【日本の処理水】被ばくを恐れた中国人に起きた悲劇(喜劇)

 

日本が福島原発の処理水を海へ放出すると、中国からは激しい反発がわき上がった。
それで、思わぬ副作用も出てきている。
国営メディアが連日、「核汚染水」の危険性を報じた結果、国民の間では「放射線被ばくへの恐怖」が広がり、過去に韓国で起きたように、塩の買い占めが発生した。
すると、中国政府と国営メディアは事態を収拾するために、「韓国のまねをするな」「我々は韓国人よりも理性的だ」と呼びかけた。
(この表現がとても中国らしい)

それを伝える韓国メディアの朝鮮日報は、納得いかない思いだろう。(2023/08/26)

中国政府、自国民の塩買い占めに「韓国人のマネをするな」

ただ、科学的には、日本の海洋放出は安全と言っていい。
国際原子力機関(IAEA)が厳しくチェックして、国際基準を満たしていると太鼓判を押した。
そもそも処理水を海へ流すことは、フランス、韓国、中国の原発もしている常識的なコトなのだから。

でも、残念ながら、中国ではそんな報道は行われていないらしい。
それで、不安から塩の買い占めが発生したり、「刺身は好物だったのに、もう二度と食べない!」と怒る人が現れたりしている。
そんな状況のなか、「藪(やぶ)をつついて蛇を出す」的な人がいて、中国でちょっとした話題になった。

Newtalk新聞(2023.08.29)

上海網友測自家核輻射值竟是東京976倍 學者:日本核電廠排水加劇中國房地產危機

上海に住むある中国人が試しに、放射線測定器で自宅の放射線量を調べてみたところ、最高で9.7マイクロシーベルト(nSv)だったことが分かってビックリ。
この数値は福島の放射線量(3.0nSv)に比べると3倍以上あり、東京(0.01nSv)の976倍だ。
衝撃の事実を知ってしまった中国人さんは、「まさか自宅で(測定器の数値が)爆発すると思わなかった。もう頭が痛い」とSNSに投稿した。
これはネット上で大きな反響を呼び、人々が議論を始めた結果、台湾メディアがニュースで取り上げることとなる。
中国では、放射線被ばくを避けるために、測定器を購入して水産物を測る人が増えているらしい。その危険が自宅にあったとは、夢にも思わなかっただろうけど。

 

この事態について、学者が「中国の不動産危機」を指摘した。
中国では、不動産開発会社の大手である恒大グループや碧桂園が財政危機にあり、不動産バブルは崩壊に近づいているという見方がある。
そんな状況の中で、建築材料に、基準値を超える放射性物質が含まれている可能性が明らかになって、国民に驚きと不安を感じさせた。
不動産業者に不満を言い、政府当局との癒着を疑う人もいるという。
これは、すでに危機的な状況にあった中国の不動産市場を悪化させ、結果的には、中国経済を困難な状態な状態に追い込むだろうと学者は指摘する。

中国メディアの報道を見て、国民が日本の処理水放出について「放射線被ばくの恐怖」を感じ、測定器を使って調べてみたら、じつは日本よりも自宅が”危険”だと分かって驚いた。
こんな悲劇か喜劇かワカラン出来事に、日本のネット民もほころんだ。

・コントかよ
・現実が見えて、良かったなあwww
・この投稿者、存在ごと消されない?
・しかしすごい数値だな
・逆に免疫力上がりそう

投稿者が消されることはないだろうけど、市民の不安を取り除くために、放射線測定器が市場から取り除かれる予感がする。
根本的には、科学と事実を知れば不安や恐怖は取り除かれるのだけど。

 

 

中国 「目次」

日本 「目次」

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。