いまアジアの人たちは日本をどう見てる?戦争・好き嫌い・信頼

 

*今回は、はじめの部分が前回と少し重なります。
「うぜえ、前に見たわ」という人はインコの写真から読み進めてください。

つい最近、マレーシアで選挙がおこなわれた。
で、マハティール氏が率いる野党連合の勝利。

これによって、マハティールさんが次の首相に決定した。

それはいいんだけど、現在のマハティール氏の年齢は92歳だ。
超失礼な言い方だけど、92歳といえば、「死なないだけですごい」というレベル。
このまま首相になったら、世界最高齢の首相が誕生だ。

このマハティール氏は高校世界史に出てくる人物。

マハティール

第4代マレーシア首相(在位1981~2003)。
統一マレー人国民組織から首相となり、マレー人中心政策であるプミプトラ(「土地の子」の意)政策や、日本の経済成長に学ぶ、「ルックイースト」政策を進めた。

「世界史用語集 (山川出版)」

日本に学ぶ「ルックJTB」じゃなくて「ルックイースト政策」についてはこの記事をどうぞ。

【過去の栄光】マレーシアのルックイースト(日本に学ぼう)政策。

 

 

さっき書いたように、マハティール氏は現在92歳。

ということは、太平洋戦争が終わったときは、19か20歳だったことになる。
つまり、マハティール氏は戦争や当時の日本軍について直接知っている。

だからと思うのだけど、以前、マハティール氏は日本についてこう言っていた。

一九九四年八月下旬、東南アジア四か国を歴訪した村山富市首相は、フィリピン人とシンガポールで戦争責任問題について謝罪し、各国で事実上のODA増額を約束した。

そしてマレーシアでは、マハティール首相に「日本が五〇年前に起きたことを謝り続けるのは理解できない。過去のことは教訓とすべきだが、将来に向かって進むべきだ。日本はこれからアジアの平和と安定のために国連安保理常任理事国入りして、すべての責任を果たしてほしい」と求められ、面食らってタジタジとなってしまった。

「アジア人と日本人 マハティールマレーシア首相との対話 大前研一 (小学館 )」

 

「日本が五〇年前に起きたことを謝り続けるのは理解できない」

この声がアジアを代表するものではないけれど、日本に対する1つの見方であることはたしか。

でも、マハティール氏がそう言っても、世の中には独自の解釈をする人がいる。
そんな日本人がいることに、大前氏は信じられない思いをしたらしい。

マハティール首相の安保理常任理事国入り支持発言の裏には、日本の援助に対するが期待があるから素直に受け取れない、という趣旨の解説をしていた。
私は怒りを通り越して、解説したジャーナリストの見識を疑った。マハティールは日本の援助がほしい、金がほしいと言ったことは一度もない。

(アジア人と日本人 大前研一)

こういう人は「アジアの人たちはいまでも、日本に戦争の反省や謝罪を求めているはず」という信念を持っていて、それ以外の見方は受けれいられないのだろう。

こんな人と話をしたことがあるのだけど、すげえ疲れた。
「謙虚な気持ちになって、アジアの人たちの話を聴くことが大事」とか言ってたけど、結局は「オレの話を聞け」だった。

マハティール氏が「過去のことは教訓とすべき」と言ったように、歴史を学ぶことは大切。
でも、戦争とまったくかかかわりのない現在の日本人が、戦争責任や加害者意識を感じる必要はない。
東南アジアはそんなことを求めていないから。

 

今さら情報だけど、去年2017年は、日本とマレーシアの外交関係が始まってから60周年だった。

 

歴史に興味があったから、「東南アジアの人たちはあの戦争をどう見ているのか?」ということを知りたかった。

それで今までにタイ、ミャンマー、インドネシア、ベトナムなどの東南アジアの人から話を聞いてきけど、日本に戦争の反省や謝罪を求めている人には一度も会ったことがない。

よく言えば、みんな過去より今と未来を重視していた。
はっきり言えば、みんなよく知らない。
ボクが話を聞いたのは、40歳以下の人だけ。
その人たちは、80年前のことなんて興味がないから、「太平洋戦争で日本が何をしたか?」なんてことはよく分からない。

 

だから、ボクが質問しても彼らは困ってしまう。
だいたいこんなことを言う。

「日本人がひどいことをしたというのは聞いたことあります。でも、あんまり覚えていません。いまは関係ないから気にしません。普通の人は、80年前の日本のことなんて興味ありませんよ。自分の国の歴史も知らない人がたくさんいます」

いまのアジアの人たちはこんな感じだと思う。
「むかし日本軍がひどいことをした」と聞いたことはあるけど、今は昔のはなし。
ふだんの生活でそんなことは考えないし、日本に反省や謝罪を求める気持ちもない。

 

ただ、日本語ガイドは別。

ガイドは日本のことを勉強するから、戦争中に日本人がしたことについてよく知っている人もいた。
特にミャンマー人のガイドがくわしかった。
でも、いまは気にしていない。
「それは過去のことです。大事なことは今と未来です」ということを言っていた。

あと、インドネシア人は「ロウムシャ(労務者)」という言葉を知っている人が多い。

これもボクが聞いた意見だから、実際にアジアの人たちに聞いて確認してほしい。

 

「NHK 映像の世紀 JAPAN」から。
*この時代の日本を知りたかったら、この番組は最適。

乗客がバスから降りるとき、インドネシア人は日本の軍人にだけ頭を下げていた。
こういうことをさせていたのは事実。

 

マハティール氏は「日本が五〇年前に起きたことを謝り続けるのは理解できない」と言ったけど、2018年のいまからだと約80年前のことになる。

では、いま現在、東南アジアの人たちは日本をどう見ているのか?

ここに外務省が発表した最新の世論調査の結果がある。

ASEAN10か国における対日世論調査

 

平成29年にASEAN10カ国(ブルネイ,カンボジア,インドネシア,ラオス,マレーシア,ミャンマー,フィリピン,シンガポール,タイ,ベトナム)における対日世論調査をおこなった。

その結果は、簡単に言ったら、みんな日本が好きだしすっごく信頼している。

日本に対して、「とても友好関係にある」と「どちらかというと友好関係にある」と回答したは、ASEAN全体で89%(前回調査75%)あった。
この調査報告では、「日本との関係に関し肯定的なイメージが広範に定着していることが示されました」と書いてある。

「日本は信頼できるか?」と言うことに対しては、ASEAN全体で91%(前回調査73%)が「とても信頼できる」又は「どちらかというと信頼できる」と回答している。
日本への信頼の高さは山のごとし。

また、「戦後の日本」に対する評価も高い。
ほれ。

戦後70年の日本の平和国家としての歩みについてどう思うかとの質問については,ASEAN全体で88%(前回調査82%)が評価すると回答しました。

 

いまでもこれを見て、「日本の援助に対するが期待があるから」と言う日本人はいるのだろうか?
いると思うけど、90年代に比べたら、そういう人はかなり減ったと思う。

time will tell(時間が教えてくれる。時がたてばわかる)で、このことに関しては、世の中は正しい方向に進んでいる。

 

 

でも注意。

「いまの東南アジアの人たちは、日本の戦争責任には関心がない。日本が好きで、信頼できると考えている人も多い」

と考えていいのだけれど、過大な期待は禁物。
例えば「日本が、ヨーロッパの植民地だったアジアを解放してくれた!ありがとう日本!」と言うアジアの人はいないと思ったほうがいい。

ボクはそういう人がいると本で読んだから、実際に探してみたけれど、今までに一度も会ったことがない。
もう、どうでもよくなった。

 

タイ人にしろインドネシア人にしろベトナム人にしろ、いまの若い人たちが興味を持っているのは、戦争ではなくて日本の文化だ。

ラーメンやすしなどの食べ物やアニメにマンガ。
それと化粧品や日本旅行なんか。
日本の戦争責任よりも、こういう話をしたい人がたくさんいる。

アジアの人たちと友だちになりたかったら、日本文化にくわしくなった方がいい。

前に20代のタイ人女性から、こんなメールをもらった。

For our perception Japan is still awesome in every aspects like, travel, ppl, food, transportation.
We would like to revisit Japan.

「私たちの見方では、日本はまだすべて面で素晴らしい。旅行、人々、食べ物、交通手段など。
みんな日本にまた行きたいと思ってる」

もちろん「日本の援助に対するが期待があるから」という人がいてもおk。

 

 

おまけ

マレーシアのシンボル・ペトラスツインタワー。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

今まで、東南アジア、中東、西アフリカなど27の国・地域に旅をしてきました。以前、中学生に歴史を教えていた経験もあります。 また、日本にいる外国人の友人も多いので、彼らの目から見た日本も知っています。 そうした経験をいかして、日本や世界の歴史・文化・宗教などをテーマに、「読んでタメになる」ブログを目指しています。