【レーダー照射】韓国が怒る安倍首相の“嫌韓政治”の実態

 

安倍首相がとつぜん辞任を発表して、日本の内外がどよめいた。

アメリカの経済メディア「ブルームバーグ」のインド人コラムニストは、いま安倍氏が首相の座から降りると、アジアの民主主義国家にとって大きな痛手になりかねないと書く。

クーリエ・ジャポンの記事(2020/09/03)

安倍の不在を最も痛感させられるだろう場所は、安倍が劇的に変えたアジア地域なのだ。
アジアの民主主義諸国は、安倍の整えた道を日本が今後もたどることを期待せざるをえなくなるだろう。

「安倍首相の退陣を惜しむのは、日本よりも他のアジア諸国だ」インド人コラムニストが力説

 

安倍首相は日本企業のアジア進出を積極的に後押ししていたから、アジア諸国の笑顔は止まらなかった。
さらに最近ではアジアにおける中国の台頭に危機感をおぼえる国も多いから、日本にその「野心を抑止し制御する」役割も期待しているとか。

そんなワケで次の日本の首相も、「安倍の整えた道」をしっかりたどっていくことをアジアの民主主義諸国は願っているという。

これと反対の見方をするのが韓国で、国内最大の全国紙・朝鮮日報は社説で安倍首相を徹底的に批判する。(2020/08/29)

安倍首相は日本国内の嫌韓の雰囲気を政治利用し、それが再び嫌韓を引き起こす悪循環が繰り返された。

安倍退陣で「嫌韓政治」「反日政治」が全て終わることを願う

 

安倍政権と韓国との付き合いをまとめたこの社説を読むと、韓国側の価値観や考え方、日韓関係がうまくいかない理由がよく分かる。

安倍首相による嫌韓政治の一例として朝鮮日報が取り上げたのが、2018年の韓国海軍レーダー照射問題
社説は憎しみを込めてこう書く。

2018年末に韓国の駆逐艦と日本の哨戒機が対峙する問題が起こった際、安倍首相は日本の哨戒機が撮影した映像をテレビで公開した。この時は実務担当者の反対を押し切ったという。韓米日安保協力を考慮し過去には水面下で解決してきた問題をあえて大きくしたのだ。

 

韓国の駆逐艦と自衛隊の哨戒機(下の写真)が「対峙する」とは具体的にどんなことなのか。
対峙とは、対立する者どうしがにらみ合っている状態を表す言葉だけど、実際はまったく違った。

 

 

この問題は、韓国の駆逐艦が自衛隊機に射撃用レーダー(火器管制レーダー)を照射したから発生したのだから、それを「対峙する問題が起こった」と表現するのは公正に欠く。
これは狙いを定めて銃口を相手に向けるようなもので、友好国に対して絶対にあり得ない危険行為を韓国側がしたのに、韓日が「対等」の立場で対立しているような書き方をしている。
韓国紙は韓国に都合の悪い部分はぼかして書くけど、これはズルい。

こういう態度は元徴用工訴訟問題でも同じで、自分たちが起こした問題でも、韓国紙はあいまいな表現をして核心には触れず、「どちらも同じぐらい責任がある」といった不公平な主張をすることが多い。

 

そして社説は映像公開について、安倍首相が「実務担当者の反対を押し切ったという」と書いた。
これもそういう説があるだけで、ハッキリした根拠はないのに、安倍首相がそうしたと勝手に判断したうえで「問題をあえて大きくしたのだ」と腹を立てる。
レーダー照射問題に限らず、想像を根拠に日本を非難したり、いつの間にか韓国が被害者のようになっていることも韓国メディアの報道では珍しくない。

 

でも日本政府が証拠映像を公開したことに、韓国側が激怒した理由もわかる。
公開前、韓国側は当時の状況をこう説明していた。

・韓国の駆逐艦は北朝鮮の船を探索していた。
・当日は天候が悪く波が高かった。

でも映像を見たら、北朝鮮の船はもう見つかっていたし、青空の下には穏やかな海が広がっていた。
韓国の言っていることは事実に反する。

 

 

当時の産経新聞の「岡田敏彦の軍事ワールド」(2019.1.20)にはこうある。

結局は両主張とも明らかに嘘だったことが映像で明らかになった。特に韓国国防部が公式に発表した「嘘」は、まず日本に謝罪し、理由や背景を日本側に真摯(しんし)に説明しなければならないものだ。

変容する韓国軍 レーダー照射から見える「日韓関係絶望」

 

このとき日本政府は、韓国側が「嘘」をついていることを知っていた。
まさか日本が映像を公開することはないだろうと韓国側は思っていたから、事実と違う説明をしていたのだろうけど、安倍首相が「反対を押し切って」公開したことですべてが明らかになった。
日本国内では映像によって真実を知ることができたから、政府の判断を歓迎する声がほとんどだったけど、結果として嫌韓ムードが高まったことは間違いない。
けどそれは、何度も虚偽の説明をしていた韓国が悪いのでは?

朝鮮日報が非難する安倍首相の嫌韓政治の一例がこれだ。

 

もしこのとき日本が映像を公開しないで、「嘘」と分かっていても韓国の主張を認めていれば「親韓政治」となるから、インド人コラムニストのようにいまごろは「安倍首相の退陣を惜しむ」と書いていただろう。
韓国に譲歩しないで真実を明らかにすることが嫌韓政治になるのなら、次の首相も堂々と同じことをしてほしい。
それで日韓関係が悪化してもそれは仕方ない。

 

 

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2 件のコメント

  • 国境を守る自衛隊と海上保安庁には今後とも頑張っていただきたいです。

  • 本日(2020.9.8)、民主党の前原元外務大臣が衝撃的な暴露をしましたね。尖閣諸島で海上保安庁警備艇に「体当たり攻撃」をしかけた中国船の船長を釈放したのは、当時の菅直人首相の指示であったと。あの処置に呆れて海保もたまらず拿捕の現場状況ビデオをYouTubeに投稿してバラしてしまった訳ですが。
    あの話に率直に返答できない限り、まだまだ野党には政権を任せる訳にはいきませんね。たいへん残念ですが。
    それと、最近の週刊誌連載「逆説の日本史」で井沢元彦が「日本を太平洋戦争へ誘導したのは新聞メディアによる世論誘導の責任が大きい」と主張されていましたが、私もまったく同感です。
    別に開戦論に与するという理由ではなく、日本の国益を考える上で誤った「一部メディアによる自虐史観的平和論」に注意すべきだと思いますね。もっとも、若い人達はとっくの昔にその程度のこと気づいているようですけど。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。