エジプトでぼられ、中国で差別され。日本の券売機は素晴らしい。

 

セントレア空港までのバスチケットは、券売機で買った。
2300円ナリ。
券売機の良いところは、絶対にぼったくらないこと。
「そんなの当たり前じゃん」と思われるかもしれないけど、外国でスタッフと窓口からチケットを買うときは、ぼったくられることがある。

 

例えば、インドでバスのチケットを買ったときは、バスターミナルのチケット売り場で、バスチケット代と「手数料」を請求された。

チケット代が1000円として、チケットに書いてある1000円とは別で「300円の手数料がかかる。300円を払え」と、窓口のスタッフが言う。
後ろに人が並んでいたし、スタッフも怒り気味だったこともあって、よく分からないまま払ってしまったことがある。

もちろん、これは払わなくていいものだった。
間違いなく、その事務手数料は、その職員のおこずかいになったはずだ。
今、思い出しても腹が立つ。

 

エジプトで首都カイロからアスワンという街へ列車で移動しようと考えた。
カイロの鉄道駅のチッケト売り場に行くと、窓口から長蛇の列が並んでいる。
1時間ほど並んでやっと窓口にたどり着いて、「アスワン行きの2等列車のチケットをください」と言うと、「ここは、そのチケットは売っていない。それは、向こうの窓口だ」と、別の窓口を指さす。

 

「また、並び直しかよ」
と、がっかりするボクに、こう言う。
「でも、おまえは、外国人だから、特別にここでもチケットを買うことができる。」
その言葉を信じて、言われたままの料金を払ってそこでチケットを買った。
宿に帰ってから、「やられましたね」とエジプトをよく知る旅行者から、ぼったくられたことに気づいた。

 

その駅の職員の「ここでは買えない」というのはウソで、結局、彼におこづかいを上げてしまったらしい。

 

日本の券売機さんは、そんなぼったくりは絶対にしないから、信用できる。
券売機のもう一つ良いところは、券売機はチケットの購入者を差別をしないこと。
誰もが、券売機の前では、平等で差別はありえない。
これは、ボクが直接経験したことじゃなくて、中国を旅していたときに出会った旅行者から聞いた話になる。

 

ある日本人旅行者が、泊まっていた宿で列車のチケットを買おうとしたら、「それは、できない」と拒否された。
理由を聞いても、「できない。とにかくできない」と、頑(かたく)な態度で、ラチがあかない。仕方がないから、「もういいや」と、そこでチケットを買うことはあきらめた。

 

でも、その日の夜に、同じ部屋のアメリカ人から話を聞くと、彼は宿のスタッフからチケットを買っていたという。
つまり、「日本人には、売らないけれど、アメリカ人の客には、列車のチケットを売っていた」ということになる。

 

「あれ、スタッフが、日本人をキライだったんですよ。日本人には売りたくなかっただけだと思いますよ。絶対に、そうですよ!」

彼は、吐き捨てるように言っていた。
「ひどい話だな」と思って聞いていたけど、ありえないこともでないと思う。
でも、彼の場合は、ホテルに泊まることができて、まだ良かった。もっとひどい体験をした日本人旅行者もいた。

 

その人が、値段も雰囲気も良さそうな宿を見つけたから、中に入ってフロントで、空き部屋があるかを聞いた。
「ある」という返事だったから、そこに泊まることにして、そのままチェックインの手続きをする。
そのとき、日本のパスポートを見せたとたん、その中国人スタッフの態度が一変した。

 

「おまえを、ここに泊められない。別のホテルに行け」
「何で、泊まれないんだよ?」と、彼は、抗議したけど、スタッフは、聞く耳をもたない。
「知らない。早く他のところへ行け」と言うばかりだったという。
結局、彼はあきらめて、別のホテルを探すことになったという。

 

でも、これは、中国に行った時期とめちゃくちゃ運が悪かったのだと思う。
ボクが中国で旅行したときは、こんなことはなかった。

でも、中国に限らず、ある国がキライな人というのは、世界中にいる。
そして、客がそのキライな国の人であると分かると、露骨に態度で示すということはあると聞く。

 

この逆もある。
ある日本人旅行者が、ヨーロッパのある国のレストランに行ったときのこと。

そのレストランの店員の目つきは冷たいし、自分にあいさつもしない。
「態度が悪いな」と思っていたところ、その店員が、自分が日本人だと分かると、態度がを急に変えてニコニコして接客してくれたという。
そして、はっきり言ったという。
「ごめんなさい。あなたが、○○人かと思っていたの。日本人なら、私たちの友だちよ!」

 

めったにないと思うけど、対面販売だと、こういうことが起こる可能性はある。
そのスタッフが、特定の国の人に偏見や差別感情をもっていて、それを態度に示すことがある。ボクは直接経験したことはないし、本当に、めったにないことだと思うけど。

 

チケットの券売機には、それが絶対にない。
客の肌の色が黒くても、白くても、黄色でも関係ない。
仏教、イスラム教、キリスト教、ゾロアスター教の信者でも差別はしない。
今日の空港バスのように、誰でも2300円でチケットを購入することができる。

こんな日本券売機が大好きだ。
イギリス人は、ラーメン屋で初めて食券の券売機を見たと言っていた。
日本のように、街中に自動販売機がある国は、世界でも珍しい。
自動販売機(券売機)も、一つの文化だと思う。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。