韓国の“精神勝利”。現実で負けても、解釈でプライドを保つ。

 

「精神勝利」という言葉を知ってますか?

中国人作家・魯迅(ろじん)が「阿Q正伝」という作品の中でこの言葉を使っている。
「阿Q(あきゅう)」というのはこの作品に出てくる男性の名前。
この男には金も教育も家もなかった。おまけに見た目も悪い。
だから阿Qはいつも村人にバカにされていた。

地位も名誉もない阿Qだけど、自尊心は人一倍高い。
だから何か不名誉なことがあっても心の中で都合のいい解釈をして、「自分が相手に勝利した」と思いこんでいた。
そうすることによって、現実の自分はみじめでも、プライドだけは保つことができた。

ただ精神勝利という「名誉維持方法」は間違っているわけじゃない。
「負けるが勝ち」の発想で、イヤな事実や結果を都合よく解釈して、怒りをおさえることも時には必要だ。
心の中でムカつく相手を蹴飛ばして、ストレス発散をしている人はどこにでもいる。

 

韓国紙を見ていると、ときどきこの言葉が出てくる。
たとえばこれは、去年の中央日報の記事(2018年08月21日)だ。

【噴水台】Jノミクスの精神勝利法=韓国

この「J」は文在寅(ムン・ジェイン)大統領のJ。
韓国政府がおこなった経済政策は「精神勝利」でしかない、と記事で批判している。

Jノミクスが放った3本の矢(所得主導成長・革新成長・公正経済)は、どれもうまくいっていない。
それは数字を見れば一目瞭然だ。
2018年の年間雇用目標は32万人だったのだけど、それを18万人に下方修正した。
さらに3%の成長率3%も断念する。

でも韓国政府は失敗を認めない。
「ひたすら『自分の考えが正しい』」という一種の確証偏向で精神勝利法に陥っている」と記事は指摘する。結果は動かせないけど、受け止め方なら解釈しだいでどうにでもなる。
「ひたすら自分の考えが正しい」と思っているなら、それに応じた理解も可能だ。

でも、仏像を盗み去ったことを「こちらで管理している」とか言うのは無理がある。

 

さて、先日サッカーアジア杯が終わった。
残念ながら日本は決勝でカタールに負けてもうた。
ちなみに韓国は、準々決勝でカタールに負けている。
59年ぶりの優勝をめざし、「アジアの盟主」を自称する韓国はこの結果にえらく傷ついた。

決勝戦についての韓国メディアの報道を見ると、いつものことながら、日本をおとしめているようだ。
グローバル経済新聞は「幻想のシュート祭り、日本列島沈没」、OSENは「カタール没収試合と騒いだ日本」と書く。
そんなことで日本が騒いだ記憶がないのだが?
それと「日本沈没」という表現はいい加減やめれ。

韓国メディアとしては、自国とカタールとの試合に触れないわけにはいかない。
それはいいのだけど、この記事にはどうも韓国の「精神勝利」を感じてしまう。

中央日報の記事(2019年02月02日)

カタールは準々決勝で韓国と対戦し、1-0で勝利した。過去3大会で共通して見られた「韓国に勝ったチーム=優勝」という公式がまた表れた。

<アジア杯>カタール、日本破り頂点に…「韓国に勝ったチーム優勝」4大会連続

 

現実には、韓国の成績はベトナムや中国と同じベスト8。
事前は「優秀候補」と見られていたけど、結果は準優勝の日本に遠く及ばない。

でも、不本意な結果を独自の解釈をすることで、少しでも「上」に見せる。
「韓国に勝ったチーム=優勝」と書くことで、「アジアの盟主」としてのプライドを何とか保とうしている。
そう見えてしかたない。

「スタニュース」という韓国メディアは、「韓国を下した彼らは、優勝する資格が十分にあったチーム」という。
この報道にも精神勝利のにおいがプンプンする。

辛い結果をバラ色に見せるテクニックも必要だけど、いつも希望的観測でものごとを見ていると、現実を受け入れられなくなってしまう。
韓国メディアの報道に、「実質的に」とか「事実上~といえる」という表現が多いのも「精神勝利」の影響だろう。
事実を少しぼかして、なんとかプライドを守ろうとする。

日本人も忘れかけていたころ、中央日報はまだこんな記事(2019年02月04日)を載せていた。

<アジア杯>カタールに敗れた日本のファン「韓国より弱い」

「韓国に勝ったということを忘れていたのか」
「どれほど韓国側のトーナメントが大変だったかが分かる」
「日本は韓国より弱い」
「アジアカップでカタールに負けた日本…Wでドイツに勝った韓国」

こんなネットの書き込みをよろこぶ韓国の姿がそこにはあった。

 

はじめに出てきた中国人作家・魯迅は、もともと医者を目指して日本で医学を学んでいた。

1904年、仙台医学専門学校に最初の中国人留学生として入学し、学校側も彼を無試験かつ学費免除と厚遇した。特に解剖学の藤野厳九郎教授は懇切丁寧に指導し、彼もその学恩を終生忘れなかった。

魯迅・生誕から日本留学時代まで

魯迅なら、韓国の精神勝利をどう診るのだろう。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。