Booking.comとオランダ②「自分の強み」をいかして大成功!

 

1996年、オランダの首都アムステルダムに「Booking.com(ブッキング・ドットコム)」というホテル予約サイトが誕生した。

あれよあれよと成長をとげて、今やブッキング・ドットコムは世界最大の宿泊予約サイトになっている。

この大成功の背景には、ブッキングドットコムを生んだオランダが持つ”強さ”があった。
それが多様性。

その具体的な内容は前回の記事を読んでくだされ。

Booking.comとオランダ①日本にはない「多様性」ってやつ。

今回はその続きどす。

 

 

オランダは九州と同じぐらいの面積で、そこに約1700万人が住んでいる。

世界中から移民を受け入れてきた結果、オランダは宗教の博物館になった。

宗教:キリスト教(カトリック24.4%,プロテスタント15.8%),イスラム教(4.9%),ヒンズー教(0.6%),仏教(0.5%),無宗教・その他(53.8%)(2015年 オランダ中央統計局)

オランダにはいろいろな人間がいて、さまざま価値観や考え方がある。

 

そんな多様性の国オランダは、もともとはスペインの一地方でしかなかった。
でも16世紀後半、「もうムリ!一緒にやってらんねえ」と、スペインに三下り半をつきつけた。

オランダ

早くから新教(プロテスタント)信奉者が多かった。オランダを支配する旧教(カトリック)国スペインは重税を課し、宗教的弾圧を避けるため、1581年、オランダは独立を宣言。

「世界史用語集 (山川出版)」

ちなみに、約10年後の1590年に豊臣秀吉が天下を統一している。
オランダ独立宣言とセットで覚えてこう。

 

この当時のオランダはスペイン国王の支配下にあった。
でもスペインとは、信じる宗教が違う。

「お前たちはプロテスタントをやめて、カトリックになれ!」とスペイン国王がオランダの人たちに改宗を要求してきた。
こんな価値観の押しつけはノーサンキュー。
これに反対したオランダの人たちは独立戦争を起こして、スペインから分離独立する。

 

ということで、オランダの建国理念には「信仰の自由を守る」ということがある。
だから、オランダは異なる価値観や考え方の人間も迎え入れた。

こんな寛容さや多様性が新生国家オランダを成功に導く。

オランダ大使館のホームページにはこう書いてあった。
*今はリンク切れ。

この時期、オランダ経済は、世界中で最も成功していました。

オランダ経済の繁栄を支えたのは、低地諸国やフランスからの裕福なプロテスタント移民、ヨーロッパの他の地域からのユダヤ人でした。

彼らにとって、独特な宗教的寛容性を持つ共和国は、非常に魅力的な目的地でした。この時代、多くのヨーロッパ人にとって、王や国教の無い国が存在するだけでなく、栄えるのは驚きでした。

「オランダ連邦共和国(1581-1795)とオランダの黄金時代」

 

ブッキングドットコムが大成功を収めた理由にも、オランダの寛容さや多様性がある。

「wired」の記事(2018.04.05)で、最高経営責任者(CEO)のギリアン・タンズ氏がこう言っている。

「設立当初からダイヴァーシティを大切にしてきました。現在、社員は150以上の国籍です。宗教も人種や、性的志向もさまざまなので、互いを理解することが大切です」

「ブッキング・ドットコムのサーヴィスをグローバルに展開していくなかで、現地の文化を理解し、現地の人々にパートナーとして理解してもらうことが大切なのです。わたしたちは、性別の多様性は革新性、創造性、協調性を生むと考えます。世界で最もバランスのとれた企業を目指しているのです」

オランダ発の予約サイトBooking.com、その急成長の裏側には「多様性」と「文化との調和」があった

 

「ダイヴァーシティ(多様性)を」大切にしてきたことがブッキングドットコムの急成長につながったという。

これは、ヨーロッパ各地から移民を受け入れて黄金時代を築いたオランダと重なる。
ブッキングドットコム成功の理由は、オランダが持つ強さ・多様性に由来していた。

 

ちなみに上の記事には、ネットでこんな反応がある。

・安宿が多くて助かる
・Expediaとかもあるけど、ここが一番サイトが使いやすい・見やすいかな
・海外いったときはagodaとexpediaの2つが便利だったな
国によって違うんかね
・俺はホテルズドットコム派
10泊すると1泊無料になる。
10泊利用額の平均額が無料対象だが差額支払としても利用できる
・すっかりお世話になってる身で言うのもなんなんだけど
これ(を含めてホテル予約サイト)のせいで予約でいっぱいだったりするから
ブラっと計画なしの無計画旅行がやりづらくなった。

確かに。
ホテル予約サイトの登場で便利になったのだけど、行き当たりばったりの旅がしにくくなった。

 

 

何かに戦いを挑むときは、もともと自分が持っている強さを自覚して、それを生かせる分野でした方がいい。
自分の強みベースにして、新しい要素を加えるのもいい。
どちらにしても、自分という人間を再把握することが大事。

古代中国の軍略家・孫子も「彼を知り己を知れば、百戦あやうからず」と言っている。

《「孫子」謀攻から》敵と味方の情勢をよく知って戦えば、何度戦っても敗れることはない。

デジタル大辞泉の解説

自分を正確に知ることは、敵を知ることより難しいかもしれない。

 

おまけ

東京駅に八重洲口がある。

この「八重洲(やえす)」という地名は、オランダ人「ヤン=ヨーステン」に由来する。

やえす〔やへす〕【八重洲】

東京都中央区の地名。東京駅の東に位置し、商業地。名は、この地に屋敷のあったヤン=ヨーステンの名前がなまったもの。

デジタル大辞泉の解説

 

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カテゴリー: ヨーロッパを知りましょ!

 

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今まで、東南アジア、中東、西アフリカなど27の国・地域に旅をしてきました。以前、中学生に歴史を教えていた経験もあります。 また、日本にいる外国人の友人も多いので、彼らの目から見た日本も知っています。 そうした経験をいかして、日本や世界の歴史・文化・宗教などをテーマに、「読んでタメになる」ブログを目指しています。