日本人のイメージするインド人は”シク教徒”だっ!

 

「インド人ってどんな人?」と聞かれたら、”頭にターバンを巻いた人”をイメージする日本人は多いと思う。

例えばこんな感じ。

どっかのカレー屋にあった絵

 

頭にターバンを巻いた人はインド人だけど、ヒンドゥー教徒のインド人ではない。
ターバンを巻いたヒンドゥー教徒もいるとは思うけど、ターバンの民は主にシク(シーク)教徒の人たち。

シク教徒には頭にターバンを巻く決まりがある。

 

うまい棒カレー味のキャラクターもシク教徒

 

こっちはガチのシク教徒

 

「体にはスーツを、頭にはターバンを」がシク教徒の男たち。

 

宗教のワンダーランド・インドにはいろいろな宗教がある。

外務省のインド基礎データでその割合を見るとこんな具合。

ヒンドゥー教徒79.8%、イスラム教徒14.2%、キリスト教徒2.3%、シク教徒1.7%、 仏教徒0.7%、ジャイナ教徒0.4%

(2011年国勢調査)

 

シク教徒は1.7%。
人口を13億とすれば約220万人になる。

でも、人口の1.7%しかいないシク教徒が、なんで日本では”インド人の代表”になるのか?

その理由のひとつがチャダさん。
1975年に、世界初のインド人演歌歌手がデビューした。
その人がシク教徒だった。

シーク教徒らしいターバン姿と、北島三郎直伝のその完璧な日本語による歌唱のギャップで、10万枚以上を売り上げるヒットとなり、様々な音楽賞の新人賞を受賞した。当時は大橋巨泉事務所(現「オーケープロダクション」)に所属していた。

チャダ

「史上初の黒人演歌歌手」ジェロさんの活躍を見て、再デビューしていた。

 

それとプロレスファンとしては、忘れちゃいけないインド人がいる。
「インドの狂える虎」タイガー・ジェット・シンもシク教徒。

ジェット・シン、ブッチャー、ザ・シークの3人が日本で「世界三大ヒール」と呼ばれていた。

 

日本のテレビによく出ていたインド人はシク教徒が多い。
ターバンを巻いた姿もインパクトがあったから、日本では「インド人=ターバン巻きの人」というイメージができ上がったのだろう。

 

 

最近、シク教徒の友人がフェイスブックで「今日はターバンの日。ふっふー」という記事をシェアしていた。

「ザ・デイリー」という米ワシントン大学のメディアにその記事がある。

Seva UW, a community service and social justice RSO based on and named after the Sikh principle Seva, meaning selfless service, hosted Turban Day to promote cultural awareness and education of the Sikh faith.

Turban Day celebrates and promotes the education of the Sikh faith

 

ターバンの日に、シク教の文化や信仰について理解を深めるらしい。
それで今回は、シク教のことを知ってもらおうとこんな記事を書いてみた。

日本人がイメージするインド人とはシク教徒の人たち。
でも、シク教のことは、日本であまり知られていないと思う。

シク教について高校の世界史ではこう習う。

16世紀初頭にナーナクが創設した新宗教。
ヒンドゥー教のバクティ信仰とイスラーム教を融合し、偶像崇拝や苦行、カースト制を否定した。パンジャーブ地方に勢力を保持し、19世紀にシク王国を建てたが、2度にわたるシク戦争でイギリスに征服された。名称はナーナク師(グル)の前に忠実な弟子(シク)に由来する。

「世界史用語集 (山川出版)」

 

「シク」とは「グル(師・先生)にしたがう弟子(シク)」という意味。
だからシク教徒とは「弟子たち」という感じなんだろう。

ヒンドゥー教には「バラモン・クシャトリヤ・ヴァイシャ・シュードラ」という4つのカースト(ヴァルナ)がある。
シク教にはこれがない。
カースト制を否定して「人間はすべて平等である」というイスラーム教の考え方を取り入れている。

 

ちなみに「ターバンの日」の記事で知ったことだけど、シク教は世界で5番目に大きな宗教だった。

Sikhism is the world’s fifth-largest religion with over 20 million followers worldwide.

シク教の聖地アムリッツァにあるゴールデンテンプル
金閣寺も英語にしたら、ゴールデンテンプルになる。

 

シク教徒がターバンを巻いている理由はなにか?

これは、シク教を始めたグル・ナーナクが薄毛で悩んでいたことに由来する。
16世紀のインドには、アデランスもリーブ21もなかった。
それでグルが頭を布で覆っていたことから、シク(弟子)もそうした。

・・・ということはなく、シク教徒に聞いたら「身体の毛を切ったりそったりすることは、シク教の教えで禁止されているから」と言う。

自分の身体は神によってつくられたものだから、なるべく人間が手を入れないようにしているらしい。
だからシク教徒はひげをそらないし、タトゥーもいれない。
もちろん、虫歯の歯を削ったり、伸びた爪を切ったりはする。

ただこれも個人の信心によって違っていて、若いシク教徒には髪を切ってしまう人もいる。
だから「ターバンの日」が必要なんだろう。

 

友人のシク教徒は生まれてから一度も髪を切ったことがない。
今では、髪の毛が腰のあたりまであるらしい。
それだと生活が不便だから、ターバンの中に髪の毛を入れている。

それでこうなった。

 

おまけ

コルカタのハウラー駅

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。