【駆逐してやる】19世紀の米国、サンドクリークの虐殺

控えめに言って、胸くそが悪い。

1864年の11月29日、アメリカでそう言いたくなるような「サンドクリークの虐殺」がおきた。
当時のアメリカでは、先住民（インディアン）と白人との間で、インディアン戦争が行なわれていたが、銃などの文明の利器を持っていた白人に先住民が勝てるわけない。
だから、実質的には”ワンサイドゲーム”で、先住民が無慈悲に虐殺されることが多かった。

そんなインディアン戦争の最中に発生したのが、サンドクリークの虐殺。
コロラド州では白人と先住民が激しく対立していて、地元の新聞はインディアンを「残忍で恩知らずな人種」と呼び、「この地上から消し去るべき」と主張して人々の憎悪をあおった。
そして、白人たちは先住民を駆逐することを決め、“インディアン絶滅キャンペーン”をはじめる。
モチベーションを上げるため、先住民の「耳まで付いている頭の皮」を持ってきた人には、高額な賞金を与えることにした。

こうして1864年にアメリカ軍は、若い男たちが狩りに出かけ、多くの女性と子どもが残された先住民のキャンプを襲撃する。
先住民は星条旗と白旗を掲げ、和平と無抵抗の意思を示したが、白人兵士たちには通じない。
このときの惨劇について、ある人はこう証言した。

２〜３か月の幼児や授乳中の赤ん坊、そして戦士まで、あらゆる年齢の者がナイフで頭皮をはがされたり、脳を撃ち抜かれたりして、そこに横たわっていました…
彼らは誰によって切り刻まれたのでしょう？
アメリカ軍です…

With knives; scalped; their brains knocked out; children two or three months old; all ages lying there, from sucking infants up to warriors … By whom were they mutilated? By the United States troops …

Sand Creek massacre

虐殺がおこるまえの先住民

この虐殺では、残虐性が際立っている。
兵士たちは報奨金ゲットを目的にしていたから、必要な部位を手に入れるために、容赦なく死体をナイフで切り刻んだ。
当時の白人は先住民を動物の一種と考え、まるで狩りの対象と見ていたらしい。
兵士たちは、先住民の頭皮や胎児、男女の性器を武器や装備に飾り付けたという記録もある。
これで、彼らは先住民を「残忍な人種」と呼んで絶滅キャンペーンをするのだから、文明を手に入れた野蛮人はどうしようもなく恐ろしい。