慰安婦問題:「東京に少女像を!」 と言う韓国が一番嫌がることは?

 

今回は、今の韓国の空気を紹介したいと思う。

それと、慰安婦問題で見失ってはいけない「日本の立ち位置」についても。

韓国がもっとも嫌がることは日本から「約束を守れ」と言われること。
安倍首相が「今度は韓国が誠意を示してもらわないといけない」と言ったとき、韓国は反論ができなかった。
このことは、記事の後半に書きます。

 

今韓国は慰安婦像(少女像)を国内だけではなくて、オーストラリアやアメリカにも建てている。
この建築ラッシュは止まらない。
それで最近では、「最後には東京の真ん中に少女像を建てよう」という言葉まで飛び出た。

ただ、そのことを伝えたのは韓国の全国紙ではない。
韓国のネットメディア「プレシアン(PRESSIAN)」が記事で伝えたことだから、限定的なニュースではある。

 

でも、今の韓国社会には、こんな空気があることはたしか。
慰安婦問題では、こうしたことを叫ぶ人たちが大きな影響をあたえていることも間違いない。

その意味で、慰安婦問題について今の韓国人の考え方を知る手がかりになる。

 

それと最近は、慰安婦問題についていろいろな動きがあった。

慰安婦像がソウルの路線バスに乗せられたことには、多くの日本人が驚いたしあきれた。
そうかと思ったら、「チュソクだから少女たちも故郷に帰ろう」という設定で、今度は像がバスから降ろされた。
そして、希望者が車の助手席に乗せて行ってしまった。

慰安婦問題について、よく分からない動きが続いている。
だからここらへんで一度、慰安婦問題の現状を確認しておいていいと思う。

 

 

これから書くことは、プレシアンが伝えた下の記事(韓国語:2017.10.16)を機械翻訳して修正したものをベースにしている。

아이캔스피크 이용수 할머니 “소녀상을 도쿄에도” [언론 네트워크] “소녀상, 도쿄에도 세우자…한일위안부 합의, 빨리 철회해야”

だから細かいところでは間違いがあるかもしれない。
でも、内容としては正しいと思う。

この記事で、元慰安婦だった人が「少女像を東京にも建てよう」「韓日の慰安婦合意を早く撤回しよう」と訴えていた。

今韓国で、「アイ・キャン・スピーク」という慰安婦をテーマとした映画が大ヒットしている。

この映画は朝鮮日報や中央日報といった韓国の全国紙で、何度も取り上げられている。
例えば、中央日報にはこんな記事(2017年09月25日)がある。

慰安婦被害女性を題材にした映画『アイ・キャン・スピーク』がこの先週末、韓国映画街で最も熱い反応を得た。
25日、映画振興委員会映画館入場券統合電算網によると、『アイ・キャン・スピーク』は23~24日の2日間、合計1140個のスクリーンで上映されて48万6313人の観客を動員し、興行1位を占めた。

慰安婦を扱った映画『アイ・キャン・スピーク』、週末の韓国興行1位

これは9月のこと。
10月の今では、観客は300万人を突破した。

韓国の人口は約5000万人で、日本の半分もない。
その国でこの数字はすごい。

 

この映画には、イ・ヨンスという元慰安婦の証言が使われている。
イさんがテグ市の劇場でこの映画を見た後に、大勢の市民に語りかけた。

隣に少女像を置きながら。

画像はプレシアンの記事から。

 

イさんは慰安婦問題をこう考えている。

大韓民国の問題だ。この問題を解決してこそ、韓国と世界の平和を果たすことができる」と主張した。

「慰安婦問題を解決すれば、世界平和が訪れる」というのは、いくらなんでも極端で行き過ぎ。
そもそもこれは、日韓の問題だ。

でもこれを聞いて、「頑張ってください」「一緒にします」と市民が応えた。

そして「東京にも少女像を」という言葉が出てくる。

「日本は何を怖がっているのか、『少女上を撤去しなさい』と言う」と 「そう言うほど、外国にもっと像が建てられることになる。最後には、東京の真ん中に建てて、行き来する人々が『 (わたしが)間違っていました」と言うようにしよう」と強調した。

客席の市民はこれに応援の拍手を送る。

 

 

「少女像を東京の真ん中に建てる」というのは、言葉だけというかその場の勢いだろう。

具体的に設置の予定はない。
さすがに、これにはついて行けない韓国人も多いと思う。
ただ、「今のところは」という話だけど。

「東京に少女像像を建てる!」という話はあまりに現実的離れしている。
だから日本のネットでは、怒るよりもあきれる人が多い。

・即、撤去されて設置者が検挙されるだけ
・東京の真ん中ってどこだ? 皇居?新宿?渋谷?東京駅?日本橋?
・横田基地の中に作れば
・新大久保の名所にするんだ?
・ぜひやってほしい

 

中にはこんなふうに困った人もいる。

・もう、不可逆的、永久不変の解決したんじゃねーのか?
もう、どうすりゃええねん・・・。

でも実は、本当に困っているのは韓国政府だったりする。

 

 

今年1月、安倍首相のこんな言葉が韓国を怒らせた。
中央日報の記事から。

安倍首相は8日に放送されたNHKの番組「日曜討論」で、韓日間の慰安婦問題合意について「たとえ政権が代わろうとも、それを実行するのが国の信用の問題だ」と述べ、在韓日本大使館と釜山日本総領事館の前に設置された少女像の撤去を要求した。「日本は10億円の拠出を既に行った。次は韓国がしっかり誠意を示していただかなければならない」とも話した。

安倍首相「10億円出した」…公式反論もできない韓国外交部

韓国が怒ったとしても、首相が言っていることは正しい。

日本と韓国は2015年に、慰安婦問題について、最終的・不可逆的に解決することで合意した。
この合意にもとづいて日本は10億円を韓国側にわたした。
首相が心からのお詫びも表明している。

日本は約束を守った。
当然、今度は韓国の番。

 

でも、韓国はソウルの日本大使館前に置かれた慰安婦像を撤去しない。
それどころか、釜山の日本総領事館前に新しい慰安婦像が建てられてしまった。

約束を守らないだけではなくて、韓国は日韓合意の精神に反することまでしている。

首相が「次は韓国がしっかり誠意を示していただかなければならない」と言うのは当たり前。

「東京に少女像を建てよう!」というのは空想的な話だけど、こちらは切実で現実的な問題だ。

 

 

安倍首相の言葉に韓国が怒ったのは、イタイところをつかれたから。

首相にこう言われても、韓国の外交部(日本でいう外務省)は公式に反論することができなかった。

韓国側は、「いちいち反応するのは適切でない」と関係者が述べただけ。
韓国政府も少女像に問題があることは分かっていたから。

しかし悩みは大きい。外交部は釜山の少女像が設置された後、「外交公館の保護に関連する国際礼譲および慣行という側面でも考えてみる必要がある」と述べ、事実上適切でないという立場を明らかにした。にもかかわらず実質的な措置を取るのは容易でない状況だ。

韓国は、本当は少女像を撤去しないといけない。
でも、国民がそれを絶対に許さない。

日本との約束や国際法(ウィーン条約)と国民感情の間にはさまれて、韓国政府の悩みは大きい。
だから、安倍首相の言葉にしっかり反論することもできない。

 

韓国の状態は、10月の今でもまったく変わっていない。
撤去されないといけないはずの慰安婦像は、1ミリも動いていない。
だから、日本がやることも変わっていない。

「もう、どうすりゃええねん・・・」と頭を抱えることはない。
日本は韓国に対して、「しっかり誠意を示していただかなければならない」と毅然とした態度で言い続ければいい。

それは韓国が約束したことなのだから。

 

「少女像がバスに乗った」とか「東京に少女像を建てる」といった表面的な動きに目を奪われて、慰安婦問題で大事な視点を見失ってはいけない。

日本は約束を守ったけれど、韓国はまだ行動していない。
この立ち位置は今も同じ。

日本は韓国が約束を守るのを待っている状態だ。

 

 

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今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。