【韓国文化】無関係な外国人にとっては、日本の新しい魅力

 

日本に住んでいるアメリカ人とイギリス人のカップルと一緒に、きょねんコストコへ買い物へ行った。
彼らは店内に入ると、あのでっかいカートに、チーズの入ったトッポキ、ビビンバの素、韓国冷麺、そしてラッポッギなどの韓国の食品を次々と投下していく。
アメリカ人は、ニヤリと笑いながら「今日はコリアンデーだ」と言う。
彼らは近いうちに、お気に入りの韓流ドラマをネトフリで見ながら、Kフードを楽しむ予定だから、普通のスーパーではなくてコストコへ買い出しに来たらしい。

日本語を学んでいる彼らには、韓流ドラマを見ることには独特の楽しみがある。
あるときイギリス人がドラマを見ていたら、韓国人俳優が「ヤクソク」と言ったような気がして、字幕を確認すると「promise」と書いてあった。
「これは偶然じゃない」と思って調べてみると、日本語の「約束」と韓国語の「약속(ヤクソッ)」は同じ言葉だということがわかった。
それ以来、韓国ドラマにツッコミを入れながら、日本語を発掘することが彼らの新しい楽しみ方となる。

日本と韓国には、1500年以上の付き合いがある。
その間、不幸な出来事も起きたが、隣国どうしの交流から、現在の両国には共通する文化がたくさんある。
知人の英米人はその一端に触れた。

最近の状況を見ても、韓国では数年前に吹き荒れた「ノージャパン」の嵐は姿を消し、いまでは「イエスジャパン」の雰囲気が広がっている。日本旅行を楽しむ韓国人は激増し、韓国内でも日本の商品がよく売れている。
日本でも「嫌韓」モードはあるが、その一方で、韓国に親しみを感じる人も多く、コストコへ行かなくても、スーパーやドラッグストアで韓国の食べ物を手に入れることができる。
韓国商品だけを扱い、コンビニをもじった「韓ビニ」も各地にある。

 

 

ボクのまわりでも、その「恩恵」を受けて歓喜の声を上げる外国人が増えている。
具体的な例を挙げると、ざっとこんな感じ。

あるウクライナ人は、名古屋で行われた推しのKーPOPアイドルのコンサートに行って、「ついに夢がかなった!」と喜びを爆発させ、その様子をインスタグラムに投稿した。
バングラデシュ人やインド人は韓流ドラマを見て、「アレ、すごくおいしそう…」と思った食べ物をスーパーで見つけて即買い。
ドイツ人は東京観光で秋葉原へ行った後、「韓流の聖地」である新大久保へ向かい、ハングル文字に囲まれて幸せそうな顔をSNSにアップした。
ベトナム人は日本人の友人と一緒に10月に韓国へ行き、韓流ドラマやアイドルの「聖地巡礼」を計画しているところだ。

彼らの話によると、有名KーPOPアイドルが母国に来てコンサートを開く可能性はゼロか、限りなく透明に近いゼロだから、現実的にはKーPOPは二次元で楽しむしかない。
アメリカの場合、カルフォルニア州だけでも日本より大きい巨大な国だから、アイドルが各地を回ってコンサートをしても、国民がそれを見るチャンスはなかなかない。
でも、コンパクトな日本なら、東京、大阪、福岡でコンサートを開けば、ほとんどのファンはちょっと頑張れば見に行くことができる。
それと、インド人から聞いた話では、日本に住んでいると韓国の観光ビザが簡単に手に入るらしい。

確かに日本には、無視できないほどの「嫌韓」層があり、韓国関連のニュースでコメント欄が荒れることは日常茶飯事だ。
でも同時に、若い女性を中心に韓国に慣れ親しんでいる層もある。

 

ここで、ちょっと話は変わるけど、日本では韓国ファンが多いから、時々ちょっとしたイザコザを見かける。
韓国が好きな日本人と韓国人が集まるSNSグループで、ある日本人が「○○のビビンバがおいしかった!」と書き込んだところ、別の日本人が「現地に近い発音は”ビビンパ”です」とコメントした。
同じように、「キムチ」の文字を使う日本人を見つけると、「正しい表記は”キンチ”です」と指摘したり、「トッポギ」とか「トッポキ」には「現地の人たちは”トッポッキ”と言います」と訂正したりする。
すると、韓国人が「細かいことは気にしなくていいですよ、みんな仲良くしましょう」と言って場を収める。
古参のファンが「にわか」を注意する現象は、「日本人あるある」の一つでいろいろな領域で見られる。
日本には多くのアンチがいるとしても、韓国を好きな人が山ほどいるのは事実だ。

 

閑話休題(それはさておき)。
日本の「嫌韓」層も政治問題がオモニ、いやおもで、「韓流ドラマを見ないし、ビビンバもノリも食べない。韓国の芸能人が出ていたら、チャンネルは即変え」と、韓国のすべてを否定する人はかなり少ないだろう。

いま多くの韓国人が日本に韓流の「モメンタム(勢い)」があると感じ、勝機(商機)を見出している。
日本の都市部なら、韓国から食材を取り寄せて、韓国人シェフが作った本格的な韓国料理を出す店はめずらしくない。
日本人が行かなくても、韓国の方が日本へきてくれるのだ。

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世界中で韓国を除けば、一般人がもっとも韓国を感じられる国はきっと日本がナンバーワンだ。
日韓の歴史問題と関係ない外国人にとっては、韓国文化は間違いなく、日本の新しい魅力になっている。

 

 

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2 件のコメント

  • 私も7月初めに日本の東京に行ってきました。
    息子が休みなので好きな日本の野球を見る計画でした。それで、神宮球場と東京ドームで日本の野球を直観しました。そして、靖国神社で朝鮮人戦死者に参拝しました。韓日両国の絶えることのできない縁を確認し、歪んだ韓日間の歴史を韓国で必ず正すべきだと思いました。
    現在、多くの韓国人が日本を旅行していますが、根本的な韓日間の壁は破れていません。
    韓国人は日本でたこ焼きを食べ、寿司を食べながらsnsに記念写真を載せて好きですが、彼らの根底には相変わらず日本は”民族の敵”という感情があります。そんな感情を持っていながらも日本旅行が好きなのは二律背反的ですが、それが現在の韓国人の混沌とした姿そのものです。
    日本は嫌ですが、なぜ日本旅行はいいのでしょうか?
    日本で「既視感」を感じるからです。これは韓国人が世界のどの国でも感じられない感情です。
    その感じが良く、もう一つアップグレードされた大韓民国が海の向こうにあるため、韓国人が日本に殺到するのです。
    そんな行動をしながらも、韓国人が安心して日本を好きになれないのは、やはり韓国の歪曲された歴史教育のためです。

  • >韓国人は日本でたこ焼きを食べ、寿司を食べながらsnsに記念写真を載せて好きですが、彼らの根底には相変わらず日本は”民族の敵”という感情があります。
    最近、このことを感じます。
    ネットの日韓交流グループを見ていると、尹大統領になってから、両国関係は好転しました。
    ですが、日本に理解があって日本が好きな韓国人にも、歴史問題を解決しないと本当の関係構築はできないと主張する人は多いです。
    歴史問題はなかなか過去になりません。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。