【黄金の国・日本】欧州ではジパング、アラブではワクワク

 

「サライ」とはペルシャ語で“宿”を意味する。
日本では、旅や歴史、文化などの情報を発信している雑誌の名前として有名で、今月号の『サライ』では黄金の国としての日本に焦点を当てている。
ということで、今回の記事はそれに乗っかってみた。

 

 

日本で初めて金(砂金)が見つかったのは奈良時代の8世紀で、以来、日本ではさまざまな装飾に金が使われるようになった。
わー国には「黄金の三大建築」があるらしい。それは、中尊寺金色堂、金閣寺、そして日光東照宮の3つ。
「黄金の国」といえば、13世紀に中国(元)に行ったマルコ・ポーロが帰国後、中国の東方に「ジパング」と呼ばれる黄金の国があると紹介したことで、ヨーロッパでその名が知られるようになった。
*「日本国」の中国語読みが、マルコには「ジパング」と聞こえたらしい。

その辺について英語版ウィキペディアには、マルコ・ポーロの記述から、ヨーロッパではチ(ジ)パングには銀と金が豊富にあると考えられていたと書いてある。

Following the accounts of Marco Polo, Cipangu was thought to be fabulously rich in silver and gold

Jipangu

16世紀の地図には、ヨーロッパ大陸から見るとアメリカの向こう側に「Zipangri(ジパング)」が描かれている。

 

マルコが日本を黄金の国と思ったことの根拠としては、一説には、キンキラに輝く中尊寺金色堂の存在が指摘されている。でも、サライによると、9世紀ごろには中国や中東で「日本=黄金の国」という風聞が広がっていたという。
それはひょっとしたら、あのワクワクのこと?

 

中世のアラブ世界では、中国の東方に「ワクワク(アラビア語: الواق واق‎、al-Wāqwāq)」と呼ばれる島(国)があると考えられていた。
ワクワクの地には黄金が豊富にあり、住民は犬の鎖や猿の首輪を黄金で作っていたとされる。

East of China are the lands of Waqwaq, which are so rich in gold that the inhabitants make the chains for their dogs and the collars for their monkeys of this metal.

al-Wakwak

 

このワクワク島を日本とする説があるのだ。
日本の旧名「倭国」の発音(wo-kwok)がワクワクの語源になったという説もあるが、これはかなりアヤシイ。
(“わー国”の語源も倭国だったりして。)
でも、日本が海外で「黄金の国」として知られ、ヨーロッパではジパング、アラブではワクワクと呼ばれていたと思うと、なんかドキドキする。
まぁ、ヨーロッパ人やアラブ人が日本に来て現実を知ったら、「マルコ・ポーロはペテン師じゃねえか!」とか「全然ワクワクしない!」と思っただろうけど。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。