日本ではテロリストでも韓国では義士・英雄!李奉昌と尹奉吉

 

「李奉昌(イ・ポンチャン)」という韓国人がいる。

この人物は「桜田門事件」を起こしたことで知られている。
1860年に大老の井伊直弼が暗殺されたという「桜田門外の変」ではない。

「李奉昌」は、1932年の「桜田門事件」で昭和天皇を暗殺しようとしたテロリスト。

一時,日本でくらし,大正15年(1926)中国にわたり上海で抗日運動にくわわる。

韓人愛国団にはいり,大韓民国臨時政府主席金九(キム-グ)の支持のもと昭和天皇暗殺を計画し,昭和6年日本に潜入。

7年1月8日桜田門外で天皇の馬車に手榴(しゅりゅう)弾をなげ逮捕され(桜田門事件),同年10月10日処刑された。33歳。

デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

 

「李奉昌(イ・ポンチャン)」への見方は、日本と韓国で大きくちがっている。

伊藤博文を暗殺した安重根とおなじ。
日本政府(菅官房長官)は、公式の場で安重根を「テロリスト」といっている。

でも韓国では「義士」となっていて英雄視されている。
「正義をおこなった人・すばらしいことをした人」という感じだろう。

「李奉昌(イ・ポンチャン)」も安重根とおなじ。
日本では天皇を殺害しようとしたテロリストだけど、韓国では義士(英雄)とされている。

 

韓国の中学校の歴史教科書のなかで、李奉昌についてこんな説明がある。

「躍動する韓国の歴史 明石書店」から。

 

この韓国の歴史教科書では、李奉昌(イ・ポンチャン)は尹奉吉(ユン・ポンギル)と同じページで紹介されている。

尹奉吉もまた、日本ではテロリストで韓国では義士と評価がわかれる人。

朝鮮独立運動家金九の指令でテロを実行し、上海天長節爆弾事件で爆弾を投擲した実行犯である。

(ウィキペディア)

 

尹奉吉(ユン・ポンギル)のテロによって、2人の日本人が殺され多くの人がけがをした。

この行為を韓国の歴史教科書では「義挙」とし、こう評価している。

彼の義挙は国内外で独立のためにたたかっていた人々に希望と勇気を与えた

「躍動する韓国の歴史 明石書店」

 

天皇を殺害しようとした李奉昌(イ・ポンチャン)に対しても、これとおなじく韓国では「正しいおこないをした人」と考えているのだろう。

日本と韓国とでは価値観や考え方がちがうから、どうしても評価はちがってしまう。
でも、これはしかたがない。

でも韓国の中学校では、日本にとってはテロリストである人物を「英雄」とする教育をうけているということは理解したほうがいい。

そうした教育によって、今の韓国人の日本人観がつくられているのだから。

 

 

おなじ人物でも、国によってその評価はちがってくる。

日本と韓国にとっての安重根や尹奉吉(ユン・ポンギル)のような人物は、世界にはたくさんいる。

 

前にマゼランについての記事を書いた。
マゼランは大航海時代の人物で、彼の部下は人類ではじめて世界一周に成功している。

マゼランはその途中、フィリピンで「ラプ=ラプ」という人に殺されてしまった。

マゼラン

部下による世界周航を成功させたポルトガルの航海者。
(中略)
21年フィリピン諸島のセブ島に到達したが、現地での抗争でマクタン島首長のラプラプに殺され、22年世界周航を達成したのは、彼の部下18名であった。

「世界史用語集 山川出版」

 

この戦いでマゼランは命を落とした(大航海時代 増田義郎 講談社)。

 

マゼランを殺したラプ=ラプは、「侵略者を倒した」ということで今のフィリピンでは英雄になっている。

でも、マゼランを殺されたポルトガルとしては、ラプ=ラプを英雄とみることはできないだろう。

 

ラプラプ(ウィキペディア)

安重根や尹奉吉(ユン・ポンギル)も李奉昌(イ・ポンチャン)、ラプラプとおなじ。
国によって見方はちがうけど、それぞれの国ではその見方が正しい。
世界にはよくあること。

 

 

李奉昌(イ・ポンチャン)のことを書いたのは、「日本はやさしいし、平和だなあ」と思ったから。

中央日報の記事(2017年03月01日)を読んでそう感じた。

女優ソン・ヘギョ、三一節に日本で歴史遺跡案内パンフレット配布

海外の韓国歴史遺跡にハングル案内パンフレットを提供してきた女優のソン・ヘギョが、三一節(独立運動記念日)を迎えて「海外で会った私たちの歴史物語-東京編」案内パンフレット1万部を東京全域に配布した。

 

韓国の大学教授がつくったパンフレットを、韓国人の女優が東京でわけたらしい。

へえ。
でも、東京にある「韓国歴史遺跡」ってなんだ?

と思ったら、ここで李奉昌がでてきた。

2.8独立宣言記念資料室や李奉昌(イ・ボンチャン)義士の投弾義挙地および殉国地、抗日団体『新幹会』東京支会の創立地など、東京内の私たちの歴史遺跡について全面カラーで詳細に紹介している

 

「李奉昌(イ・ボンチャン)義士の投弾義挙地」って、彼が昭和天皇を殺害しようとした場所ってことでしょ?
つまり、テロがおこなわれた現場。

そんなものを「全面カラーで詳細に紹介している」パンフレットを、東京で自由に配布できるんだから、日本は本当に平和で自由だと思う。
と同時に、日本と韓国はなんだかんだいって、そんなに仲が悪いわけではないんだろう。

 

 

日本は太平洋戦争でアメリカに負けた。
その後、GHQによって占領されることになる。

このとき、ある日本人がアメリカ大統領を暗殺しようとするテロをしたとする。

そんなことがあったとしても、今のアメリカで、テロ現場を「全面カラーで詳細に紹介している」パンフレットを自由に配布できるのだろうか?
これはわからない。

 

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今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。