日本でも有名な馬拉糕は、マレーシア生まれか中国生まれか?

 

大好物ではないけれど、でもわりと好きなこのお菓子をきのうスーパーで見つけたので、久しぶりに買って食った。

 

 

この程度でもボケる我が撮影テクと、マーラーカオのしっとりした食感と控えめな甘さは相変わらず。
このお菓子は日本にすっかり定着していて、レーズンやカスタードクリームなどを加えたバージョンもある。

それいいとしてこの中国風蒸しカステラについて、まえまえから気になっていたのが「マーラー」という中国語。

麻辣(マーラー)といえば麻婆豆腐に代表される、舌がしびれるような辛い味付けのことで、日本でも麻辣味のお菓子やインスタント食品がたまにある。
これと甘いマーラーカオに一体どんな関係が?
と長年疑問に思っていてきのう調べたところ、まず同じ中国語のマーラーでも、「馬拉」と「麻辣」 ではまったく違うという事実にきづいた。
ヘタしたら、それを知らないままこの世を去っていたところだ。

では馬拉は何かというと、中国語でマレーシアを意味して、糕(カオ)とはケーキになる。
これは中国料理のひとつだけど、その爆誕地をめぐっては中国(広東地方)説とマレーシア説があり、どちらかというとマレーシア生まれの可能性が高いらしい。
「マレーシアのお菓子だから」、または「濃い色がマレーシア人の肌の色に似ているから」といったことから、馬拉糕(マーラーカオ)と名付けられたという。
*現在の日本ではマレーシアを漢字で「馬来西亜」と表記する。

 

江戸時代に中国から伝わったこのマーラーカオ、見た目はカステラなどの西洋菓子によく似ている。

 

 

昔の日本人は中国から伝わった饅頭や羊かんなどのお菓子を食べていた。
でも16世紀に、ヨーロッパ人がビスケットやカステラなどのお菓子(南蛮菓子)と、小麦粉・砂糖・卵を使った新しいお菓子のレシピを日本に持ってくる。

くわしいことはこの記事をどうぞ。

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この新しいお菓子の作り方は、日本のスイーツ史に革命的な影響をあたえた。
ということは中国にも、小麦粉・砂糖・卵を水でねって作ったスポンジケーキのようなお菓子は、一般的にはなかったということでは?
もしあったら、それはきっと日本にも伝わっていた。
まぁこのへんは推測なんだが、日本のスーパー・コンビニでよく見る馬拉糕の発祥地はマレーシアだろう。
でもこの名前の由来がマレー人の肌の色だとすると、意識高い系の人たちのポリコレ・センサーに引っかかるかも。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。