外国人の反応をまとめたサイトを見ていたら、こんな記事を発見。
海外「日本という国の名前の由来はこうだったの?外国人だけど悲しい…」海外の反応
そこには「日本」という国名の由来を、引き出しと電信柱の絵で説明しているのだが、なんでこんなものから「日本」になるのかがナゾ。
でもそれはいいとして、この「日本の由来」に対する外国人の反応が問題だ。
・電柱と引き出しとか
どっちも歴史は浅そう
・中国が名付けたんでしょ。。文句は中国へ
・「日本」は中国から来たんですよ
「日本」は歴史が浅いとか、「日本」は中国がつけたとか、一体なにを言っているんだぜ?
ただ、ボクがいままでに会った外国人の中でも、日本という国名を中国がつけたと思っていた人がいたから、こう考えている外国人は多いのかも。
日本に住んでいる外国人には、日本という国名の由来に興味がある人がたくさんいると思う。
今までに何回か、外国人に日本の由来を説明したことがある。
ということで、今回は「日本」という国名について簡単に書いていきたいと思う。
日本に興味がある外国人に話すときに役立つし、なにより日本人として日本の由来は知っていてもいい。
「日本」という国名は中国人がつけたのではない。
それどころか、中国人がつけた国名を日本人は嫌がっていた。
それで日本人が「日本」という国名を考え出している。
「日本」という国名ができたのは7世紀の後半とされている。
「何年何月何日に『日本』という国名ができた」という記録は残っていないから、正確には分からないけど、「日本」が国際社会で認められた年は分かっている。
それは701年。
670年の遣唐使のときには国号(国名)を「倭国」としていたけど、701年の遣唐使から「日本」に変わっている。
「日本」という国号が国際的に認知されるのは七〇一年任命の大宝度(たいほうど)の遣唐使の時であり、六七〇年の遣唐使の際には「倭国」を称していたようであるから、倭国から日本へ国号が変更されたのも、この天武・持統朝頃であったと考えられる
「『日本』国はいつできたか (大和書房) 大和岩雄)」
「天武・持統朝頃であった」と書いてあるから、「日本」という国名がつくられたのは飛鳥時代(7世紀の後半)だったということは分かる。
ということで、「日本」という国名をつけたのは中国人ではなくて日本人。
さらに日本の「歴史」は浅くはない。
今の世界にある国名の中でも、かなり古いものになる。
日本より古い国はあるのだろうか?
でも、日本人が「これからは国名を倭から日本にする!」といっても、国際社会がそれを認めなかったら意味がない。
この当時の日本にとって、国際社会とは事実上、中国と朝鮮半島のこと。
中国の皇帝が「日本」という国名を認めたら、国際社会で認められたことになる。
でもそれは、とくに問題なかったらしい。
下の文は、先ほどの701年に任命された遣唐使のこと。
中国側は倭国が国号を変更して日本国と称していたことを知らなかったのだ。 この倭国から日本国への国号の変更を認知してもらい、日本国の名称が国際的承認を得た
「遣唐使の光芒 東アジアの歴史の使者 (角川選書) 森公章」
こうして日本は、「倭」から「日本」になった。
世界の中の日本が生まれた瞬間でもある。
「日本」とは、中国から見て太陽が昇るところ、「日の本(ひのもと)」だといわれている。
日本にいるイギリス人が、外国にいる友人にスターバックスのフラペチーノをSNSで紹介したとき、日本のことを「the land of the rising sun」と書いていた。
まさに日の本の国。
ちなみにこれがその全文。
For those not in the land of the rising sun, it’s an American cherry pie frappucino with a pie crust!
ちなみに「日本」という国名を認めたのは、中国の歴史上、ただ一人の女帝・則天武后だ。
日本では「則天武后」として有名だけど、中国では「武則天」(ぶ そくてん)とよばれている。
「皇后」という面を重視するか、「皇帝」という面を重視するかの違いで呼び方が違うだけでまったく同じ人。
則天武后
ところで、なんで日本人は「倭」から「日本」へ国名を変えたのか?
じつは、「倭」という漢字にはとても悪い意味があった。
「倭」は中国人が日本につけた国名で、これには日本に対する蔑視がある。
これが「倭」という漢字の意味になる。
しなやかだが、たけが低く、背の曲がった小人をあらわし、『矮(わい:背が低い)』と同系のことばである
「『日本』国はいつできたか (大和書房) 大和岩雄)」
香港人に「倭」という漢字のことを聞くと、こう言っていた。
「とても悪い意味ですね。差別語ですよ。中国人が日本人をバカにするときに使いますけど」
当時の日本人としては、日本をバカにする「倭」という字を使いたくなかったのだろう。
それに「倭」は、中国人が考案した国名でもある。
それで、倭人がこの国にふさわしい名称を考えてつくり出したのが「日本」だった。
そういうことだと思う。
中国の歴史書「旧唐書東夷伝(くとうじょとういでん)」には、日本人が「日本」という国名にした理由をこう書いてある。
倭国がみずからその名が雅(みやび)やかでないことをにくみ、改めて日本とした
ということで、ボクが外国人に「日本」という国名の由来を説明するときには、下の3点を話している。
・「倭」という国名は中国人がつけたもので悪い意味がある。だから日本人はそれを嫌っていた。
・それで、日本人が「日本」という新しい国名を考え出した。
・それが6世紀(飛鳥時代)のことで、国際社会で「日本」が認められたのは701年のころ。
このことは日本人としておぼえておいてもいいと思う。
少なくても「引き出し+電信柱=日本」ではない。
おまけ
「倭」という言葉はとても悪い意味がある。
で、残念なことに、韓国では学校で、先生がこの言葉を使うこともあるという。
ハンギョレ新聞の記事(2017-02-28)
サッカーなどスポーツ競技で韓日戦が繰り広げられる日には、授業中に教師をはじめ友達の間でも「倭のやつら、チョッパリ」などのヘイト表現が自然に行き交った。
少なくても、学校の先生が「倭」なんていう差別語を使ってはいけない。
おまけのおまけ
日本は「Japan」という言葉も嫌っていた時期があった。
外務省のホームページにそのことが書いてある。
翌1935年(昭和10年)には、衆議院に対して、「ジャパン」という呼称は「我ガ帝国ノ威信ヲ損スル」ものであり、世界各国に対して日本の国号の呼称を「大日本帝国」とするよう求める建議がなされるなど、国号標記の変更を求める動きが強まりました。
こちらの記事もいかがですか?
非常によく勉強されていて結構なんですが、・・・。夏音を習い倭が良くないと思った旨、新唐書に書かれてあります。学者の先生方は夏音を中国語と訳していますが、中国語の発音と訳すべきだと思っております。ちなみに、倭(発音は「い」)は太古「委」となっております。一般的に流布されている倭と云う文字の解釈に関しては、後付けのこじつけだと思います。(多分、エライ先生がそういう説を唱えたのでしょう)韓国人もそれを信じて、ヘイトで利用しているのだと思います。倭(やまと、わ、大和)や和物(わもの)、和服、和菓子は今も日本においては普通に使われる表現です。
コメントありがとうございます。
独創的な分、客観性に欠けるところがあるようです。
中華思想にもとづく周辺国の命名のし方や「委→倭→和」の変化の過程を調べると面白いと思いますよ。
倭国=ジャパン
〇 九州島内倭国の統一は、中国の「始皇帝」誕生以前の時代で、数十国内に三ヵ国の同盟盟主王(斯馬国王、弥奴国王、好古都国王)がいました。この三ヵ国の王が、連合統一して連合統一国家を形成しました。これがジャパンです。
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〇 「古事記」文章で最初に書かれた神が「三柱の神」です。
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〇 連合統一国家を「ジャパン」と呼ぶ島国の呼称に関係なく、漢字を持つ大国であって独裁でしか統一できない国は、ジャパン連合統一国家に対して、漢字で「倭国(和国)」と命名しました。つまり、中国では成立しない協力体制の国です。
〇 連合統一国体制は、古代においても現代においても中国にとって成立不可能な国内体制です。独裁統一国家のみが中国においては善体制国家です。ここの感性は、理屈ではなくDNEにかかわっていると思えます。
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〇 「倭」の漢字にしても「人偏と旁が委任の委」です。「和合」の意味を持っています。どこに蔑む意味があるか私にはわかりません。
とても独創的な意見ですね。
「倭」については、中国人や台湾人に聞いてみてください。
彼らの受け止め方は違います。