【痴漢】世界的に知られる日本の恥 ブルガリア人も困惑

 

さっきニュースを見て、まったく知らなかった日本社会の一面を知った。
1年で痴漢の被害相談がいちばん多いのは6月で、その件数が「もっとも増える」のは4月らしい。
この時期、初めて電車や地下鉄を利用する女性も多いから、それがヘンタイを呼び寄せてしまう。

最近では「触らない痴漢」と呼ばれるニュータイプが増えていて、これは法律で規制しきれないから対応が困難だという。
スカートの下に手を入れてスマホで撮影したら、これは問答無用でアウト。しかし、駅のホームのイスに座って、離れた場所から女性の全身の写真を撮っている場合は判断が難しい。
ほかにも、ターゲットの女性の近くに行き、においをかぐ行為がある。
女性にとっては不快を超えて恐怖を感じるレベルでも、法のグレーゾーンにあって、鉄道警察隊の捜査員もなかなか手を出せない。

ネットの反応を見てみると、「それはもう痴漢ではないのでは?」と痴漢の定義について改めて考え直す人(おそらく大人の男性)が多かったです。

ネットの反応を見ると、手口が進化(ヒトとしては退化)していて、痴漢の定義についてあらためて考え直す人(たぶんオッサン)が多い。

・そのうち目が合ったら痴漢になりそう
・女がキモいと思ったらそれは痴漢
・触らなくても痴漢とか言われると同じ空間に居られなくなるな
・満員電車だと匂い嗅ぐとか不可抗力だろ
・もう肉体捨てて精神生命体になるしかないな

 

前々から、この日本の恥部は海外でも知られている。
だから、痴漢という日本語もそのうちグローバルワードになるのかなと思っていたら、もう英語版ウィキペディアに「Chikan (body contact)」という項目が作られていた。
日本ではよく電車で痴漢が発生するため、女性専用車両( women-only passenger cars)が設けられたという情報以外にも、こんな恥ずかしい事例が紹介されている。
痴漢は駐輪場で息を潜めていて、女性や男性が自転車の鍵を開けるために前かがみになった瞬間、後ろから近づいて体を触る。

もちろん、海外でも痴漢行為はある。
しかし、日本ほど深刻な社会問題になっている国があるかどうかは分からない。
知人のアメリカ人は、痴漢が電車の車両から飛び降りて、線路を走って逃げたというニュースを見て、「映画みたいだ」とあきれていた。

 

ちなみに、関連項目で「Otto Chikan!」というのがあった。
ナニこれ? と思って見てみたら、1986年におニャン子クラブが出した「おっとCHIKAN!」という歌のことだった。「この人はCHIKAN!大きな声で」という歌詞があるらしい。

 

 

以前、日本に住んでいるブルガリア人と話をしていて、日常の生活で困ったことがあるか聞いたところ、「特にない、快適だよ」と言った後、彼は「まあ、あえて言うならアレぐらいかな?」と笑う。
それは、スマートフォンで写真を撮るたびに音が鳴る「カシャカシャ現象」のことだった。
日本のスマホでは盗撮防止のために、それが標準設定になっているから、外国人でも日本でスマホを買えば当然そうなる、と思ったら、ちょっと違うらしい。

「これはブルガリアで買ったスマホだよ。日本に来てから SIMカードを入れたら、写真を撮るたびに音が出るようになってビックリした。その音にイライラしたけど、消す方法がわからないから、もうあきらめた。」

と彼は語る。
彼には音が出るメリットが理解できなかったから、日本人の友人に聞いて理由が判明した。日本では、痴漢や盗撮が重大な社会問題になっていることを彼は知らなかった。
ブルガリア人から音が出て困ると言われても、「ようこそ日本へ」としか言えない。
そのうちスマホのボタンを押すと、「この人はCHIKAN! 大きな声で!」と鳴る機能がつけられるかもしれない。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。