この前インド人・バングラデシュ人・タンザニア人と富士山を見に行って(最近こればっか)、レジャーシートの上でみんなでご飯を食べていたとき、彼らの好きな和菓子を聞いてみた。
タイ焼きやら饅頭やら日本のどこにでもあるようなお菓子が出てきたから、次にそれぞれの国で、日本の饅頭のような国民的スイーツをたずねると、インド人が「グラブジャムンですね。日本にないようなとても甘いお菓子です」と答える。
あぁクラムボンか。
宮沢賢治の「やまなし」に出てくる謎の存在だよね。
というクラムボンではなくて、インドには13億5千万人の誰もが知ってるようなグラブジャムンという伝統的なスイーツがあるという。
このお菓子について「カンロ飴」で有名なカンロのサイトではこう紹介されている。
脳天を貫くような甘さ、身体がビックリするほどの甘さ、情け容赦なく甘い、虫歯がうずくほど甘い、背筋が凍る甘さ
「背筋が凍る甘さ」という表現は初めて見た。
世界一甘い?か知らんけど、これがグラブジャムン
するとインド人に続いてバングラデシュ人とタンザニア人も、「グラブジャムンならわたしの国にもあります。有名ですよ」と言う。
バングラデシュはもともとインドの一部だったから分かるとして、アフリカは予想外。
タンザニア人の話によると、むかしインド人の移住者がこのお菓子を伝えたことで、いまではタンザニア人やケニア人の好物となったということだ。
そんなスイーツは知らなかったけど、実はけっこうワールドワイド?
英語版ウィキペディアを見ると、グラブジャムンを食べる国はこれだけある。
インド、ネパール、パキスタン、モルディブ、バングラデシュ、ミャンマー、モーリシャス、フィジー、シンガポール、マレーシア、イギリス、南アフリカ、カリブ海諸国(トリニダード・トバゴ、ラスグラ、ガイアナ、スリナムなど)
イギリス植民地時代に移住したインド人が現地にもたらしたのだろう。
このお菓子は誕生日や結婚式などのめでたいとき、またイスラーム教のお祝いやヒンドゥー教の祭りでよく登場するというから、日本でいえば「紅白まんじゅう」みたいなものだ。
Gulab jamun is a dessert often eaten at festivals, birthdays or major celebrations such as marriages, the Muslim celebrations of Eid ul-Fitr and Eid al-Adha, and the Hindu festival of Diwali (the Indian festival of light).
ワイングラスに盛られたオシャレ系グラブジャムン
富士山を見に行ったタンザニア人と浜松のインドカレー屋に行ったらこれを発見。
「これがこの前みんなが言ってたグラブジャムンだ。カレーの刺激的なスパイスをこの甘さが調節してくれて、消化を助けるんだ。食おうぜ」と言うから、食ってみた。
渾身の食レポをすると、丸いカステラを甘々の砂糖シロップにつけた感じで、めちゃくちゃ甘くて日本人にはとても無理っ。さすが世界一だ。
と言う準備をしていたのだけど、予想以上に甘さ控えめで拍子抜け。
ただシナモンとカルダモン(?)のスパイスが入っていたから、好みは分かれると思う。
アマゾンで買えるからチャレンジ可能だ。
タンザニア人に聞くと「甘さが全っ然たりない」と不満そう。
ですよねー。
日本人相手にインド・アフリカ級の甘さを再現したら自殺行為だから。
おまけ
インド・ヒンドゥー教徒の聖地「ヴァラナシ」
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あーこの菓子、「グラブジャムン」と言うのですか。北米(五大湖の近く国境沿いカナダ国内)のインド料理店で食べたことがあります。結構甘かったけど、「脳天を貫く」ほどではなかったような気が。その店はデザートに選択の余地なしで、インドカレーを注文すると必ずついてきました。ビールに合わないので困った。
名前はすっかり忘れてました。
このお菓子は世界中にあるんですね。
つまりイギリス植民地支配とインド人移住者の影響はそれだけあると。