日本と韓国社会の大きな違い。法も政府も国民感情に負ける社会。

 

日本と韓国はとても近い。

福岡を船で出たら、数時間で釜山に着くことができる。
福岡から釜山までの距離は、だいたい福岡と広島の距離と同じ。

でも、日本と韓国はいろいろと違う。

それで前から、日本と韓国は「近くて遠い国」とよく言われる。

 

日本も韓国も民主主義の国だ。
選挙で国民の代表が選ばれる点は同じ。

でも、日韓の社会のあり方はかなり違う。
今回は、そんな「韓国の民主主義社会」というのを見ていこうと思う。

なんだかんだいって、これからもずっと韓国は日本の隣国であることは変わらない。
関係を断つことはできない。
この点は韓国も同じ。

好きでも嫌いでも付き合わないといけないのだから、相手のことは知っておいたほうがいい。

日韓の大きな問題である「慰安婦像問題」をとおして、そのことを書いていきたい。

 

 

話は2011年、ソウルの日本大使館前に慰安婦像が建てられたことにさかのぼる。

この像の設置は、韓国の国内法では違法となる。
でも国民は、そんなことはケンチャナヨ(関係ない)。
だって、愛国行為だから。

「でも、外国の公館をバカにするのはウィーン条約に違反しているよね?撤去してくれない?」と日本が韓国に抗議する。
それで韓国は2015年の日韓合意で、像の撤去を「努力する」ことを約束した。

この場合の努力するというのは、「像を撤去する」ということ。
「韓国政府は一生懸命、努力しました。でも、像は1ミリも動きませんでした」では、さすがに日本もブチ切れる。

 

「あの像はいつなくなるのだろう?」

と、玄界灘のこちら側から眺めていると、不思議なことが起きた。
釜山の日本総領事館の前に、別の慰安婦像が建ってしまった。

「像をなくします」と韓国が約束したから日本が待っていた。
そしたら、像が増えてしまう。

なんでこんなことが起こるのか?
その原因は、韓国の独特な民主主義社会にある。

 

 

釜山の日本総領事館前に建てられたのも、ソウルと同じく違法の像。

でも、日本総領事館がある釜山の東区はがんばった。
市民団体が設置した慰安婦像を「法律違反だから」と、すぐに強制撤去してしまう。

でもその後東区は、「少女像をどかすとは何事か!」と市民から嵐のような猛抗議を受けてしまう。
それで撤去から2日後、また慰安婦像が日本総領事館前に戻された。

国民が怒れば、行政も法もひっこんでしまう。
ここが日本とは違う。

 

でも、東区の対応は正しい。
韓国政府(外交部)も釜山の慰安婦像については、「『国際礼譲及び慣行を考えなければいけない』と懸念を表明(中央日報)」していた。
韓国政府も、この像がウィーン条約に違反していることはよくわかっている。

でも、「それは法律違反です。法には従いなさい」と言われて、納得する韓国国民ではない。

ここで国民と政府との対立がはじまる。

「釜山東区と釜山市、外交部を信じることができない市民は自発的に少女像を24時間守っている。市民団体がソウル日本大使館前の少女像を1年間守っている状況が釜山で同じように行われている。

政治的計算で汚された釜山東区少女像事態

国民は、釜山市も東区も信用していない。
そしてその東区と釜山市は、「それはあっちの問題だ!」と互いに責任をなすりつけ合っている。

まあ、いつもの韓国ですね。

 

 

釜山の慰安婦像でごたごたもめていたのは今年の始めごろ。

釜山ではないけど、ソウルの慰安婦像に最近大きな動きがあった。
日本大使館があるソウル市の鍾路区が、慰安婦像を「公共造形物」に指定してしまったのだ。

違法の像が国民の怒りで合法となる。
韓国の政治や法が、国民に負けてしまった。

こういう民主主義社会は日本とは違う。

 

とにかくこれで、「慰安婦像の撤去」は本当にむずかしくなってしまった。
下手したら、像は永久保存されるかもしれない。

くわしいことは読売新聞の社説をご覧ください。

指定により、日本側が求める撤去を実現するためには、区委員会の審議が必要となった。移転は一層困難になったと言えよう。菅官房長官が「(像の)固定化につながりかねない」と不快感を示したのは当然である。

慰安婦少女像 韓国は憎悪を定着させるのか

慰安婦像の固定化は、憎悪を固定化することにつながる。
韓国は、日本との約束を守る気があるのだろうか?

 

平和を象徴する像が、憎悪の象徴になろうとは。

 

一般の日本人は法を守る。
法律の範囲内で、言いたいことを言ったりやりたいことをしたりする。

でも韓国型民主主義社会は違う。
国民が法の上にあって、怒りで変えることができる。
国民感情が法を支配している。

 

はじめ釜山の東区は、日本総領事館前に置かれた慰安婦像を強制的に撤去した。
でもこれに市民が激怒して、像を戻させた。
それで区長は市民に謝罪している。

法律を守ろうとした側が、破った側に頭を下げなければならない。
日本からしたら理解不能なことがおこるのが、韓国の民主主義社会だ。
国民が怒れば、何でも可能になる。

 

 

先ほどの社説で、読売新聞は韓国政府にこう注文をつけていた。

韓国政府には、反日世論に迎合する鍾路区の指定を戒める毅然きぜんとした対応が求められる。

ようするに、「韓国国民が怒ろうがなんだろうが、法や日本との約束を守って国民を説得してくれ」ということ。
まったくその通り。

でも、その当然や常識が通じないのが、韓国型民主主義社会でもある。

外国人は日本人のことを、よく「discipline」と言う。
「日本人は法や秩序をよく守る」ということ。

日本は国民が法を守る民主主義社会。
韓国は国民の意思が優先される自由な民主主義社会だ。
政府が国民の意思に振り回されて、困ってしまうぐらい。

日本人からしたら、慰安婦像に見る「デタラメぶり」にストレスを感じると思う。
違法の像でも黙認される。
そのまま時間がたてば、合法になって固定化されてしまう。
同じ民主主義でも日本とはまったく違う社会だ。

そんな韓国に「毅然きぜんとした対応」を求めても、たぶんむずかしい。

「慰安婦少女像 韓国は憎悪を定着させるのか?」

韓国社会が今のままのなら、憎悪はきっと固定される。
ただ、その責任は韓国の国民に負ってもらう。

 

 

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今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。