タブーと日本人③アメリカ人から見た「欅坂46とナチス」衣装問題

 

前回、欅坂46がハロウィンコンサートで、ナチス・ドイツの軍服に見える衣装を着ていたことが国際問題になっていることについて書いた。

米国のユダヤ系人権団体Simon Wiesenthal Centerが31日、所属レコード会社のソニーミュージックグループと秋元康氏に対して謝罪を求める抗議文を公開していた。

秋元氏「ありえない」欅坂46のハロウィン衣装が世界的大炎上になっていた

これについて、アメリカ人の友人に意見を聞いてみた。
彼女は20代で、ニューヨークに住んでいる。

ちなみに、ニューヨークではユダヤ人が多く住んでいて、彼らが社会に大きな影響力を持っている。
そんなことから、ニューヨークは「ジュー(ユダヤ人)ヨーク」と呼ばれることがある。
弁護士にはユダヤ系の人が多いし、スティーブン・スピルバーグやバーバラ・ストレイザンドなどの有名人にもユダヤ人がたくさんいる。

 

その彼女に欅坂46の衣装についてメールで聞いた返事がこれ。

oh nooooooooooooo
that coudlnt happen in the US
Even if its in Japan, that seems a little too much.

意訳

ええええええええええ!

アメリカだったら、ありえない。
いくら日本だとしても、これは少しやり過ぎでしょ。

 

ここから、彼女の意見が長々と書いてある。

要約すると、こんな感じ。

 

衣装といっても、アーティストが着るものであれば、それは単なる服ではない。
そこにはメッセージがある。

それを見た人は、単に「かわいい」「かっこいい」という印象を受けるだけではなくて、「この衣装を通じて、何を訴えているのか?」と衣装に込められた意味やメッセージについて考えると思う。

 

彼女はその例として、イエス・キリストの絵をもち出した。

イエス・キリストが、十字架にはり付けられて死んでいる絵を見たらどう思う?

 

mantegna_andrea_-_crucifixion_-_louvre_from_predella_san_zeno_altarpiece_verona

画像はウィキペディアから

 

Like, if you paint a picture of a man dying (Jesus on the cross), people are going to wonder about it. “What did the man do?” “Why did he have to die?” “What kind of world did he live in?” They are not going to simply think “Oh..it’s a man dying. That’s all. Just a picture.”

たとえば、あなたが死んでいる人間の絵を描いたとする(十字架にはり付けられたキリスト)。
人びとはその絵を見たら、きっといろいろなことを考えるだろう。

「この男は何をしたのか?」
「彼はなんで死ななければいけなかったのか?」
「彼はどんな世界に住んでいたのか?」

 

人びとはその絵を見て、ただ「ああ、死んでいる人か。それだけ。ただの絵だ」とは思わないだろう。

こんな説明をしたあとに、彼女の考えを書いている。

これは彼女の英語ではなくて、ボクが理解した日本語で書く。

 

欅坂46の衣装もそれと同じ。

彼女たちの衣装を見て、単に「かわいい」「かっこいい」と思う人だけではないだろう。この衣装を見て、「彼女たちは、どんなメッセージを人びとに伝えようとしているのだろう?」と考える人もいる。

 

こういったことを、衣装をつくった側が考えるべきだった。
その衣装を人びとに見せる前に、その衣装を見せることで、どんな効果が生まれるのかについてもっと配慮すべきだった。

 

 

ここからは、ボクの感想。

この欅坂46の衣装をデザインした人には、「隠れたメッセージ」というのはなかったと思う。
ただ単純に、この衣装を見たファンが「かっこいい」「かわいい」と思うことだけをねらっていたのだろう。

 

この衣装を見た日本人も、同じように「かっこいい」「にあっている」といった感想をもつだけで、「この衣装は、何をあらわしているのか?」「どんなメッセージがあるのか?」なんて深読みはしないだろう。

これも、ナチスやホロコーストに対する日本人の認識・知識不足なのかもしれないけど。

 

でも、ナチスに虐殺されたユダヤ人がこの衣装を見たら、一般の日本人と同じ感想をもつことはないだろう。
「この衣装を着せるということは、何らかの意図やメッセージがあるのでは?」
ということを想像する人がいるかもしれない。

 

こういう発想は、日本人には少ないと思う。

欧米の人のように、はり付けにされたイエス・キリストの像を日常的に見ている人なら、こうしたとらえ方をしやすいのかもしれない。
「像をとおして何かを伝えている」という考え方が身近な人だったら、衣装を見て「かっこいい」以上の何かを感じ取るのだろう。

 

欅坂46の衣装を見て、「なんでこんな衣装を着るのか?どんな考えにもとづいて、この衣装にしたのか?」と不思議に思う人からしたら、「彼女たちは一見するとナチスとは関係ないようだけど、じつはナチスの考え方に賛成しているのかもしれない」と思ってしまう人がいても不思議ではないと思う。

 

社会的に大きな影響を力をもつ人たちが着るものは、ただ単に「かっこいい・かわいいい」だけの見た目の印象だけではすまないことがある。

今回の欅坂46の衣装は、その点での配慮が少し足りなかったのではないか?

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。