中国人の嫌いな「支那(シナ)」。日本での使用やNG理由。

 

少し前に、中国人と旭日旗について話をしていた。
でも、話はすぐに別の方向に行ってしまう。

彼にとって旭日旗は軍国主義の象徴。
だから、「イヤなものですね」と言う。
他の中国人も同じだと思うけど、今の10代の中国人は分からない。
若い中国人は旭日旗を見ても、それが何か分からないかもしれないと言う。

 

それより彼には、日本でもっと気になることがあった。
それが「支那(シナ)」という言葉。

今回はこの「支那」という言葉について、日本での使用例やNGの理由なんかを知っていきましょう。

 

 

その中国人が言う。

「ボクは旭日旗より、『支那(シナ)』という言葉のほうが嫌いです。理由は中国のテレビです。ドラマでよく、日本兵が中国人をバカにして『シナ』と言っていました。それを何度も聞いたから、旭日旗よりこの言葉のほうがイヤです」

彼にとって、日本人が言う「支那」という言葉には、中国人への蔑視や侮辱が込められている。
例え差別的な感情や意思がなくても、この言葉には腹が立つ。

だから、日本で見る「支那そば」が気になるという。
ラーメンを、今でも「支那」と看板に書いている店がある。
数は少ないけれど、浜松でもそんなラーメン屋を見た。

彼はラーメン好きの中国人だから、中国料理に「支那」とつけられるのは、かなり不快になるらしい。

 

 

「支那」という言葉は、中国初の統一国家「秦(しん:紀元前778年 – 紀元前206年)」に由来するといわれる。
だから、英語の「チャイナ」と語源は同じ。

日本にいつ入って来たのかは分からないけど、江戸時代の新井白石(1657年 – 1725年) が「支那」という言葉を使っている。

戦前戦中の日本は、中国ではなくて「支那」と呼んでいた。
でも先ほどのように、中国人はこの言葉に蔑視や侮辱を感じるから、いまの日本政府や外務省が「支那」を使うことはあり得ない。

そもそも日本政府は、1930年(昭和5年)に「支那」という呼称を使わないことを閣議決定している。
外務省ホームページにこうある。

こうした中国官民の感情に配慮して、外務省は1930年10月27日に中国の呼称変更を閣議に請議し、同月30日に閣議決定となりました。

戦前に、中国の呼称を「支那」から「中華民国」に変更した経緯を示す記録はありますか。

 

ここ30年の間で、日本にあった「支那」という言葉は、別の言葉に言い替えられるようになった。
例えば、「支那そば」はラーメンや中華そばになった。
「シナチク」はメンマに。
昔は学校で「支那事変」と習ったけど、今では日中戦争だ。

でも地名は今でも「シナ」のまま。
東シナ海、南シナ海、インドシナはそのまま。
これは今のところOK。
インドシナは英語にすると「インドチャイナ」になる。

 

でも中国では「東支那海」や「南支那海」とは言わず、それぞれ「東海」「南海」と呼んでいる。

ということで、たとえ蔑視や差別的な考えがなくても、地名以外で「シナ」と言うのは止めよう。
でないと、自分がめんどくさいことになる。

 

こちらもどうぞ。

東南アジア 「目次」

ヨーロッパ 「目次」

日本 「目次」

インド 「目次」

旅で人気の「アジア」や「インドシナ」の意味・由来・歴史とは?

 

2 件のコメント

  • 時代とともに言葉の持つ印象が変わったという事なのでしょうか。韓半島なのか朝鮮半島なのかというのも今後はありそうですね。
    それにしても反日ドラマで自分達を侮辱する言葉を再生産するというのは誰得なのか。
    歴史認識とは違いこちらが困る話ではないので、相手をわざわざ不愉快にする必要はありません。

  • >韓半島なのか朝鮮半島なのかというのも今後はありそうですね。
    韓国のマスコミは「韓半島」で、日本では「朝鮮半島」です。韓国にも北朝鮮にも配慮しないといけないのは大変ですね。
    それで語学講座の名称も、「韓国語」でも「朝鮮語」でもなく、「ハングル講座」になりました。ハングルはひらがなと同じく文字ですから、「ハングル講座」はおかしいんですけどね。

    >相手をわざわざ不愉快にする必要はありません。
    まったくその通りです。
    別の言葉があるから、これはそちらをつかえばいいだけのことです。

  • コメントを残す

    ABOUTこの記事をかいた人

    今まで、東南アジア、中東、西アフリカなど27の国・地域に旅をしてきました。以前、中学生に歴史を教えていた経験もあります。 また、日本にいる外国人の友人も多いので、彼らの目から見た日本も知っています。 そうした経験をいかして、日本や世界の歴史・文化・宗教などをテーマに、「読んでタメになる」ブログを目指しています。