【ドイツ人の話】春の象徴・京都の感想・日本人のむずかしさ

 

以前日本に住んでいて、いまはブレーメンにいるドイツ人とこのまえ話をしたので、今回はその内容を紹介していこう。

 

・春の象徴

まずは季節のあいさつから。
日本で冬は完っ全に過去になっていまは桜が咲きはじめたことを伝えて、ドイツで春を象徴するものは何かきくと、「それならイースターだね」と彼が言う。

聖書によると、処刑されて埋められたイエス・キリストは三日目に復活した。
そんな奇跡を祝うキリスト教で最も重要なイベントがイースター(復活祭)で、2021年は4月4日がその日になる。
そう言えばイギリス人もこれが春を象徴するものと話していた。

 

日本ではその時期、パッケージがイースター仕様になるお菓子が登場する。

 

またドイツで春を告げる花なら、下のクロッカスがあると言う。

 

 

・京都旅行について

まだ人類がコロナという悪魔を知らなかった2年前の夏、彼と一緒に京都を旅行したので、そのとき感想をきいてみた。

2日間、京の都をあちこちを回って、彼にとって一番よかったのは「竹の森」だとか。
そうかやっぱり竹の森か。ってそんなとこ行ったっけ?

英語で言ってもらうと「バンブーフォレスト」ということだったら、それは嵯峨野の竹林と判明。
あれは森じゃなくて林なんだが。
とはいえ英語では「フォレスト」と紹介されているし、それをそのまま日本語にしたら「竹の森」になるのは仕方ない。
海外ではあれは”森”になるのか。

彼はそのときまで、こんなに太くて長い竹をヨーロッパで見たことがなかったし、それが視界を覆う光景の中でまるで別世界にいるような気がしたという。

 

これがそのときの彼

 

竹はヨーロッパで自生していないから、ドイツには輸入された竹がある。

 

 

ドイツで竹製品はわりと一般的らしい。
アジアっぽいし丈夫で環境にも良いから、竹製品を好きなドイツ人はめずらしくなく、彼は竹で作られたまな板を持っている。

英語版ウィキペディアの説明によると、竹は調理器具や箸の製造でよく使われて、現代では竹製品をエコフレンドリー(環境にやさしい)と考える人もいる。

bamboo is frequently used for cooking utensils within many cultures, and is used in the manufacture of chopsticks. In modern times, some see bamboo tools as an ecofriendly alternative to other manufactured utensils.

Bamboo・Kitchenware

 

プラスチック製品を嫌う欧米人は多いから、竹製品のニーズはけっこうあるかも。

 

他にも竹を鑑賞用に鉢に入れて、庭や家の中でボンサイのように育てる人もいる。
家具店のイケアなんかで売っているけど、ドイツにある竹はすごく細くて小さい。

父親が庭で竹を育てていたから、彼は昔から竹は好きだった。
でも嵯峨野にあった竹はまったくの別もので、それが超”密状態”だったから雰囲気に圧倒された。

 

ドイツの竹はきっとこんな竹

 

竹林のほかで、京都でよかったところは貴船の川床(納涼床)。
きれいな水の流れならヨーロッパにもあったけど、その上で食事をするという発想は聞いたことがないし、見た目にも鮮やかですごくよかった。

 

 

京都で嫌だったのは外国人と蒸し暑さ。
自分もその一人だったから強くは言えないけど、外国人観光客の数は想像を超えていた。
特に伏見稲荷は外国人の大渋滞で、とても日本らしいところなのに、日本をあまり感じられなかったのが残念。

それとドイツ人にあの盆地の蒸し暑さは強烈で、歩き疲れて観光を楽しめないこともあった。

 

 

・日本人の難しさ

日本で留学しているドイツ人がいて、なかなか日本人の友だちができないという悩みを打ち明けるYouTube番組を最近見た。

たとえば本人(日本人)が「これは好きです」と言っても、あとからそれは、大して好きではなかったことがわかった。
自分は家(アパート)に招待しても、日本人は自分を家に招いてくれない。

YouTubeのドイツ人は日本人の「本音と建前」の違いがわからず、何を信じていいかよくわからなくてフラストレーションを感じていた。
そういう欧米人はよくいる。

振り返って考えてみると、自分が日本にいたときはそこまでひどくはなかったけど、確かに「本音と建前」で不満を感じたことはある。でも全体的に、日本人とは気持ちよく付き合うことができた。
なのにそんなYouTube番組や、ネットで「日本人との付き合いは本当にむずかしい」と嘆く外国人の声を知ると、「あれはすべて建前だったではないか?日本人が自分に見せた友情はフェイクだったのではないか?」と疑心暗鬼になって、もしそうだとしたらすごいショックだと言う。

 

それはないと思うけれど、実際どうかは分からない。
それにしても「本音と建前」の違いから、「日本人はウソをつく」「正直ではない」といった意見があちらのネット空間に多くあるというのは意外。

相手を傷つけないように、その場の空気を悪くしないように、本音と建前を使い分けるのだろうけど、相手が外国人だとかえって不快にさせることがある。
でも日本に10年以上住んでいて、すっかり慣れたアメリカ人は「あれは日本人の知恵だ」と評価する。
日本人を相手にするのなら、外国人がこれに適応するしかない。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。