旅㉝飛行機に乗れば分かる!「文化」と「文明」の違いとは?

 

飛行機の中でCAにカメラを向けると、ニッコリする人もいれば前回書いたように「デリート(削除しろ)!」と怒る人がいる。

これは個人の価値観の違いというよりは、文化の違いだろう。

今回は、飛行機に乗ると分かる「文明」と「文化」の違いについて書いていこうと思う。

 

 

「文明」ってなんだ?

まずは辞書でその意味をおさえておこう。

ぶん‐めい【文明】

人知が進んで世の中が開け、精神的、物質的に生活が豊かになった状態。特に、宗教・道徳・学問・芸術などの精神的な文化に対して、技術・機械の発達や社会制度の整備などによる経済的・物質的文化をさす。

デジタル大辞泉の解説

文明とは、大ざっぱにいってしまえば「人間の生活が便利で豊かになる状態」のこと。

たとえば、移動手段を見てみる。
日本の場合、江戸時代の移動手段は駕籠かごだった。

ウィキペディアから。

 

それが明治になると人力車に変わる。
さらに列車やバスへと、移動手段がより便利なものに変化していく。
その結果、人々の生活は便利で豊かになり社会の文明化が進んでいった。

飛行機に乗っているということは、文明社会に住んでいる証拠でもある。

 

 

飛行機の中を見渡しても文明がある。
いろいろな国籍の乗客がスマートフォンやパソコンをいじって時間を過ごしている。
これも文明。

文明には宗教や性別による違いがない。
仏教徒もイスラーム教徒もヒンドゥー教徒もスマホやタブレットを使う。
文明には男女や年齢の違いも関係ない。

文明は、宗教・性別・年齢などの違いを超えて広がるという特徴とくちょうがある。

だから文明には普遍性ふへんせいがある。

ふへん‐せい【普遍性】

すべての物事に通じる性質。
また、すべての物事に適合する性質。

(デジタル大辞泉の解説)

枯山水は文明ではなくて、日本の文化。

 

一方の「文化」には、この普遍性がない。
宗教や民族などの違いを超えることが少ない。

ウィキペディアにはこう書いてある。

文化(ぶんか、ラテン語: cultura)にはいくつかの定義が存在するが、総じていうと人間が社会の成員として獲得する振る舞いの複合された総体のことである。社会組織(年齢別グループ、地域社会、血縁組織などを含む)ごとに固有の文化があるとされ、組織の成員になるということは、その文化を身につける(身体化)ということでもある。

文化には、それが通じる「範囲」がある。
「社会組織(年齢別グループ、地域社会、血縁組織などを含む)ごとに固有の文化があるとされ」というのがそのこと。

その限られたグループの人たちの中で見られる行動(生活様式)のこと。

 

文化の場合、それを決めるのは宗教であることが多い。
飛行機の中で見れば、CAがヒジャブをかぶっているのはイスラーム教の文化になる。

ヒジャブはスカーフのような布で頭髪を隠すものである。もっとも一般的な服装である。

(ウィキペディア)

ヒジャブをかぶったインドネシア人の女性。
機内食を見ても文化が分かる。

 

食べていい物・いけない物は、宗教によって決められていることがある。
イスラーム教徒は豚肉を食べることが禁止されている。
ヒンドゥー教徒は牛を食べることが禁止されている。
ユダヤ教徒はチーズバーガーを食べることができない(例外もある)。

「何を食べるか?食べないのか?」という違いは、食文化の違いになる。

*友人のイギリス人で、自分の意思でベジタリアンになった人がいる。
この場合は、個人的な価値観や考え方にもとづいて肉を食べないのだから、文化とは違うだろう。

だから国際線の飛行機には、食文化の違いに対応できるよう肉と肉なしの機内食が用意されている。

 

イエメンの国内線の機内食。
パンと水ならどんな宗教の人でもOK。
その意味で、パンは普遍性ふへんせいがある食べ物になる。

 

「HALAL(ハラール)」は、イスラーム教徒が食べることができることをあらわしている。
これは浜松市のスーパーにあったもの。

 

クモを食べるのはカンボジアの食文化。

ゴボウを食べるのも日本の食文化。
ゴボウを食べたアメリカ人は、「木の枝を食べているみたいだ」と言っていた。

 

さらに機内食をどう食べるかでも文化が分かる。
日本人や中国人ならお箸で食べるだろうし、欧米人ならスプーンとフォークで食べるだろう。
これも文化の違いになる。
これには宗教は関係ない。

インド人はカレーを手で食べる。
しかも右手を使って食べて左手は使わない。

何を食べるか?
どうやって食べるか?
これは文化で文明ではない。

 

ベトナム人

 

あいさつのやり方も文化になる。
インドから東南アジアまでのアジア人は合掌がっしょうをして、欧米人は握手をする。
もちろんインド人や東南アジアの人たちも握手をする。

カンボジア人

 

さらにイスラーム教徒が多く乗る飛行機には、こんな映像が出る。

Mecca(メッカ)とは、イスラーム教の最高の聖地のこと。
矢印はメッカの方向をしめしている。

イスラーム教徒がお祈りをするときは、必ずこのメッカに向かっておこなう。
だからメッカがどの方向にあるか分からないとお祈りができなくなる。
ということで、飛行機にもこんなサービスがある。

 

これはバングラデシュのホテルの部屋にあった矢印。
これも「メッカはこの方向ですよ」としめしている。

 

旅館は日本の文化

 

ここまでをまとめると、

文明とは、生活が便利で豊かになるという物質的なもの。宗教や国を超えて広がる。
文化とは、ある集団で見られる共通の行動様式のこと。物質的なものより精神的なものが多い。

 

とはいえ、「文明」や「文化」という言葉がもつ意味は広い。
文明が文化という意味をふくんでいることもある。
ここで書いたことは全体的な傾向で、例外もある。

文明と文化のイメージはこれでいいと思う。
後は自分で調べて理解を深めましょう。

 

 

こちらの記事もいかがですか?

日本の「kawaii(かわいい)文化」!海外の反応は?由来は?

海外に広がる日本文化(国際化)③中国やタイで見たアニメ・相撲

日本、世界にデビュー④江戸幕府、パリ万博参加・ジャポニズム

旅㉑おにぎりをめぐる日本と中国・韓国の食文化のちがい

満州の旅⑧中国の「ニーハオ(你好)トイレ」入門編 ~知る~

 

コメントを残す

ABOUTこの記事をかいた人

今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。