平和を考えた②  日本と韓国はここが違う。ボクは、韓国人の気持ちを共有できない。

 

一言
「驚くことには、また残念ながら、自分の国で人道の名に於いて道徳的重荷になっている善徳や品性を、日本人は生まれながらにしてもっているらしいことである。(モース 昭和)」

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「戦争に『良い戦争』も『悪い戦争』もない。すべての戦争は悪であって、絶対にしてはならない」

という考えは、日本だけではなく、韓国を含め世界のどこの国でも通じる考え方だとボクは思っていた。
しかし、友人の韓国人から次のような話を聞いて、韓国の現状を考えた場合、「この考えは、韓国でも通じる」と、言い切る自信がなくなった。

そのことを、今回の記事で書いていきたい。

 

日本と韓国の違いはいくつもあるが、最大の違いの一つといってもいいことが、韓国が「分断国家」であることだ。
そして、その不安定な状態ともなう安全保障や平和に対する考え方も違う。

 

分断国家(ぶんだんこっか)とは、一つの国民家になんらかの歴史的経緯を経て2つ以上の政府が同時に存在しそれぞれが当該国家の唯一の合法的政府であり、それ以外は違法であると主張している状態の国家である(ウィキペディア)

 

同じ朝鮮民族であるにもかかわらず、現在、二つに分断されている状態は、前回の記事で書いた朝鮮戦争が決定的な要因だ。

「朝鮮戦争」

「1950~53 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)から大韓民国(韓国)への侵攻で始まった戦争。
北朝鮮軍に対し、アメリカ軍を中心とした国連軍が韓国を支援して介入(かいにゅう)した。
戦況が逆転して国連軍が鴨緑江(おうりょくこう)にせまると、中国が人民義勇軍を派遣して、のち38度線を挟んで戦局が膠着(こうちゃく)した。
1953年に休戦協定が結ばれ、国家の弁列は固定化された(世界史用語集 山川出版)」

 

日本では、一般的にこの戦争は「朝鮮戦争」と呼ばれているが、この戦争の言い方は国によって様々違う。

 

韓国では韓国戦争や韓国動乱あるいは開戦日にちなみ6・25(ユギオ)、北朝鮮では祖国解放戦争、韓国を支援し国連軍として戦ったアメリカやイギリスでは英語でKorean War、北朝鮮を支援した中華人民共和国では抗美援朝戦争(「美」は中国語表記でアメリカの略)と呼ばれている。
また、戦線が朝鮮半島の北端から南端まで広く移動したことから「アコーディオン戦争」とも呼ばれる(ウィキペディア)

 

 

これを見ると、韓国からの見方では、北朝鮮による「侵略」と考えているが、北朝鮮の側は、これを「解放」と考えていることが分かる。
違う見方ではあるが、国によって価値観も考え方も違うのだから、それぞれの国ではその認識が正しい。

このことは、以前、「キューバ危機」についての記事でも述べた。

一つの事実、二つの見方

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「朝鮮戦争当時の韓国の様子」

 

現在の韓国は、北朝鮮とは「休戦中」にあり、戦争が完全に終わっているわけではない。
北朝鮮が再び韓国に攻め込んでくるかもしれない。北朝鮮の側からしたら、韓国が攻め込んでくるかもしれない。
そういう国に住んでいる人たちに対して、次のように言うことができるだろうか?

 

「平和の敵は、戦争だ。そして、戦争に『良い戦争』も『悪い戦争』もない。すべての戦争は悪であって、絶対にしてはならない」
「戦争は絶対悪だから、してならない」となると、北朝鮮に攻め込まれても、韓国がこれに応戦することができなくなる。そうなれば、そのまま北朝鮮に占領されて、韓国という国は滅亡してしまう。逆もまた同様だ。

 

これは、韓国人にしたら到底受け入れられない考えだろう。
「戦争をしないということが一番大事なのだ。それによって、韓国という国や韓国人という国籍を失っても、北朝鮮政府のもとで、平和に生活できるのならそれでいい」と、考える韓国人がいるとは想像できない。

 

「北朝鮮に攻め込まれても、これに応戦しなかった韓国は、国を失ったけれど、戦争を拒否して平和を愛した素晴らしい人々だ」
と、日本人や世界の人々から称賛を受けて喜ぶ韓国人は、さらに想像できない。

 

この点では、韓国はイスラエルの次のような考えを取るだろう。
「世界中から愛されながら滅亡するのなら、世界中から嫌われても生き続けることを選ぶ」

イスラエルの「嫌われる側の論理」④ ~ユダヤ人もあの分離壁を壊したい~

 

これまでの話は、「もし北朝鮮が韓国に攻め込んでくれば」という仮定のものだ。朝鮮戦争が一応の決着をみてから、もう60年ほどが過ぎている。
今でも、本当に北朝鮮が再び韓国に攻め込んでくる可能性はあるのだろうか?

 

というボクの質問に、「それは、絶対ありますよ」と韓国人3人は口をそろえて言う。その「あります」の根拠として、彼らがあげたのが「天安沈没事件(てんあんちんぼつじけん)」と「延坪島砲撃事件(ヨンピョンドほうげきじけん)」だ。

 

以下も、ウィキペディアからの引用になる。

 

「天安沈没事件(てんあんちんぼつじけん、チョンアンちんぼつじけん)は、大韓民国海軍浦項級コルベット天安2010年3月26日に沈没した事件である。

行方不明となっていた46名のうち36名の遺体が収容された」

「軍と民間の合同調査団(韓・スウェーデン)は、天安は北朝鮮による魚雷の攻撃を受けて沈没したと断定する調査結果を発表した」

 

韓国人の友人と行ったソウルの博物館で、この沈没した潜水艦の一部が展示されていた。
「これは、絶対に許せないことです。このニュースを聞いたとき、私は、怒りで体中が熱くなりましたよ」

 

その友人は語気を強くして、そう言っていた。
彼は徴兵されて軍隊で生活していた経験があるから、「同じ仲間が殺されてしまった」という気持ちがよけい強かったのだろう。

 

こういう言葉を聞くと、「やっぱり、日本人と韓国人は違うのだな」と感じる。
彼とは良い友人で、言葉以外の壁をあまり感じたことはあまりない。
どこかに遊びに行ったり、一緒にご飯を食べて話をしたりするだけなら、楽しく過ごすことができる。
このくらいの付き合いであれば、日本人と韓国人の違いを感じることはなく、「国の違いはあっても、結局は、同じ人間だな」と思っていた。

 

けれど、ボクがこの沈没事件をニュースで知ったときは、「何で、こんなことが起こったんだろう」と胸を痛めたくらいだ。
彼のように、「同胞が殺されて、思わず怒りで体中が熱くなった」という強い感情がこみ上げてくるまではいかなかった。

 

もちろん、彼のように「北朝鮮への怒りで体が震えた」という日本人もいるかもしれない。
この「同胞が殺された。絶対に許せない」という感情が自然にこみ上げてきて、その気持ちに心から共感することはできるのは、やはり韓国人だけだろう。

 

これは国の違いだけではないけれど、日本人が外国人と「すべてを同じように感じる」ということは、現実にはできないと思う。

 

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今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。