【歴史雑学】中国・韓国・ベトナムにも「東京」があった!

 

7月17日は何の日か?

歴史を見ると、この日にはこんな出来事があった。

645年7月17日:日本初の元号「大化」が制定された。
大化の改新でおなじみの「大化」ですね。
現在の平成まで、日本の元号には1373年の歴史がある。

1402年:明(中国)で永楽帝が皇帝になった。
天津飯の「天」は永楽帝のこと。

1429年:イギリスとの百年戦争のなか、シャルル7世がランスで戴冠しフランス国王になる。
でも、「奇跡の少女」ジャンヌ・ダルクを見殺しにしたのはこの王様。

 

そして現在、7月14日は「東京の日」になっている。
というのは、いまから150年前(1868年)のこの日、明治天皇の命令(詔勅)により江戸が「東京」になったから。
西の京都に対し、「東の京」で東京。

言ってみれば、この日は東京の誕生日。
これにちなんで、「東京の日」ができたとさ。

 

ということで今回は、「東京」をテーマに記事を書いていこうと思う。
東京は日本の首都として有名だけど、歴史を見てみると、東アジアのいろんな場所に「東京」があった。

というか、もともと「東京」は中国語だから。

 

シャルル7世の戴冠式
ジャンヌ・ダルクのおかげで、フランス国王になれたくせに。

 

中国旅行で洛陽(らくよう)に行ったとき、現地の日本語ガイドからこんな話を聞いた。

「むかしは洛陽も『東京』だったんです。隋や唐の時代、都は長安におかれていました。その長安から東にある洛陽は、『東京』と呼ばれていたんですよ。東京はもともとは中国の都市なんです」

ということで、洛陽と東京を重ねてみた。
すると何という偶然!
京都と西安(長安)がすごく近い!

 

東京とは「東の都」という意味。

この言葉は、中国の後漢(25年 – 220年)のときには使われていた。
この時代も、西の長安に対して、東の洛陽が「東京」と呼ばれるようになる。

日本では弥生時代、まだ文字がなかったときに、中国ではすでに東京があったわけだ。
元祖・東京は洛陽だった。

 

その後、北宋(960年 – 1127年)の時代にも東京があった。
北宋の首都・開封は「東京開封府」で、略して「東京」と呼ばれることがあったという。
それでいまでも、開封を東京と呼ぶことがある。

 

 

東京は韓国にもあった。

高麗(918年 – 1392年)の時代には4つの都があって、「四京」と呼ばれていた。

開京:開城(北朝鮮の都市)
西京:平壌(北朝鮮の首都)
南京:ソウル(韓国の首都)
東京:慶州市(韓国の都市)

この4つで四京。

「G」のところが東京(慶州)になる。

ちなみに、高麗は「Korea」の語源になったのだよ。
アラビア商人がこの言葉をヨーロッパ世界に伝えた。

 

 

東京はベトナムにもあった。

高校世界史では「トンキン」という地名を習う。

トンキン

ソンコイ川流域、ベトナム北部の旧称。16世紀以降、黎朝は南北に分裂し、鄭氏の支配する北部はトンキン王国と呼ばれた。

「世界史用語集 (山川出版)」

 

このトンキンが現在のベトナムの首都ハノイのあたりになる。
ハノイと東京を重ねてみましたよ。

 

上のトンキン王国を漢字で書くと「東京王国」。
まんが喫茶の店名みたいだけど、歴史上、ベトナムに東京王国があった。

いまはもう「トンキン王国」は消えたけど、「トンキン湾」にその名残がある。

 

トンキン湾、漢字で書いたら東京湾

 

「日本語を学んでいるベトナム人なら、トンキン(東京)湾のことを知っているはず」と思って、ベトナム人の知人にメールで聞いたら、意外なことに、彼はトンキン湾なんて聞いたことがないと言う。

話を聞くと、ベトナム人はそこを「バクボ湾(Vịnh Bắc Bộ)」と呼んでいるから、彼は「トンキン湾」という言葉を知らなかった。

「なんでベトナムでは、トンキン湾と言わないんだ?」

疑問に思って調べてみたら、トンキン湾と東京湾を間違えないように呼び方を変えたらしい。

これは、日本の東京湾と混同されるおそれがあるためだといわれる。なお、「東」を「Ton」と読むのは閩語や呉語の発音であり、ベトナム語では「đông」である。

トンキン湾

 

江戸が東京になったのは1868年7月14日。
でもベトナムでは、16世紀(戦国時代)から東京(トンキン)があった。

命名は日本のほうが遅いのに、ベトナムのほうを変えさせてしまったということか?

 

 

東アジアの歴史を見てみると、「東京」は中国にはじまって朝鮮半島やベトナムに広がっていった。
日本・韓国(朝鮮)・ベトナムは中国生まれの漢字を使う「漢字3兄弟」だったのだから、「東京」という地名を共通して使うことはおかしくない。

でも、韓国とベトナムは漢字をなくしたから、いまでは日本と中国だけになってしまった。
中国・韓国・ベトナムは元号も使っていたけど、いまでは日本オンリー。

それはともかく、日本の首都・東京が一番新しい。
もうこれから、東京が登場することはないだろう。

だから日本の東京は、東アジアで最新で最後の東京になる。

 

ベトナム語で「注意」の意味。
発音も日本語の「チュウイ」とほぼ同じ。

 

ベトナム語の「TUYỂN THỦ(トゥエン トゥー)」も、きっと元の漢字は「選手」。

 

最近見た外国人のコメントでこんなのがあった。

It’s pretty cool that Japan still has an Emperor; the last country in the world to do so
「日本には今でもエンペラーがいる。すごくクールだね」

外国人から見ると、天皇は世界最後のエンペラー(皇帝)だ。

 

おまけ

なんと、長野県にも東京があった!

 

上の「三条四条」や「二条」のように、この長野市鬼無里(きなさ)地区には、京都を思わせる名称がいくつかある。

西京・春日神社・天神川・吉田神社・加茂神社・加茂川・清水・高尾・東山などなど。

これは鬼女「紅葉」の伝説による。

北信州一円を舞台とする伝承で、会津、京都、鬼無里、戸隠、別所温泉などを舞台とする。能の代表的演目『紅葉狩』としても著名。

鬼無里村 紅葉伝説

 

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ABOUTこの記事をかいた人

今まで、東南アジア、中東、西アフリカなど27の国・地域に旅をしてきました。以前、中学生に歴史を教えていた経験もあります。 また、日本にいる外国人の友人も多いので、彼らの目から見た日本も知っています。 そうした経験をいかして、日本や世界の歴史・文化・宗教などをテーマに、「読んでタメになる」ブログを目指しています。