アフリカから貧困がなくならない理由 「国に貧しさが必要だから」

 

始めの一言

「日本人ほど愉快になり易い人種は殆どあるまい。良いにせよ悪いにせよ、どんな冗談でも笑いこける。そして子供のように、笑い始めたとなると、理由もなく笑い続けるのである。(リンダウ 江戸時代)」

 

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アフリカに貧困な国がたくさんある原因が、一つや二つであるわけがない。
いろいろな原因が複雑にからまっている。
でも、その中の一つにこんなことがある。

世界の各国からもらった支援物資が、必要としている貧しい人たちにはほとんど届かないということ。

総務省のデータによると、2008年の世界全体でのODAの総額は1368億ドル(約12兆円)にものぼり、日本も約7000億円を援助しています。その41%が「サハラ以南のアフリカ諸国」へ向けられています

(マイクロファイナンス解体新書HPより)

 

これは2008年のデータになる。
ただ、援助を「送る」ということと「届く」ということは違う。
アフリカでは援助をしてもそれが実を結ばないのは、そうならない構造があるらしい。

ODAは、「政府開発援助」のこと。

しかし、これだけ長期かつ多額の援助を行っているにも関わらず、アフリカ諸国の絶対的貧困層はほとんど減ってはいません。なぜ途上国の貧困は無くならないのでしょうか?

この問題の根は深く、原因は多岐に渡ります。
例えばアフリカ諸国へODAで援助を行った場合、実際に援助が必要な貧困層へ届くのは、援助総額の2割程度に過ぎないと言われています。

アフリカでは、税関や警察官などにも汚職が蔓延しており、援助物資を乗せたトラックが検問所を通る度に、その一部が賄賂として徴収されるといいます。拒絶すれば、検問を通れないばかりか、ドライバーの身の危険すらあるそうで、賄賂は事実上「強制徴収」になるのだとか・・・。

(マイクロファイナンス解体新書HPより)

 

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エチオピアの少数民族
唇にお皿を入れる文化がある。

 

前回の記事でかいたタイの托鉢(たくはつ)では、集めた食べものを僧侶たちに完全に平等に分けていた。

でもこのアフリカへの支援では、集まった富(援助)の人々への分配がめちゃくちゃだということがよく分かる。

まあ、托鉢とアフリカ支援を比べるのは無理があるけど。

 

さきほどの記述によると、約12兆円ものODAが送られても、本当に支援を必要としている人に届くのは2割の2.4兆円分でしかない。
あとの9.6兆円は、税関の職員、警察官、政治家たちが取っていってしまう。
すべて汚職に消えるかはわからないけれど、ほとんどは役人の収入になってしまうことはまちがいない。

この事情はかつての(今も?)インドでも同じだ。

かつてある首相は、貧困者の救済にあてられたあらゆる資金の八五パーセントほど(アメリカでいえば数十億ドルに相当する)が、彼らの手に届きすらせず、腐敗した役人たちに横領されている、と推定した。

(ビジネスマンのためのインド入門 マノイ・ッジョージ)

 

「アフリカは貧しい人が多くて、たくさんの支援を受けている。けど、貧しいままなのは何でだろう?」

アフリカを旅したときに、出あったマリ人に聞いてみたことがある。
そのマリ人はその理由をこう話していた。

「そりゃ、アフリカの政治家にとっては、貧しい人がいなくなっては困るからだよ」

貧しい人々がいなくなっては困る?
言いかえたら、貧しい人が必要ってこと?

「そうさ。アフリカの政治家は、金を手に入れるために先進国の支援が必要なんだ。『道路をつくるから』といって支援(予算)をもらう。でも、そのうちの多くは自分たちがとってしまう。お金ではなくて支援物資をもらったら、それをどこかに売って金をもうける。そうやって、金を稼いでいる政治家がたくさんいるんだよ、アフリカには」

 

 

このアフリカ人の話を聞いて、耳をうたがってしまった。

支援物資を必要としている人たちには届けずに、役人たちが売って自分の金にしてしまう。
でも、これはアジアや中南米の多くの国でもあることだ。

 

マリ人の話を続ける。

「外の国から支援がなくなったら、アフリカの政治家が困るんだよ。金儲けができなくなるから。だから彼らには、つねに貧しい人が必要なんだ。『この国は、貧しい人がこんなにたくさんいます。支援を必要としています!』ってことを世界にアピールするためには、貧乏な人がいなくなっては困るからね」

ということは、外国からの援助で金もうけをする政治家や役人にとっては、国民が豊かになっては困ることになる。
そうなると、援助を受けられなくなってしまうから。

外国から支援をもらうためには、いつもある一定数の貧困層が必要になる。

 

ボクが話を聞いたマリ人は、アフリカの政治家は国が貧しいかどうかなんてことには関心がないという。
自分が金持ちになることしか考えていない。
だから、貧しい人たちを「意図的」にいつまでも貧しいままにしているのだともと話していた。

 

 

今までのことは、ボクがマリ人から聞いた話。
彼の話はアフリカが貧困である理由のひとつでしかない。

彼が言っていたことと同じことを本で読んだことがある。
アフリカでは、国の支配層にいる人間が「貧しい人々を必要としている」ということを。

とはいえ、すべてのアフリカの政治家がこんなひどい人たちではない。
南アフリカのネルソン・マンデラのような人もいる。

 

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前回の記事で紹介した作家の曽野綾子は、長年アフリカで支援活動をしていて、アフリカを熟知している人でもある。

その曾野さんが、アフリカについてこう書いている。

ここでは、人を信用しないということが、なんら後ろめたいことではない。人間のやることは正確だなどという、非人間的な過大評価もない。人間は間違うものであり、いざとなると力しか解決の方法がないことは皆知っている。

(日本人が知らない世界の歩き方)

 

富の再分配では、集めたお金を「社会保障・福祉などを通して経済的弱者にもたらす」という点が大事なことになる。

だけど、この点でアフリカほどメチャクチャなところはないと思う。
まずは、政治家や金持ちなどに分配されて、わずかな残りをたくさんの貧しい人たちに分けられてしまうのだから。

 

「アフリカの政治家や役人が、お金を得るために貧しい人や貧困を必要としている」

これは富の再分配とは逆の状態。
国を引っぱる政治家たちが、「アフリカの国が豊かになったら困る」なんて思っていたら、貧しさから抜け出せるはずがない。

 

ボクがマリを旅してから15年以上たっている。
アフリカでの支援の問題点については、多く指摘がされていて改善されていると思う。
今のアフリカ支援では、本当に支援を必要としている人に多くが分配されているといいのだけど。

 

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    今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。