どこまでも自己中な韓国文政権、日本との協議の行方は?

 

韓国文政権の外交的な賭けは無惨に失敗した。

日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を延長するかわりに、日本は韓国に対する輸出規制を撤回しろとせまったものの、これがアメリカを激怒させて、3か月後にはGSOMIA延長を発表する。

自国メディアから「無能外交」と書かれたムン政権だけど、日本が輸出管理強化を撤回する条件を知ることはできた。
日本政府は「フッ化水素など3品目に対する輸出規制強化措置の撤回」と「ホワイト国への韓国復帰」のために、韓国が次の3つをクリアする必要があるとした。

・両政策対話が開かれていないなど信頼関係が損なわれている。
・通常兵器に関する輸出管理の不備がある。
・輸出審査体制、人員の脆弱性が解消されなければいけない。

韓国側がこれらのハードルを越えたら、日本は輸出管理強化を撤回する方針だ。
ただ必要な時間は「数年かかるだろう」と日本政府関係者が話しているから、早く吉報をほしいのなら韓国はいますぐにでも取り掛かるべき。

 

 

というわけで、いまボールをもっているのはあちらさん。

事態打開のために文政権の決断と実行が求められる状態なのに、向こうにはその自覚がまるでない。
「12月中に、日本政府の責任ある誠実な措置をうながす」と、とてつもなく自己中なことを言いだす。
日本は条件を示した。
次は韓国が応える番だ。
汗をかかないといけない韓国がなんで上から目線でのんきなことを言っているのか。

文政権はGSOMIA延長を、輸出管理強化撤回の交換条件として提示したつもりだったけど、これも自分勝手な考え方で、この2つはまったく性質が違うから取り引きにはならない。
貿易問題と軍事情報を共有する安全保障はまったくの別問題。

怒ってこぶしを振り上げたものの、日本からはほとんど譲歩を引き出すことができずに、そのまま何事もなかったようにこぶしを下した。

「事実上、韓国の判定勝ちとみることができる」と韓国政府は言ったけど、きっとその声は屈辱と怒りで震えている。

中央日報のコラム(2019.11.28)

相手はあたかも文大統領にKO勝利でもしたかのように意気揚々として「パーフェクトゲーム」を云々したことで、大統領は一方ではやり切れず一方では怒りを感じたのだろう。

勝利しても勝ったふりをしないのが外交というが=韓国

たしかに日本の側も勝利宣言はもういらない。

 

外交的な恥をかいたことで、いま韓国政府は国民の目を意識して、日本に対して優位な立場を演出しないといけない。
そんな背景があるのだろうけど、3つの条件をクリアしないといけない側が日本にこんなことを言う。

中央日報/韓国経済新聞の記事(2019.11.27)

青瓦台(チョンワデ、大統領府)は22日、GSOMIA終了猶予決定を発表し、「(輸出規制が)長期間続くのは許容できない」と警告した。

韓経:日本「韓国、ホワイト国復帰に数年かかる」…青瓦台「長くは待てない」警告

はは。まるで被害者。

 

韓国政府は自分たちの外交的自爆を「譲歩した」と都合よく解釈して、「今度は当然、日本がゆずる番」と本気で考えているようだ。
韓国が条件を整えて、日本がそれを確認しないと何も始まらないのに。
「許容できない」と警告する国内向けアピールは外には逆効果。

来月12月に輸出管理について日韓の局長級協議が行われるけど、これほど認識のギャップがあれば、「互いの意見は一致しない」という点で一致して終わるだろう。

 

 

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近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ③

 

2 件のコメント

  • 他国への憎悪を煽って、愛国心と政権支持率を高めようというやり方は、かつてのナチス・ドイツと同じやり方なのだが。そのことに韓国人自身が気づくのはまだ当分先の話でしょうね。
    旭日旗を見て、「戦犯国の戦犯旗だ」「ナチスのハーケンクロイツと同じだ」などと、大学教授が先頭に立って非難しているようではねぇ・・・。自国や隣国の歴史・文化に対し、事実に基づき客観的に評価するだけの冷静さが欠けている。そのように稚拙な思考様式が主流をなす教育を受けた国民では、理数系のノーベル賞なんてとても無理です。

  • 政治家やマスコミが反日をあおるから国民も止まりません。
    激しい国民感情を作り上げて、政治家やマスコミが逆にそれに行動を縛られるということもあります。
    台湾のように過去は過去として、現在と未来を大事にすればいいのですけど、まあそんな意見は通じそうにないです。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。