大坂なおみ、全米オープンで優勝!からの”日本人とは何”?

 

やりました!
大坂なおみ選手が全米オープン女子シングルスでみごと優勝!
全米オープンで、日本選手が頂点に立ったのはこれが初めて。

ちなみに、テニスの世界4大大会とは、全豪オープン・全仏オープン・ウィンブルドン選手権・全米オープンで、これらは最高の権威をもっている。

全米オープンで優勝したというのは、テニス好きの友人に言わせると、オリンピックの金メダルより価値があるらしい。

 

ということでいま、この歴史的快挙に日本中が沸いている。

なかには、なおみ選手が優勝インタビューで、「トンカツ、カツ丼、カツカレーを食べたい」と答えたことに注目した人がいた。

大阪にある「とんかつ小ばやし」は、「大阪“なおみ”チャンス!!」というキャンペーンを始める。
「なおみ」という名前の人には「トンカツ定食」が無料になるらしい。
ただし、大阪在住のなおみさんだけ。

くわしいことはここを見てほしい。

大阪の「なおみ」さん全員を対象に 「トンカツ定食」と「カレー」が無料になるキャンペーン開始

これにネットの反応は?

・大阪でなくて大坂やで
・なおこやなおきも半額でお願い
・ナオミワッツも対象かよ
・直巳だがよろしいか?
・ドケチ東京では有り得ないサービス
・日本で唯一の東京という苗字の家族が岸和田に住んでるんだって!笑たw
・逢坂山(おおさかやま)も便乗して名神はその区間割り引いてよ。

 

優勝トロフィーを持つなおみ選手

 

新聞各紙もこの偉業を取り上げる。

読売新聞の社説(2018年09月11日)

20歳の大坂選手には、まだ伸びしろがある。これからの鍛錬次第では、世界のトップに立ち続けることも夢ではないだろう。(中略)テニスに限らず、世界の舞台で日本選手が活躍することが、競技の発展には欠かせない。

「大坂全米優勝 日本テニス界の悲願達成だ」

 

ただ大坂なおみ選手が注目されたことには、別の理由がある。

なおみ選手はハイチ出身の父親と、日本人の母親の間に生まれたハーフだ。
大阪で生まれたあと、3歳でアメリカに移っている。
ちなみに北海道におじいさんがいて、「東京五輪でも活躍してもらいたい」と話しているらしい。
なおみ選手アメリカで育っているから、日本語をうまく話せない。

以上のことが理由で、なおみ選手を「日本人ではない」「日本人には見えない」という人がいる。

そんな声を受けて、毎日新聞は社説(2018年9月11日)で”日本人とは何か?”を問い直している。

大坂選手の活躍は、日本人観をあらためて考える機会となった。

「大坂なおみ選手の快挙 さらなる成長が楽しみだ」

 

同じようなことは前にもあった。

2015年のミス・ユニバース日本代表に、黒人(アフリカ系米国人)の父親と日本人の母親をもつ宮本エリアナさんが選ばれたときも、「日本人とは何か?」という論争が起きている。
CNNニュース(2015.03.25 )から。

日本は国民の約98%を同じ民族が占める保守的な社会。「日本人らしい」白い肌が美の象徴とされるなか、宮本さんの選出は異例の出来事として話題を呼んだ。

米国人の父を持つ20歳、ミス・ユニバース日本代表に

 

スコットランド系の父親と日本人の母親をもつ桐島ローランドさんも、ツイッターでそのことに触れている。

このツイートは大きな反響や共感を呼んだ。

 

でも、匿名で書き込めるネット掲示板を見ると、心のどこかで大坂なおみ選手が日本人ということに抵抗を感じる人がけっこういる。

・潜在的にみんな日本人だとは思ってないんだよ
・なんつーかどっちかっていうと大坂さんは日系外国人イメージだわ
・心から祝福はしているし
人種差別をする気はないつもりだけど
違和感がゼロだとはまだ言えないな

・首都圏の人と話すとなぜか北海道や九州は「島」扱いが多い
・活躍すれば日本人に格上げ
ミスったり、不祥事やらかせばたちまち混血扱い

 

なおみ選手は間違いなく日本人だ。
日本国籍があり、「心は日本人に近い」という理由で本人は日本選手を選んでいる。

全米オープンの決勝で戦ったセリーナ選手には、「プレーをしてくれてありがとう」と話している。
こういう謙虚さや敗者に敬意をしめす態度は日本人らしい。
この大会中、海外のメディアからアイデンティティーについて聞かれたとき、なおみ選手は「私は日本の文化の中で育った」と答えていた。
そのことは言動にも表れている。

 

 

毎日新聞は社説で「人種や言葉の共通性だけではくくれない、新しい日本人像を大坂選手は示している」と書いた。

たしかにそうだと思う。
知り合いでバングラデシュから帰化して、日本国籍をとった人がいる。
バングラデシュ系日本人で、本人は日本の文化や価値観に敬意をもっている。
彼は立派な日本人だ。
もういまは、日本人を肌の色や言葉で定義する時代ではない。

 

でも、大坂なおみ選手を「日本人と認めない」と言うことは人種差別につながるから、表立っては言えない。
まわりの人には「大坂なおみは日本人だ」と言うけど、ネットには「日本人とは思えない」と書き込む人もいるだろう。

こういう意識は表現を禁止すればなくなる、という単純なものじゃない。
「日本人初の快挙!」「なおみさんはトンカツが無料!」という具合に、日本全体で祝福したりよろこんだりすることがいい。
雰囲気を盛り上げて、多くの人がその輪に入ることが有効だと思う。

大坂なおみ選手は2年後の東京五輪で、日本代表として出場するだろう。
そのときの活躍を思うと、今からワクワクする。

 

ヤフコメを見ると、桐島ローランドさんのツイートに違和感を覚える人が多い。
「言い方」というのは本当にむずかしい。
正しい内容でも、反感をもたれるような伝え方をすると、逆効果になってしまう。

 

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今まで、東南アジア、中東、西アフリカなど27の国・地域に旅をしてきました。以前、中学生に歴史を教えていた経験もあります。 また、日本にいる外国人の友人も多いので、彼らの目から見た日本も知っています。 そうした経験をいかして、日本や世界の歴史・文化・宗教などをテーマに、「読んでタメになる」ブログを目指しています。