インドネシア人の話 ① コロナの状況・お守り・黒魔法と白魔法

 

このまえインドネシア人といろんな話をしたから、今回はその内容を紹介しようと思う。
そのインドネシア人はカリマンタン島(英語ではボルネオ島)出身の20代の女性で、大学を卒業したあと、日本に3年間住んでいて語学学校に通ったりお菓子作りのアルバイトをしたりしていた。

いまは母国に戻ってカリマンタン島にあるホテルで働いている。

 

とにかくでかいカリマンタン

 

でもその前に、インドネシアについて簡単に知っておこう。

面積:約189万平方キロメートル(日本の約5倍)
人口:約2.55億人(2015年)
首都:ジャカルタ(人口1,017万人:2015年)
民族:大半がマレー系(ジャワ,スンダ等約300種族)
言語:インドネシア語
宗教:イスラム教 87.21%,キリスト教 9.87%(プロテスタント 6.96%,カトリック 2.91%),ヒンズー教 1.69%,仏教 0.72%,儒教 0.05%,その他 0.50%(2016年)

以上の数字はインドネシア共和国(Republic of Indonesia) 基礎データから。

日本もインドネシアも島国だけど、約300の民族があるというところはぜんぜん違う。

 

・インドネシアでの新型コロナウイルスの感染拡大について

インドネシア人の悪いところがでて、ますます事態を悪化させている。
政府が外出しないように言っても、どこ吹く風で、友だちと遊びに出かける人が多くて腹立つ。
いまは自宅警備員(これはボクの表現)になって内にこもっている時なのに、10人以上でレストランに行って数時間おしゃべりをしている人もいた。

インドネシアでは教育の差が本当に大きい。
田舎ではあまり教育を受けていない人が多くて、都市部の教育を受けた人とでは知識や振る舞いが違う。
地方から首都ジャカルタに来た人たちが無責任で、マスクをしないし外出禁止も守らない。そういう人は口も悪いし、ケンカ好きだから近づきたくない。

モスク(イスラーム礼拝所)は政府からの要請を受けて閉まっている。
でも、開いているところもあるという話は聞いた。

 

・困ったときの神頼みで、日本では「コロナ対策」として平安時代のお坊さん元三大師(がんざんだいし)のお守りを配るお寺もある。

 

インドネシアでも病気から守ってくれるお守りのようなものはあるのか?

いろんな島でいろんなおまじないやお守りがある。
カリマンタン島ではダヤク民族の中に、特定の葉っぱに神聖なパワーがあると信じてそれをお守りにする人たちがいる。

ダヤク族は創造神話や二元論的な世界観を共有し、首狩り、アニミズム信仰、葬制など共通した儀礼を有している。

ダヤク族

話を聞いたインドネシア人もダヤク族の人。
いまでは都市部で働く人もいるし、日本で留学生になる人もいる。

 

首狩りの風習があったころのダヤク族の戦士

 

その植物を家の前で育てて、葉が大きくなったらチョークで特別な模様を描くと、病気や呪いなどの災いをもたらす悪いものが入ってこれなくなる。

インドネシアでは(特にカリマンタン島)では、病気やケガなどの不幸の原因を「誰かが黒魔術をかけたから」と考えることが多く、白魔術の力によってそれを打ち消すことができる。
だからいまは、これが有効なコロナ対策になると信じる人もいる。

こういう呪術者(霊能者・魔法使い)をインドネシア語でドゥクンといい、彼らは他人から依頼を受けると、不思議であやしい術を使って、病気の治療や悪魔祓い、占いなどの仕事をする。

救済や回復の祈願を行なうなど善を目的とする“白いドゥクン”と、呪う相手に災厄をもたらすなど悪を目的とする“黒いドゥクン”に分けられる。彼らが用いる知識や術は、土着のものにヒンドゥーやイスラムの神秘主義的要素を加えた雑多なものである。

ドゥクン

このインドネシア人はキリスト教徒だけど、10年ぐらい前に呪いをかけられて苦しみ、白魔法を使う人に助けてもらった経験がある。
だから葉っぱのおまじないは別として、ドゥクンの力は信じている。

 

薬を作るドククン

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。