ヨーロッパの移民政策は失敗? 移民問題(受け入れ)って難しい。

 

はじめの一言

「みんな善良な人たちで、私に出会うと親愛の情をこめてあいさつをし、子供たちは真珠色の貝を持ってきてくれ(中略)根と親切と真心は、日本の社会の下層階級全体の特徴である(アンベール 幕末)

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今回の内容

・イギリスの移民受け入れ反対の理由(テロ・医療費・仕事)
・移民をどう受け入れたらいい?

 

・イギリスの移民受け入れ反対の理由(テロ・医療費・仕事)

2016年の6月23日は、イギリスにとって「運命の日」になる。

「イギリスはEUから抜け出るか、それともEUにとどまるか」

それを決める国民投票が行われる。
この選挙の結果は、イギリスだけではなくてEU全体にとても大きな影響を与えることになる。

前回の記事で、ロンドンに住んでいるイギリス人の友人の話を書いた。
今のイギリスでは、昨年のパリでのテロ事件を受けて「移民と共に、テロリストもイギリスに入ってくるかもしれない」という不安が広がっている。

EUに加盟しているために、イギリス政府はEUからの移民のバックグラウンド・チェックが十分にできない。
過激派とのつながりや犯罪歴などを調べることができないのだ。

こうした不安や恐怖から、「イギリスは、EUから離脱すべきだ」と考える人びとは多い。
また移民を受け入れた場合、病院での治療費をある程度イギリスが負担することになっている。
そうした社会保障の支出も問題となっている。

英国がEU加盟国である限り、EU市民は英国に定住し働き、英国の年金や国民保健サービスを受ける権利を主張することができる。移民によるそのような社会保障制度へのアクセスは社会の負担にもなりうる。

(ウィキペディア)

 

さらに、「移民がイギリス人の仕事を奪ってしまう」と考えて、移民受け入れに反対していた人たちは以前から多くいた。
移民の増加によって、介護福祉士や清掃業者などの給料が下がると経済学者は言っている。

こうした背景があってイギリスでは、無制限に移民を受け入れることは現実的には不可能であるとし、EUから離脱して移民の受け入れを制限するべきだと考える人たちが多いのが現状だ。

 

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「移民を受け入れることで、自分たちの仕事が奪われてしまう」という不安をもっている人たちは、ヨーロッパの他の国にもいる。

それでも、ヨーロッパでは、移民を受け入れるべきだ、という考えは根強くある。

EUの理念には、加盟国国民はEUのどこにも自由に行くことができるし働くこともできる、というものがある。

この理念にもとづいて、ヨーロッパの各国ではいろいろな移民政策がとられてきた。

そうした「移民は、ヨーロッパ全体で受け入れるべき」という考え方をしている人たちからしたら、「イギリスが移民を受け入れないのはズルい」となる。

イギリスの措置は、このEUの基本理念に反すると他の加盟国やEU当局は批判しているのだ。

(NHK ON LINE ここに注目! 『移民規制とEUの理念』)

 

フランスのオランド首相は、23日の国民投票でイギリスのEUからの脱退か決まった場合、フランス国内にいる移民をイギリスに「送り込む」というようなことを言っている。

国民投票でEU離脱承認となれば英国とフランスとの間の協定に変更が加わりフランスに留まっている移民が英仏海峡トンネルを通って英国へ流入するだろうと繰り返し示唆している

(ウィキペディア)

移民問題というのは、本当に複雑で難しい。
失礼な言い方だけど、「移民を受け入れろ!」「いや、これ以上はムリだ!」といったヨーロッパでのやり取りを見ていると、ババ抜きをしているように見えてしまう。

 

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・移民をどう受け入れたらいい?

もちろんイギリス人は移民の受け入れについて「受け入れるか、一切受け入れないか」の二つに一つしか考えていないわけではない。

EUから離脱するべきだと考えている人たちのなかにも、「移民は受け入れるべきだけど、制限をつけてコントロールするべきだ」と主張している人も多くいる。
例えば司法大臣のマイケル・ゴーブ氏は、英国はEUを離脱することと移民の数をコントロールすることを考えている。
英国がEUにいる限り、EUから来る移民の出入国管理を厳格にはできない。
そのためイギリスの治安に影響がでると言う。

 

移民を受け入れることで、その国にメリットはある。
他の人がやらないような仕事をしてくれたり、働いてくれたら当然税収もあがったりする。

 

「移民を受け入れよう」という理念や理想もとても大切。
だけど、現実はもっと大事。
ヨーロッパの場合、「移民を受け入れよう」という理想が現実を越えて先走ってしまった面があると思う。

 

今のヨーロッパの各国(フランスやオーストリアなど)で、「移民を追い出せ!」と主張する極右政党が支持をのばしいるのは、そのことも原因にあるはず。
その国に昔からいる人たちと外からやってきた移民の人たちとが共存していくには、その国がコントロールできる範囲で移民を受け入れることが、絶対に大事。

 

おまけ

AFP通信の記事(2016年9月20日)で、サルコジ前大統領経験者が「(外国人も)フランス人らしく暮らすべきだ」と言って話題になっている。

サルコジ氏は「フランス人になりたければ、フランス語を話し、フランス人らしく生きろ。機能しない統合ではなく、同化が必要だ」と持論を展開。「フランス人になれば、『この国を愛している』と言わねばならない」と語った。

フランス人らしく暮らせ=移民に要求-サルコジ前大統領

 

日本で政治家がこんなことを言ったら、きっと大問題になる。
でも、フランスではこの発言は支持されている。

移民の受け入れには、受け入れる側の努力はもちろんだけど、移民の側もその国で一緒に生きていくための努力も大切だ。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。