「日本は韓国の発展に協力した」→韓国人「非常に侮辱的」

 

これは昨日の検索キーワードの上位5つ。
たくさんの人がこういう言葉から、このブログに来てくれたわけだ。

 

4位も魅力的なのだけど、ここでは2位と3位を取り上げようと思う。
「反日・うんざり・助けない」はセットと考えていいから。
日本が韓国を助けなかったら、韓国人の反応は悪いにきまってる。
でも韓国の場合、日本が手助けしても反応は悪いのだ。
だから「うんざり」になる。

これからそんな隣人について書いていこうと思う。

 

 

いま韓国の経済力はどれほどか?

ちょうどきのう、聯合ニュースがそれを伝えていた。(2019.07.07)

韓国の昨年GDP 世界12位=前年と変わらず

2018年の韓国の名目GDPは約175兆6240億円で、世界205カ国・地域のうち12位。
ちなみに日本はアメリカ、中国に次ぐ3位で名目GDPは約539兆3427億円。
韓国とは3倍以上の開きがある。

現在の韓国はもう「先進国」と言っても特に問題はない。
そんな経済大国に成長した最大の理由は、1960~70年代の「漢江の奇跡」と呼ばれる経済成長だ。
人間の起こす奇跡は、神のように奇跡的には起こらない。
それなりの原因や理由が必ずある。
「漢江の奇跡」では韓国国民が主人公であることは間違いけど、それを支えるわき役もいた。

日本が韓国と国交を回復するさい、無償で3億ドル(現在のレートで約320億円)を韓国側にわたすことを約束し、日本はそれを守った。
この資金を経済発展のために使ったことで、いまのような経済大国としての韓国が誕生する。

国交を回復した後に約25年に渡る円借款などを国内投資資金の元手にして、日本からの資金・技術援助を利用することで社会インフラを構築して経済発展を遂げた。

漢江の奇跡

 

では、この協力や支援を韓国人に伝えるとどうなるのか?

中央日報の記事(2019年07月05日)にそのことが書いてある。

黒田勝弘氏「韓国、日本からの3億ドルのおかげで発展…忘れたのか」

韓国通のジャーナリスト・黒田勝弘氏が韓国のラジオ番組に出演し、先ほどの3億ドルに触れてこう話す。

「韓国の現在の発展の基礎になった。韓国がその当時どれほど貧しい国だったか。国際的な評価もなかったが、韓日国交正常化によって韓国の国際的地位が高まり、他の国々も韓国に協力するようになった」

これについて中央日報は、「謝罪もなく経済協力資金名目で3億ドルだけを支給した」と批判的に書く。
でも当時の日本にとってあの額は、けっして「だけ」ではない。

 

また、「日本が36年韓国を支配しながら我々に犯した蛮行や、我々がそれによって受けた被害について考えないのか」という韓国側の批判に、黒田氏はこう答える。

「その当時の韓国の状況、国際環境を考える時、日本からのそのお金がどれほど大切で貴重だったか、それを考えなければならない。日本は過去に対する申し訳なさから韓国に対して多く協力してきた」

 

日本と韓国が国交を正常化したことで協力関係が生まれて、それが世界12位の経済大国へとつながった。
これは間違いない事実だ。

でもラジオ番組の司会者は黒田氏から日本の協力についての話を聞いたあと、「リスナーは非常に気持ちが良くない」、「(韓国企業には)非常に侮辱的という考えすらする」と不機嫌になる。

日本の立場が『我々が助けてやった。3億ドルをやったから、我々がこれほど助けてやったから、お前たちがここまで豊かになったのではないか』という気持ちが基本的にあるから、引き続きこのように謝罪と反省が成立しないという気がして複雑な気持ちだ

司会者がこう言ってインタビューはおしまい。

 

この記事のどこを読んでも、黒田氏が「韓国、日本からの3億ドルのおかげで発展…忘れたのか」と言ったとは書いてない。
この見出しは悪意に満ちている。

とにかく韓国の場合、日本が手助けしても韓国人は不愉快になることは分かった。
韓国側は日本に、「蛮行」や「被害」についての真の謝罪や反省しか求めていないのだから。
それ以外のことを言うと、きっと「反省が足りない」と怒られる。

 

 

中央日報の記事の2日後、朝鮮日報にこんなコラム(2019/07/07)が載っていた。

請求権と司法壟断

このなかで、韓国政府が日本から受け取った無償3億ドルと長期低利2億ドル相当の物資に触れ、こう書いている。

韓国の輸出総額が年間2億ドルにも満たなかった時代のことだ。この資金によって浦項製鉄ができ、京釜高速道路などが建設された。

 

韓国人にもいろいろな人がいて、「リスナーは非常に気持ちが良くない」「非常に侮辱的という考えすらする」と言う人もいれば、こうして認めるものは認める人もいる。
*でも、これを日本人が言ったらどうなるかは分からない。

日本が韓国にわたした3億ドル(約320億円)には、元徴用工への保障の意味もあった。
だから韓国政府はこの中から、元徴用工の人たちにお金をわたせばよかったのだけど、当時の政府は経済成長を選ぶ。

ところが日本から受け取った資金のほとんどは国内での開発に使われ、被害者に支払われたのはわずか92億ウォン(約8億5000万円)だった。

だから訴訟を起こすなら、韓国政府に対して行って取り返すべきなのだ。

 

いまの徴用工問題について朝鮮日報は、「被害者に代わって資金を受け取った韓国政府が、個別に保障し解決するという意味だ」と書いている。
この問題は完全に国内の問題だから、韓国政府が責任と自覚を持って対応しないといけない。
…ということを日本人が言うと、韓国の人たちはきっと「非常に気持ちが良くない」「非常に侮辱的」と不機嫌になる。「盗人猛々しい」かも。

助けても助けなくても文句を言われるなら、最初からかかわりたくなくなる。
検索キーワードに、「韓国 反日 うんざり」はこれからも続くはずだ。

 

 

こちらの記事もどうぞ。

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韓国 「目次」 ②

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近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

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2 件のコメント

  • >日本が韓国を助けなかったら、韓国人の反応は悪いにきまってる。

    身近なところで在日韓国人との付き合いもあり、一般の日本人よりも韓国人をよく理解しているであろうブログ主さんでさえ、このように考えるとはなあ。間違いですよ。日本が韓国を助けなかったら、韓国人の反応は悪いに決まってる?私は違うと思いますね。日本が助けた(日本に助けられた)からこそ、彼らには悪感情がいつまでも残っているのです。原因は、ねじ曲がったプライドですよ。儒教的な価値観(中国>韓国>日本)に裏打ちされた感情。
    もしも日本が戦後に助けなかったら、日本との関係が早くから断たれることによって韓国はここまで発展できなかっただろうし、ここまで日本を侮辱できるほど余裕もなかっただろうし、北朝鮮あるいは中国あたりと紛争を続けていて、そっちを憎むことに専念していたでしょう。(歴史にIFは意味のない論証ですが。)
    今からでも遅くない、なるべく距離をとって頭を冷やすのが適切な関係を築くのに役立つことだと考えます。

  • 韓国が通貨危機を迎えたとき、「日本が助けてくれなかったから」と日本を恨む言説は韓国紙で何度か見ました。
    いまも韓国企業が困っても輸出規制を解除しない日本を恨んでいます。
    それで「日本が韓国を助けなかったら、韓国人の反応は悪いにきまってる。」と書いたわけです。
    まあ、あちらの意に沿うまで日本は悪者にされるんでしょうどね。
    いまは距離をとるのが一番です。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。