日本を旅行した台湾人の話①違い・驚き・好き/嫌いなこと

 

先週の金曜日、3人の台湾人(全員が20代の女性)が旅行で日本にやってきた。
その台湾人を3日間、静岡と神奈川のあちこちに案内したから、今回はそのときのことを書こうと思う。
でもこれは自分用のメモとして箇条書きに書いていくから、まとまりはないですよ。

 

修善寺

 

・3人のうち1人は初対面だったから、名前を聞いたら「シェリー」と言う。
台湾人には英語の名前がある人が多い。
とくに外国人とやり取りする企業で働く人なら、みんな持っているという。
台湾語の名前だと外国人には覚えにくいから英語名を名乗っている。
別の2人は「サンディ」と「なつみ」とだったから、結局、3人の本当の名前はいまも分からない。

 

小田原城とサンディ

 

・小田原城を見て「台湾にこんな建物はない」と言う。
「石垣」という漢字を見ても意味が分からない。城がないなら石垣もないか。
「沖縄にある島はなんで石垣島なんですか?」と質問された。
*台湾や中国で「城」というと、castleじゃなくて「city(街・都市)」の意味になる。

 

・シェリーが「にんじゃ」と「じんじゃ」をよく間違えていた。
「小田原の「じんじゃミュージアム」に行きたい」と言うから、「そんなのあったか?」と思ったら「NINJA 館」のことだった。
修善寺では日枝(ひえ)神社を見て、「このにんじゃは何ですか?」ときくシェリーがほほえましい。

・3人とも侍と忍者の違いが分からなかった。
「表と裏の人間」「侍は兵士で、忍者はスパイや暗殺者」といった説明をしておく。

・台湾人と日本人の違いは、台湾人は本音で話すこと。
日本人のように本音と建前を使い分けることは、良い点もあるけど基本的には分かりづらいから嫌い。
シェリーが「日本人の名前をつけてほしい」と言うから、令和の和をとって日本っぽい「和子」を提案。
でも、「和子」という漢字は「箱」を連想するから、「それは嫌。もっとかわいいのがいい」と言う。
台湾人の好き嫌いがハッキリしているというのはこういうところか。
*台湾人も「かわいい」という日本語をよく使う。

・いろいろな場所に連れて行くと、「つまらない」と思うと早く行こうするし、良い景色や建物があると「ワオ」と言って撮影大会がはじまるから、「好き/嫌い」は分かりやすい。
「3日間でどこが一番よかったか?」と質問したら、3人とも「修善寺」と即答。台湾は新しいから、こういう古い建物は日本的ですごく好きだという。

日本人だと車でいろいろな場所に連れて行ってもらったら、「どこもすごく良かったんですけど、なかでも~」と優等生のような回答をする気がする。でも、台湾人はきっとそういう回りくどい言い方を嫌う。
経験的にこれは韓国人も中国人も同じ。

写真を撮っているのがシェリーで、撮られているのがなつみ。

 

・韓国と違って台湾は日本を恨んでいない。
日本統治時代(台湾では日治時代)は歴史のひとつで、もう恨む理由はない。
台湾人はいまの日本が好きで、日本の食べ物や文化は台湾で大人気。
台湾の発展に貢献した八田與一という日本人は、台湾人ならみんな知っている。
日本は台湾と逆で、八田與一を知らない人が多い。
*いま「はったよいち」と入れても漢字変換ができやしない。「張った与一」って誰だよ。

 

八田與一

 

・この3人は台湾の英雄・鄭成功を知っていた。
でも鄭成功が日本人(母親)と中国人のハーフで、日本(長崎の平戸)で生まれたことは知らなかった。これを知るとわりと驚がくする。
孫中山についても「中山」が日本人名であることは知らなかった。孫文(孫中山)が日本にいたことを知っていたのは1人だけ。

 

台湾の歴史について質問したら、「台湾のことは私たちよりグーグルのほうがくわしいです」と言ってググりはじめる。
そのとき参考にしていたのがこの台湾版ウィキペディア。

總督府致力廢除「三惡」,即鴉片、纏足與辮髮。同時加強衛生體制,改造下水道并進行捕鼠工作。改農曆為公曆,在街頭放置時鐘,培養臺灣人的守時觀念。推行市區改正計劃,對後來臺灣城市的營建影響深遠。

日治時代

 

日本は台湾を統治していたとき、アヘン・纏足(てんそく)・辮髪(べんぱつ)の「三悪」を追放して、下水道などを整備して台湾社会の公共衛生を発達させた。

はい、ついでに「臺灣城市」にご注目。
臺灣は台湾のこと。
さっき書いたように「城」はcastleじゃなくてcityの意味だから、「臺灣城市」は「台湾シティ」になる。
城と城市のちがいは各自で調べよう。

 

・シェリーが味噌をすごく気に入っていた。
居酒屋で出された味噌に感激して、「売ってほしい」と無茶なことを言う。
販売してないと分かると、シェリーは味噌の作り方をきく。
味噌が柔らかくなるまで、酒・砂糖・豆板醤を加えるといいらしい。

・台湾の高速道路では窓を開けることができない。
時速80キロで高速道路を走行中、シェリーが富士山の写真を撮っていたから、「窓を開けて撮っていいよ」と言ったら3人ともおどろいていた。
*日本でも普通は窓を開けないけど、法律で禁止されているわけではない。

 

おっと、書き出したら長くなっちまった。
続きはまた近いうちに書こうと思う。

 

 

台湾 「目次」 ①

台湾 「目次」 ②

 

2 件のコメント

  • >>>韓国と違って台湾は日本を恨んでいない。<<<

    多少の不幸な行き違いや流血の事態があったからと言って、欧米の白人国とは違って、植民地化したり、奴隷として酷使したりとかの虐政を布いた訳でもないので、そんなに恨まれる理由もありませんしね。
    むしろ韓国が世界的に見ても執拗なだけですから。

    >>>台湾の発展に貢献した八田與一という日本人は、台湾人ならみんな知っている。<<<

    台湾の発展に貢献した日本人は、八田與一の他にもたくさんいますよね。

    >>>でも鄭成功が日本人(母親)と中国人のハーフで、日本(長崎の平戸)で生まれたことは知らなかった。これを知るとわりと驚がくする。<<<

    そうですか。あちらの人でもそこまでは知らなかったのですか。
    もっとも鄭成功なんて日本では、知ってる人がほとんどいませんけど。

    江戸時代に人形浄瑠璃や歌舞伎の演目として創作された『国性爺合戦(こくせんやかっせん)』は、鄭成功をモデルにした話ですが。

  • 台湾の教育では日本統治のいい面・悪い面を公平に教えていて、それが現在の良好な日本観につながっています。
    鄭成功の母親が日本人というのは中国本土の人もほとんど知らないでしょうね。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。