火薬・羅針盤の発明。いずれもルネサンス期ごろまでに、西洋にも伝えられた。

「デジタル大辞泉の解説」

この中で「日本人の識字率」に関係するものは何か?

それが「紙」になる。
ここでいう紙とは、「紙のつくり方(製紙法)」のこと。

 

日本人の識字率が高い理由は、1つだけではない。

平安時代の日本人が「ひらがな」を発明したことはとても大きい。
でも、かなを考案したとしても、それを書く物がなかったらあまり意味がない。

漢字より簡単な文字があっても、紙がなかったら文字の読み書きはなかなか広がらない。

 

 

中国では今から2000年ほど前(後漢時代)には、製紙法ができていた。

一昔前に世界史を習った人は、中国人の蔡倫(さいりん)を「製紙法を発明した人物」と学んだと思う。
でも今ではこれが違っている。

蔡倫は製紙法を発明したのではなくて、それを「改良した人物」となっている。

蔡倫

?~121頃

製紙法を改良した後漢の宦官。105年和帝に紙を献上した。
前漢代の遺跡から銅鏡の包装紙が出土しているため、彼は以前から存在した製紙法を改良した人物とされている。

「世界史用語集 (山川出版)」

cai-lun

蔡倫(ウィキペディア)

 

中国で生まれた製紙法は、7世紀ごろ日本に伝わった。

日本製紙連合会のホームページから。

610年 (推古18年)。高句麗の僧、曇徴(どんちょう)が墨とともに日本に製紙法を伝えたと言われています(しかし、それ以前に紙抄きが行われていたという説もあります)。

日本への伝播(7世紀)

イスラーム圏の国には、8世紀(751年)のタラス河畔の戦いによって中国の製紙法が伝わっている。
さらにそのイスラームの国を通って、製紙法は12世紀ごろヨーロッパにも伝来した。

なんで日本人の識字率は高いのか?
中国生まれの製紙法が歴史の早い段階で日本に伝わったから、ということがその理由の1つにある。

 

 

日本と中国の交流は一方通行ではない。

古代には、中国の製紙法が日本に伝わった。
それによって、日本では文字を読んだり書いたりする活動が広くおこなわれるようになった。

明治時代になると、日本人が考案した言葉が中国に伝わっている。
「中華人民共和国」の7割は、じつは日本語だったりする。

くわしくは、この記事を。

「中華人民共和国」の7割は日本語。日本から伝わった言葉とは?

 

 

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今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。