【先生の日】感謝を伝える日が、韓国ではなぜこうなった?

 

韓国の小中学校で英語を教えているアメリカ人が、フェイスブックにこんな投稿をしていた。

Its teacher’s day here in Korea. So my kids wrote me letters!
「ここ韓国では先生の日。だから子どもたちが、私に手紙を書いてくれた!」

「アメリカには先生の日とか、先生に感謝する日はないの?」と聞いたら、こんな返事がきた。

I think there is….but we usually ignore it.

アメリカにもあると思うけど、そういうのは無視してしまうらしい。

 

それはいいとして、そういえば、そうだった。
5月15日は、韓国では「先生の日(ススンエ ナル)」だった。
この日、韓国の子どもたちは、こんな感じで先生に感謝の気持ちを伝える。

これは日本にはない文化で、良い日だと思う。
心温まる良い日だと思うよ、プレゼントが先生への感謝の手紙ぐらいならネ。

 

 

先生の日には、いつもお世話になっている先生に感謝の気持ちを伝える。

この感謝の気持ちが形になったものがプレゼント。
このプレゼントに下心があると、教師へのワイロになってしまう。

子どもの成績を上げてもらうために、親が教師に高額な物をわたすことが韓国で社会問題になっていた。
先生の日が「ワイロの日」に変質していた。
これもある意味、韓国らしい。

先生の日に、教師にわたすプレゼントを持った親が学校に来てしまう。
学校側がこれに困ってしまった。
それで2006年ごろに、保護者が学校に来れないよう韓国の小・中・高校の約70%で、「先生の日」は学校を休みにしていた。

教師を困らせる「先生の日」とは何なのか?

 

先生の日は、いつの間にか全国規模の「ワイロ・デー」になってしまい、2016年には、公務員や教職員に高額な物をわたすことを禁止する法律が制定された。

韓国の情報サイト「KONEST」にこう書いてある。
*5万ウォンは約5000円

以前お世話になった先生へ5万ウォン以下の贈り物をすることは可能ですが、現時点で学生の成績評価へ直接影響を及ぼすと見られる現担任を始めとする教職員へは、5万ウォン以下でも法に触れるためできなくなりました。

先生の日(ススンエ ナル)

 

今では、先生に感謝の気持ちを伝える日に、紙で作ったカーネーションさえプレゼントすることができなくなってしまった。

改めて言おう、これが韓国だ。

 

 

「先生の日」は中国にもある。

中国の情報サイト「中国のそれ(That of China)」から。

文化や習慣にかなり共通点のある日本と中国。でも、日本にはない変わった祝日があるのをご存知でしたか?それは「教师节(jiào shī jié)」。日本語に直すと「教師の日」です。

日本にはない「教師の日」とは?!

 

中国の「先生(教師)の日」は9月10日。
中国人の日本語ガイドから聞いた話では、中国でも結局「ワイロ・デー」になっていた。

わが子の成績のために、親が教師にいろいろなプレゼントをする。
日本のお歳暮のように高価な飲食物をわたす親がいれば、アイフォンをプレゼントした親もいたという。

せっかくの美しい日が欲望で汚れた日になってしまった。

それで今では中国でも、感謝の手紙やちょっとしたお菓子を先生にわたすようになったらしい。

 

 

「先生に感謝する日」があるにもかかわらず、韓国では、生徒による教員へのセクハラが深刻な問題になっている。

去年、朝鮮日報の記事(2017/07/16)を見て驚いた。

韓国の教室で「センセ、キモチー」、エスカレートする教員へのセクハラ

 

韓国の中学校では、今こんなことが起きている。

授業のために男子生徒ばかりのクラスに入ったところ、驚きのあまり言葉を失った。黒板に生理用ナプキンがこれ見よがしに貼り付けられていたのだ。

3、4人の生徒が「先生、風船です」と言って顔に風船を突き付けてきた。見てみるとコンドームだった。

「センセ、キモチー(『先生、気持ちいい』の意。成人向け動画に出て来るせりふ)」などと話し掛けてくるケースもある。

 

韓国の女性教員に必要だったのは、「先生の日」より「Me Too運動」だった。

セクシャルハラスメントや性的暴行の被害体験を告白・共有する際にソーシャル・ネットワーキング・サービスで使用される。

MeToo

 

ちなみに、日本でも「先生の日」ができるかもしれない。

朝日新聞にこんな記事(2017年6月1日)があった。

「教師の日」を設けて、学校の先生を応援しよう――。政府の教育再生実行会議(座長=鎌田薫・早稲田大総長)は1日、「学校、家庭、地域の教育力」などをテーマにした提言で、こんな案を示した。

「教師の日」で先生の応援を 教育再生実行会議が提言

 

日本でも、先生に感謝する日があっていい。

去年、福岡の高校で、生徒が授業中に教師を蹴ったり首を絞めたりした事件には驚いた。

英会話を学ぼう 84 テーマ:福岡の教師暴行事件。外国人はどう見た?

 

こちらの記事もどうぞ。

国 「目次」 ①

韓国 「目次」 ②

韓国 「目次」 ③

 

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

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今まで、東南アジア、中東、西アフリカなど27の国・地域に旅をしてきました。以前、中学生に歴史を教えていた経験もあります。 また、日本にいる外国人の友人も多いので、彼らの目から見た日本も知っています。 そうした経験をいかして、日本や世界の歴史・文化・宗教などをテーマに、「読んでタメになる」ブログを目指しています。