【ありがとう日本！】統治時代からつづく、台湾の良い関係

最近、台湾の企業や団体などがお金を出して、「ありがとう日本！」という感謝のメッセージを産経新聞に載せた。

日本への台湾の人たちの思いはそれだけじゃなくて、SNSではこんなメッセージを見た。

・患難見真情！感恩🙏

困ったときの友こそ真の友。本当に感謝しています。

・There’s no words to express how much we, as Taiwanese, appreciate the tremendous support Japanese and the U.S. governments provide during this critical period! Thank you❣️🇺🇸🇯🇵🇹🇼

台湾にとって重要な時期に日米両政府が多大な支援をしてくれて、台湾人として感謝の言葉もありません。ありがとうございました。

これまでコロナ対策では世界の優等生で新規感染者が本当に少なかった台湾で、先月５月から突然コロナウイルスの感染が爆発。
大急ぎでワクチン接種をしないといけない！という状況になったものの、これまで必要性があまりなかったから、手元にあるワクチンはあまりに少なかった。
それを知った日本とアメリカが貴重なワクチンを台湾に送ると発表し、台湾人が感謝のコメントを表明したわけだ。

その気持ちは蔡総統も同じ。

言葉では言い尽くせないほど感謝しています。
これからはワクチンの生産と接種を着実に進めていき、すべての台湾国民、そして世界の人々がパンデミックの恐怖から解放されるまで、我々は努力しなければなりません。頑張りましょう！ pic.twitter.com/ub1LUFdnRm

— 蔡英文 Tsai Ing-wen (@iingwen) June 4, 2021

そんな台湾人の気持ちの表れは日本人も驚くほど。

共同通信の記事（2021/6/5

交流協会に花束続々　ワクチン供与「ありがとう日本」―台湾

台北にある日本台湾交流協会の事務所には、「ありがとう日本」といったお礼のメッセージとたくさんの花が市民から届けられた。
これに事務所側は、「花が届くとは全く予想していなかった。スタッフ一同、感動している」と涙腺がゆるんでいるもよう。

こんなニュースに、ふだんは感情のゴミ捨て場となっている日本のネット掲示板もほのぼのしていた。

・ワクチン射ったら台湾に行ってこよ
・全然まだだ
もっと恩返ししてやるから覚悟しとけ台湾！
・日本はただの鏡
台湾みたいに友好関係を望むところに対しては日本は優しい
・ワクチンが足りなくなったり、何か困った事があれば言ってきて欲しいな。
・今のところこれだけなのが申し訳ないな
・困った時はお互い様が出来るのは良いことだな

ほかにも台北の超高層ビル「台北１０１」で「台日の絆と感謝」と日本語でライトアップしたという。

ワクチン接種が始まると、蔡総統はまた日本語でメッセージを書いてくれた。
台湾の人たちは義理堅いというか情熱的だ。

現在の良好な日本・台湾の関係の土台となっているのが、かつての日本による台湾統治だ。
日清戦争で日本が勝利し、その後の下関条約によって、1895年に台湾は中国（清）から日本に割譲され、第二次世界大戦が終わる1945年まで日本の領土の一部となっていた。

その時代を生きた台湾人はこう振り返る。

体は台湾人だけど、精神は日本人。日本人にいじめられたといえばいじめられた。でもいま考えると、結果として日本は台湾に偉大な建設をやって、偉大な精神を残した。
あのころの台湾の治安は、兵舎の脇を通れば絶対的な安心があった。いくら夜中でもお金を持っていても女の人でも平気で通った。街中でもそうだけど、

「台湾人生　（酒井充子）　光文社知恵の森文庫」

それが戦後、大陸から中国人がやって来るとすべてが一変したという。
中国人の統治に比べると、日本時代は良かったというノスタルジーも日本への好印象につながっている。

とはいえ統治時代に対する見方は一つではない。
現在の台湾の教育や経済は、日本によって建設されたものが基礎となっているという意意があれば、そういう見方は植民地統治を正当化するものだと反発する声もある。
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日本統治時代の台湾

個人的にはこれまで出会ってきた台湾人はみんな、日本は台湾の近代化に貢献したということで統治時代をわりと好意的に理解していた。
そんな気持ちもあって、日本のピンチのときには台湾人が全力支援をしてくれて、立場が逆になれば日本人が台湾に同じことをする。
そういう感謝と感謝で結ばれた関係の上に、「ありがとう日本！」ということばが出てきたのだと思う。