日本とハワイのつながり:アロハシャツの起源は和服だった

 

数字の「8」は中国人にとってはラッキーナンバーだから、8月8日は縁起がいい。
でもハワイでは、2023年のその日に、大規模な火災が発生してしまったから、これから悪夢の日になりそうだ。
ウィキベテアの「ハワイ・マウイ島山火事」によると、現在までに 115人の死亡が確認され、1300人以上が行方不明となっている。
アメリカで起きた山火事としては、過去100年で最悪の被害だ。

とはいえ、外国人が悲しんでいるだけで、ハワイが復興することはない。
日本人がハワイに親近感を感じるように、今回は日本との関係を紹介しようと思う。

 

 

いまマクドナルドへ行けば、「チーズロコモコ」や「チーズロコモコマフィン」などを食べて、(自己責任で)ハワイにいる気分を味わうことができる。
「ロコモコ」は、ご飯の上にハンバーグと目玉焼きをのせて、グレイビーソースをかけた料理で、日本での人気も高い。
このハワイを代表する料理は、日系人の発明と言われている。
ご飯の上に具材をのせるスタイルは「どんぶり物」と同じで、まさに日本人らしい発想だ。

【日米合作】日系人が即席で作ったハワイ料理・ロコモコ

 

それはこの服も同じ。

 

ハワイの言葉で「Aloha(アロハ)」は、「好意・愛情・慈悲・優しい気持ち・思いやり・挨拶」といった意味を表す。
ハワイの人たちがよく着ていて、旅行者にはお土産のド定番になっているアロハシャツは、100年以上前、ハワイに渡った日本人移民が着物を仕立て直したものが起源とされている。

当時、日本からハワイに移住した人たちは、ヨーロッパ人が持ち込んだ開襟シャツの作業着を着て、農作業をしていた。
そして、日本から持ってきた着物を再利用する際、このシャツ(パラカ)風に仕立て直したのがアロハシャツの起源になったという。

*現地の人が日本の着物の美しさに感動して、「その着物をシャツにしてくれ!」と頼んだこと始まりになったという説もある。

1930年代に入ると、日系人や中国系の人々によってこのシャツが作られるようになり、1935年には、日系人が経営するムサシヤが最初の「アロハシャツ」という名前の広告を出した。

 

英語版ウィキベテアには、こんな起源説が書いてある。
1920年代か1930年代のはじめ、ホノルルにある宮本幸一郎が経営する「シャツの店ムサシヤ」が、カラフルな和柄プリントのシャツを作り始めた。
アロハシャツはこれに由来する。

the origin of aloha shirts can be traced to the 1920s or the early 1930s, when the Honolulu-based dry goods store “Musa-Shiya the Shirtmaker” under the proprietorship of Kōichirō Miyamoto,started making shirts out of colorful Japanese prints.

Aloha shirt

 

初期のアロハシャツは、日本から輸入された生地を使って作られていたから、和柄が多かった。
その後、ハワイで独自に発展していき、1940年ごろには、パイナップルやヤシなどのカラフルなデザインが増えていく。
現在の日本人がイメージするトロピカルなアロハシャツは、この時期にうまれたと考えていい。
でも、その起源は日本人の和服にある。

ハワイへ旅行に行って、アロハシャツを着る機会があったら、ぜひ日本人移民の思いや歴史を想像してほしい。

 

1960年ごろのアロハシャツの生地
着物の面影を感じる。

 

日本の着物が南国風のシャツに変わって、アロハシャツが誕生した。
そして、それをモチーフにして、沖縄の「かりゆしウェア」が作られた。
そんな経緯から、かりゆしウェアを「アロハシャツの親戚」と表現する人もいる。
ハワイ語のアロハは「優しい気持ち・思いやり」を意味し、沖縄の方言である「かりゆし(嘉例吉)」は「めでたい」を意味する。

 

今回の記事のソースは以下の2つ。

アロハシャツ
・内閣府のHP「かりゆしウェアとアロハシャツの違い

 

 

旅 「目次」 

旅 「目次」 ②

旅 「目次」 ③

【日本とハワイ】カラカウア王が明治天皇にお願いしたこと

ハワイでの日本人襲撃事件。公衆トイレと旅行保険は超注意!

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。