今も昔も外国人が感心する、日本人の「ゆずり合い精神」。

 

日本人のいいところに「ゆずり合い精神」がある。

自分が一歩引いて、相手を優先する。

日本に来て、そんな態度に感心する外国人はたくさんいる。
例えば、コリン・ジョイスというイギリス人ジャーナリストには、それがとても日本人らしく見えた。

電車の中でふたり連れが立っている。座席がひとつ空く。おたがい譲り合った後に、ようやくひとりが席につくと、必ずその人は立っている人の荷物を持ってやろうと手を差し出す。こんな心温まる小さな親切は、ぼくは日本以外で見たことがない。ああ、これこそ日本。

「『ニッポン社会』入門 ( 生活人新書)」

 

これは日本人がむかしから持っている美徳だ。
アジア人として初めてノーベル賞をとったインドの詩人タゴール(1861年 – 1941年)も、大正時代の日本を見てこう言っている。

街を自動車で行くとき、どきどき手押し車などに道を妨げられることがあるが、そんなときにも車の運転手は静かに道の開くのを待ち、互いにののしり合ったり、大声で叫んだりすることはない。

「日本賛辞の33撰 ごま書房」

タゴール

 

日系ブラジルの知り合いも、日本人のモラルに感心していた。

まあ、この動画を見てくださいな。
その日系ブラジル人がシェアしていた動画で、「ブラジルじゃ絶対ムリ」と脱帽したもの。

Nihongo Wakaranaiから。

 

これを見た外国人がこんな書き込みをしている。

I work on an ambulance in NYC….I wish people would do this more often
(ニューヨーク市の救急車で働いてる。みんなも、もっとこうやってくれたらいいのに)

Really Japanese people are very well disciplined and very hard working too
(日本人は本当によく規律を守るし、一生懸命に働く)

「ブラジルじゃ絶対ムリ」といっても、日本人でも守らない人は守らない。
最近は、そういう人が増えているような気がする。

 

 

これは2年前のこと。

「今日頭条」という中国メディアが「われわれが日本人に学ぶに値するもの」として、消防車が来るとドライバーが道をゆずることをあげた。

日本では、上の動画のようなことが一般的に起こる。
それに感心した中国メディアが、映像付きで中国人読者に紹介した。

すると中国のネットユーザーからは、ため息交じりのコメントが多数寄せられる。

サーチナの記事(2016-09-13)から。

「わが国の状態では20年経っても追いつかない」、「今の中国人は個人の利益がすべてを上回るのだ」、「この前、救急車が渋滞にはまっていて、サイレンを鳴らしても全く役に立たなかった」といった、中国の状況を嘆く意見が多数を占めた。

なんだこの差は! 消防車が近づくと道を譲る日本のドライバー 指導者が来ると退散する中国のドライバー

 

たしかに中国人ドライバーは止まらないし、ゆずらない。
中国を旅行中、こんな”中国らしい光景”を見たことがある。

2人のドライバーが道で向かい合ったまま、どちらもゆずらない。
その車が道をふさいでいるから、大渋滞ができている。
中国人は自己主張が強くて、「他人に迷惑がかかる」という意識が薄い。

でも、それはそれで、日本人としてうらやましいと思うこともある。
自分のやりたいことや言いたいことをハッキリさせる点は、「われわれが中国人に学ぶに値するもの」かも。
この2人のドライバーはやり過ぎだけど。

 

 

緊急車両が来ると、ドライバーが道をゆずるのは「日本の常識」と思っていたのだけど、いろいろな人の話を聞くと、地方差があるらしい。

愛知出身の友人は、「愛知のドライバーはひどい。救急車や消防車が来ても道をゆずらない人がけっこういる」なんて言う。

ユーチューブにもそんな動画がたくさんある。
救急車が近づいてきても、歩行者が道をゆずらない。
平気で前を歩いて、救急車を待たせる。
「これがいまの日本か?」と、見ていておそろしくなる。

 

中国メディアは「われわれが学ぶに値する」と言っていたけど、そんな日本人の美徳も、だんだんとなくなっていないだろうか。

世界的な科学者のアルバート・アインシュタインは、かつてこんなことを言った。

日本人のすばらしさは、きちんとした躾(しつけ)の心のやさしさにある。

 

日本人のモラルの高さは、民度じゃなくて”練度”。
ゆずり合いの精神を持って生まれてきたワケじゃない。
親や教師や社会から教わって、小さいころから、他人に配慮したりルールを守って行動したりすることで、「心のやさしさ」を身につけている。

子どもには、自由と権利としつけが大事だ。
でないと、アインシュタインの言う「日本人のすばらしさ」はなくなってしまう。

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。