朝鮮日報にこんな記事(2020/07/23)がある。
韓国統一相候補「李承晩はわが国の国父ではない、金九がなるべきだった」
イ・インヨン韓国統一部長官候補者(日本でいうなら大臣候補者)が、李承晩(イ・スンマン)元大統領が国父という主張には同意できず、「われわれの国父は金九(キム・グ)であるべきだったという歴史認識を抱いている」と公の場で述べた。
李承晩は独立運動家で韓国の初代大統領となった人。
イ氏は李承晩政権について独裁的性格を持っているという批判が多いことから、建国の父とは認められないらしい。
保守的な朝鮮日報としてはこの見方が気に入らないようだけど、それは韓国の国内事情だからあちらにまかせるとしよう。
ここでは金九(キム・グ)という独立活動家に焦点を当てたい。
いまのムン・ジェイン大統領は、自分が最も尊敬する人物として金九を挙げて、閣議を金九の記念館で開いたこともあった。
先ほどの統一部長官候補者もふくめて、韓国の与党政治家で金九の「ファン」が多い。
金九
金九は日本統治時代、上海の大韓民国臨時政府の主席をつとめていた。
戦後アメリカはこの臨時政府を正式な政府と認めなかったから、金九は韓国初の大統領になることはできなかった。
「独立運動家にして大韓民国の初代大統領」という名誉は、李承晩ではなくて金九が手にしていてもおかしくない。
金の独立運動家としての原点は、鴟河浦事件(チハポじけん)にある。
日韓併合前の1896年、朝鮮半島の鴟河浦で金九らが土田譲亮という日本人を集団で暴行して殺害し、金品を奪って逃走する。
その後、金九は強盗殺人犯として死刑判決を受けたものの脱獄に成功し、独立運動家として有名な人物となった。
でもそれはあくまで韓国での見方。
伊藤博文を暗殺した安重根は日本ではテロリストだけど、韓国では国民的英雄となっているように、日韓では価値観が違うから、同じ人物でも評価が正反対になることはよくある。
文大統領が心から尊敬する金九も、日本人暗殺やテロ行為の指導的な役割を果たしていたのだから、日本から見ればテロリストだ。
満州の朴喜光と通じ親日派暗殺、主要公館破壊などを指揮し、韓人愛国団を組織して李奉昌の桜田門事件、尹奉吉の上海天長節爆弾事件を指示した。
中央が金九、左は李承晩(1945年)
いまの韓国人の考え方からすると、統治時代の日本の政治家や軍人は「悪」だから、それを成敗することはそのまま正義になり、その行為は「義挙」、人物は「義士」として敬意を集める存在だ。
日本ではそれぞれ「テロ行為」と「テロリスト」だけど、この認識の違いはどうしようもない。
そんな独立運動家の「頂点」に立ち、韓国の要人が「国父」とたたえる金九は、1945年に日本がアメリカに降伏したと知ったとき残念そうにこう言ったという。
韓国軍は、日本軍をうち破ることは一度もできなかった。わたしは、日本軍を撃滅してわが同胞を解放したかった。最後まで、日本軍に制圧されたままの解放なんて、結局、何にもなるまい。(中略)自力で日帝から解放することもできなかったわが同胞に、とてもそんな力があるとは思えない。
この金九の嘆き。ここに韓国人の対日感情の原点がある。
「韓国の悲劇 小室直樹(カッパ・ビジネス)」
日本と戦い、みごと勝利して自分たちの手で独立を達成したかった。
でも実際には、日本と戦うことさえできずに終わってしまった。
そんな金九の無念が「恨」となり、韓国人の対日感情の原点になっている。
これは本当にその通りだと思う。
スポーツの韓日戦はもちろん、「じゃんけんでも日本には負けてはいけない」と言われるほどの強いライバル心も、この対日感情に基づくものだろう。
韓国が旭日旗を「戦犯旗」、日本企業を「戦犯企業」と戦犯のレッテルを貼って呼ぶのも、自分が戦勝国になった気分を味わいたいから。
慰安婦問題や元徴用工問題など、日韓が話し合いを重ねて解決した問題を蒸し返し、日本に反省や謝罪をくり返し要求するのは、正義の立場で日本を裁くことに「快感」のような高揚感を感じるからだろう。
「韓国軍は、日本軍をうち破ることは一度もできなかった。わたしは、日本軍を撃滅してわが同胞を解放したかった。」
そんな金九の思いをいまの韓国人も受け継いでいるから、想像や仮想空間で日本を何度も撃破する。
精神勝利と言ってもいい。
いま韓国で少女像とそれに土下座で謝罪する安倍首相の像が登場して、日韓の外交問題に発展しようとしている。この像の制作動機にもきっと金九の「恨」がある。
そう思うと、「李承晩はわが国の国父ではない、金九がなるべきだった」という主張は間違いじゃない。
本当の戦勝国・アメリカは歴史問題を蒸し返さない。
日本と戦って勝利したから「勝者の余裕」があるせいかわからないけど、アメリカは過去を過去として現在には引きずらない。
在日米軍では旭日旗を日米友好のシンボルとして使っている。
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>いま韓国で少女像とそれに土下座で謝罪する安倍首相の像が登場して、日韓の外交問題に発展しようとしている。この像の制作動機にもきっと金九の「恨」がある。
>そう思うと、「李承晩はわが国の国父ではない、金九がなるべきだった」という主張は間違いじゃない。
ははは、ご冗談を。完全に「間違い」ですよ。日本語は正確に使いましょう。
「そう思うと・・・と言う主張は、(韓国人にとっては)間違いじゃない。」という表現が正しいですね。
韓国人以外の国民にとっては、特に日本人にとっては、間違いであることこの上ない。
そもそも李承晩が何の苦労もせずに韓国の初代大統領になったとでも韓国人は思っているのですかね? 彼は彼で決断をして、米国の力を借りて、自由主義側の国として韓国だけを(北半分とは別に)独立させることを選んだ。その業績がどうして「建国の父ではない」となるんですかね? 李承晩は別に親日派でもない
「こうあるべきだった」と嘆いても
過去は変えられないのにね。
嘆くだけて、そこから前に進まない
Wikipediaより:
>鴟河浦事件(チハポじけん)とは、1896年3月9日、李氏朝鮮の黄海道安岳郡鴟河浦で、金九らが起こした強盗殺人死体遺棄事件。金九は旅人に食膳を与える時に年少で優先度と決まると考えていたが、店主が日本人商人・土田譲亮に先に配膳したこと、更に土田が日本人だとして、土田を集団で暴行、石と鉄棍棒で撲殺し、「義兵」と称して金品・驢馬を奪って、遺体を埋葬せずに凍った河に捨てた。
バカバカしい。これのどこが「独立活動家」なんですかね?宿屋を襲った強盗でしょ。
こんなのを「建国の父」として崇めている(?)
伊藤博文を暗殺した安重根の方が、まだ「政治的テロリスト」として認められるような気がします。