韓国と中国の通貨スワップ協定①悪夢が再び!?1997年の通貨危機

 

韓国には、絶対にくり返したくはない”悪夢”がある。

それは、1997年に経験した通貨危機(国家危機)だ。

同年末に韓国は、デフォルト寸前の状況にまで追い込まれた。これにより IMFが韓国の経済に介入し、現代グループなどに対して財閥解体が行われた。先に述べた、日米欧の民間銀行に対する債務返済繰り延べ(リスケジューリング)の成否が、まさにきるかどうかの鍵を握っていた。

アジア通貨危機 韓国

日本で「財閥解体」がおこなわれたのは、太平洋戦争に負けた後。
アメリカ占領軍が日本の財閥を解体している。
これはもう、国家として主権をうばわれたようなもの。

このとき韓国は、「国家破産を回避できるかどうか?」という瀬戸際まで追い込まれていた。
でも結局、韓国は破産をまぬがれることができた。

 

ただ、その陰には日本の働きがあった。

日本国政府は、邦銀に対して返済繰り延べの説得に奔走し、混乱する金融市場の中で邦銀の合意を取り付け、1998年1月29日には、日米欧民間銀行団の短期債務繰り延べ交渉を妥結に導いた。これは市場に大きな安堵感を与え、1月29日に1ドル=1,678ウォンであった為替レートは、翌1月30日には1,524ウォンまで値を戻した。

アジア通貨危機 韓国

2017年の今、当事者の韓国はこのときの国家危機をこうふり返っている。

中央日報(2017年10月10日)から。

1997年、危機は一歩ずつ近づいた。韓宝鉄鋼をはじめ三美、真露、起亜、ヘテ、ニューコアが順に倒れた。
韓国政府は「韓国は違う」と壮語した。だが外国人は韓国から急いで資金を引き揚げ、外貨は急速に減っていった。結局同年11月21日に韓国は国際通貨基金(IMF)に救済金融を申請した。

韓経:韓国通貨危機から20年…再び高まる「国家危機」の警告音

この通貨危機は、「朝鮮戦争以来の国難」とか「3度目の亡国」とまで言われた。
韓国としては、この通貨危機の再来だけは回避したい。

 

さいわい、今の韓国は20年前とは違う。
すぐに危機をむかえる、ということはない。

でも、何が起こるかは分からない。
20年前、政府は「韓国は違う!」と言っていたけど、結局はIMFの管理下に入ってしまい、国民はトラウマになるような屈辱を受けた。

それに韓国政府の「ケンチャナヨ(大丈夫)」はあまり当てにならない。
実際、上の記事のタイトルにあるように、韓国には今、国家危機という悪夢が再び高まっているという。

その具体的な内容は記事をごらんください。

 

ノーモア・通貨危機。
もう通貨危機だけはごめんだ。

1997年の悪夢をくり返さないためには、韓国が他国と通貨スワップ協定を結んでおくことがとても有効。
例えば韓国が日本と通貨スワップ協定を結んでおけば、韓国にお金がなくなったとき、国際的に信用力が高い円を日本からまわしてもらうことができる。

どうせ通貨スワップを結ぶなら、経済力があって国際的に信用できる通貨がある国と結ぶことがいい。
でも韓国は今、アメリカや日本と通貨スワップ協定を結んでいない。

日本の場合は、2015年の慰安婦問題で合意した後、日韓の間に友好的な雰囲気が生まれ、「通貨スワップを結びましょうか?」と日韓で協議をしていた。
でも、慰安婦像が建てられたことで、その雰囲気は消えてしまう。
韓国のオウンゴールによって、日本との通貨スワップ協定の話は流れた。

 

でも韓国には中国がいる。
韓国は、中国とは通貨スワップ協定を結んでいる。
でも、それが10月10日に切れてしまう。

それでこの1か月間、「中国との通貨スワップを延長できるか?」ということに、韓国と日本のやじ馬の関心が集まっていた。

この1か月の韓国の動きがドラマみたいでおもしろい。
今回と次回で、この流れを書いていこうと思う。

次回に書くけど、きっとこれは日韓関係にも影響をあたえる。

 

 

・不安

1か月前、韓国は不安を感じていた。

韓国は何とかして、中国との通貨スワップを延長したい。
でも、韓国がサード(迎撃ミサイル)を配備したことで、中国は激怒している。

「そんな中国が韓国との通貨スワップを延長してくれるのだろうか?」という不安を韓国は持っていた。

中央日報(2017年09月07日)にそのことが書いてある。

韓中通貨スワップが10月10日で満期終了を迎える中で、その延長について関心が集まっている。
(中略)韓国のTHAAD追加配備も行われ、中国のTHAAD報復措置は当面続く見通しだ。このような延長線上で、韓中通貨スワップ延長の不発が危ぶまれている。

韓中通貨スワップ満期まであと1カ月…延長は不透明

韓国の財政部長官の話では、韓国と中国が通貨スワップ協定を結べば、両国に利益がある。
中国にとっては「人民元の国際化」に役立つらしい。
それで、韓国政府は中国と話し合いを続けていた。

でも、このときの見通しは「不透明」。
中国と合意できるかは、まったく見えない。

 

ちなみに、この記事では日本にもサラリとふれている。

釜山(プサン)日本領事館前に少女像が設置されたことを受けて、日本が一方的に協議を中断したことがある。

いやいや、像を一方的に建てたのはアンタらでしょ。
日本はあれだけ反対していたのに。
韓国側が像を建てなかったら、日本との協議は続いていたはず。

 

続きは次回に。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。