Kpopアイドルと韓国の歴史認識。”豊臣秀吉が好き”で猛批判。

 

韓国に「スーパージュニア」というアイドルグループがある。

Kpopのことをよく知らないボクでも名前ぐらいは聞いたことがある。
ということは、韓国や日本でかなり人気のあるアイドルなんだろう。

そのスーパージュニアのメンバー、シウォンが韓国の人たちを怒らせ、今かなりのピンチをむかえているらしい。

原因は、シウォンが言った言葉にある。
彼は豊臣秀吉を「好きだ」と言ってしまった。

これで韓国の国民を敵にまわした。

 

 

日本で豊臣秀吉といえば、戦国時代(1590年)に天下を統一した偉人。

でも、韓国では正反対。
韓国で豊臣秀吉はとても嫌われている。

秀吉は天下統一後、朝鮮半島に攻め込んだから。
日本ではそれを「朝鮮出兵」と呼んでいるけれど、韓国では「壬辰倭乱(イムジンウェラン)」と言われている。

当たり前といえば当たり前のことだけど、この朝鮮出兵(壬辰倭乱)を韓国人はみ嫌う。
蛇蝎だかつのように嫌っている。

韓国とって豊臣秀吉は、「もっとも嫌われている日本人」と言って問題はない。

この“被害者メンタリティ”に凝り固まった韓国人が「最も嫌いな日本人の一人」とするのが、16世紀に朝鮮出兵した豊臣秀吉だ。最近も韓国では、秀吉軍を海戦で打ち破った民族の英雄・李舜臣を描く映画『鳴梁』が大ヒットした

韓国人が最も嫌いな日本人の一人 16世紀に朝鮮出兵した豊臣秀吉

豊臣秀吉が嫌いだから、豊臣家を倒した徳川家康は韓国で人気がある。

 

韓国人にとって豊臣秀吉は、許すことのできない「民族の敵」。
そんな秀吉をスーパージュニアのシウォンは「好きだ」と言ってしまった。
韓国ではこれだけで問題になる。

韓国で「正しい」と考えられている歴史観と違うことを、影響力のある芸能人が言うのはNG。
週刊誌やスポーツ新聞ではなくて、中央日報という全国紙がこれを記事にしている。
これは”事件”だ。

シウォンが例えに挙げたこれらの人物は戦国時代の武将だ。特に織田信長の部下だった豊臣秀吉は、朝鮮を侵略した「壬辰倭乱」を起こした人物だ。 朝鮮侵略の元凶である豊臣秀吉を好きな人に挙げたシウォンの回答は、十分問題視される発言に値する。

SJシウォン側「『豊臣秀吉が好き』発言、他意はなかった」

でも記事を読むと、シウォンの「秀吉が好きだ」という発言は最近のものではない。
ずっと前のこと。

以前、インタビューで「日本といえば思い出すものはあるか」と質問されたときに、「徳川家康、豊臣秀吉、織田信長が好きだ」とシウォンが答えていた。
それが今になって”発掘”されて韓国のネットで拡散され、今回の騒ぎへとつながる。

ちなみに、このシウォンと価値観が合うのが織田信長らしい。
「織田が好きだったというカキフライをわざわざ食べに行くこともある」と言っているぐらいだ。

 

 

韓国の社会にはこんな空気がある。

韓国で「正しい」とされている歴史観を、芸能人もしっかり持っていなければいけない。
そうでなかったら、芸能人の前に大韓民国の国民失格になってしまう。

むしろ、若者に影響を与える芸能人こそ、正しい歴史認識を持ち合わせていないといけない。
Kpopアイドルに必要な条件でもある。

韓国はよく、「正しい歴史認識」を日本に求めてくるけど、国内の韓国人に対してはもっと厳しく要求する。
だから、韓国の芸能人が歴史認識の間違いをしてしまうと、本当に厳しく責められる。

スーパージュニアのシウォンだけではなくて、去年もそんなことがあった。

 

 

2016年にも、「AOA」という韓国のアイドルグループのジミンが歴史認識で大失敗している。
このときに、豊臣秀吉で。

自民、いや、AOAのジミンは、テレビ番組の歴史クイズでまちがってしまった。

「この人物はだれでしょう?」と、ジミンが見せられたのは「安重根(アンジュングン:あんじゅうこん)」の顔写真。
安重根は韓国の英雄(義士)。
国民から広く深く尊敬されている人物だ。

安重根(アンジュングン、あんじゅうこん)
1879~1910

朝鮮の独立運動家。1907年沿海州で愛国啓蒙運動と義兵闘争に参加。朝鮮の植民地化を決定づけたとして、1909年10月に伊藤博文をハルビンで暗殺した。

「世界史用語集 (山川出版)」

伊藤博文を暗殺したことで韓国では「義士」と英雄になっているけど、日本では反対。
首相を殺した「テロリスト」とされている。

 

 

安重根の写真を見たジミンは、その人物を「豊臣秀吉」と言ってしまった。

日本人のボクから見ても、このミスはひどすぎる。
安重根を、よりによって”国賊”豊臣秀吉とまちがえるとは!

当然、国民はジミンを許さない。
非難の声が全国から殺到する。

事態の収拾をはかるために、ジミンはテレビで公開謝罪することになった。

そのときの謝罪文が中央日報(2016/05/13)にのっている。
少し長くなるけど、すべて引用する。
韓国のアイドルが歴史認識でまちがいを犯すと、どうなるのかよく分かると思う。

こんにちは、AOAのジミンです。

私は5月3日にオン・スタイルで放送されたチャンネルAOAの番組で歴史クイズコーナーを行い、その過程で安重根義士の姿が判別できず、さらには軽い態度で放送に臨んで多くの方々に不適切な姿を見せました。

メディアに姿を見せる芸能人としてかえってふざけているような姿勢で多くの方々の眉をひそめさせたことを心より謝罪申し上げます。申し訳ありません。

いかなる弁解も私の過ちを覆うことはできないでしょう。
今回のことをきっかけに私は無知こそ最も大きな過ちであることを学びました。
心より謝罪申し上げ、深く反省致します。

私は今後、芸能人としてではなく大韓民国の国民として恥ずかしくない歴史観を持つために最善の努力を尽くします。もう一度私の過ちを心より謝罪申し上げます。申し訳ありません。

-AOAジミン拝

AOAジミン、安重根発言物議で謝罪「無知こそ最も大きな過ち」

「いかなる弁解も私の過ちを覆うことはできないでしょう」
「私は無知こそ最も大きな過ちであることを学びました」
「心より謝罪申し上げ、深く反省致します」
「大韓民国の国民として恥ずかしくない歴史観を持つために最善の努力を尽くします」

歴史クイズをまちがっただけで、ここまで反省の言葉を述べないといけなくなる。
日本では、大麻を使って捕まったアイドルがこうした言葉を言いそう。

人気商売のアイドルで、歴史認識のミスは韓国では致命的。

 

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安重根(ウィキペディア)

この顔写真を見て、なんで16世紀の豊臣秀吉が出てくるのか?
「世界のナベアツ」ならまだ分かる。

 

日本では、歴史クイズにまちがっただけで、アイドルがここまで批判を受けることはない。
「おバカアイドル」のジャンルに入れられるだけで、大きく問題視されることはないだろう。

「芸能人である前に、日本国民として恥ずかしくない歴史観を持つために最善の努力を尽くします」なんて言う日本のアイドルなんて聞いたことがない。

韓国人はケンチャナヨ精神で細かいことは気にしないけど、歴史認識の問題は別。
これは本当に厳しい。

 

こちらの記事もいかがですか?

韓国の軍隊生活④最大の楽しみ・人気Kpopアイドルの慰安公演

中国に弱い韓国②一番嫌いな日本人・豊臣秀吉と朝鮮出兵

ケンチャナヨ精神③韓流時代劇のデタラメ・戦国時代にハイヒール

 

4 件のコメント

  • はじめまして。興味深く拝見させていただいたのですが、このような人物は他の民族とかではどんな感じなんでしょうか?

    オーストリア皇太子を射殺したセルビア人はセルビアの英雄扱いになってたりするんですか?
    あとナポレオンはドイツ、イタリア、スペインあたりでは単なる侵略者なのか、それともナポレオン法典制定者の功績もある功罪ある人物との評価なのですか?

    海外のご友人とかからお聞きになられたことはありましたか。

  • こちらこそはじめまして。
    同じ人物でも、国によって見方は違いますから、ふつうは押し付けないでしょうね。
    セルビアのことは分かりませんが、欧州共通の歴史教科書では、ナポレオンを悪者とは書いていませんでしたね。
    ヨーロッパはいろいろな国が戦争してましたし、特定の期間や人物を抜き出してそれに評価を加えることはしないと思います。
    ヒトラーは別ですが。

    フィリピン人の友人はラプラプをフィリピンの英雄だと言っていました。
    世界一周中のマゼランを殺したのですから、スペイン人からしたらまったく別の見方をすると思います。

    同じ国で違う見方があると複雑ですね。
    アメリカでは、コロンブスに対して偉人か?侵略者か?という論争があります。
    よかったらこれをごらんください。
    http://yukashikisekai.com/?p=40787

  • 早速丁寧な回答ありがとうございます。
    過去の歴史を現代の価値基準で評価するから、リー将軍の像の問題とかが出てきているのですね。

    また、コメントさせて頂くかもしれませんがよろしくお願いします。

  • いえいえ。
    こちらこそコメントありがとうございました。

    「過去の歴史を現代の価値基準で評価」することでも、名誉回復のためにすることもあります。
    そういう場合ならいいかと思います。
    道徳的な善悪で過去を裁くのはダメでしょうね。

    いろいろな考え方があるからむずかしいですけど。

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    今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。