【因果応報】義理を重視する菅首相が韓国に冷たいワケ

 

全国紙の意見というと、その国のトップ水準の知性が集約されていると思うのだけど、久しぶりにご都合主義の支離滅裂をみた。

韓日関係と菅首相について書いたハンギョレ新聞の「記者手帳」だ。(2020-09-23)

義理を重視する菅首相、なぜ韓国に冷たいのか

むしろなぜ分からない。

 

菅首相が「義理を重視する」というのは先月21日の敬老の日、首相就任直後の忙しい中でも、故人の小此木彦三郎元建設相の墓参りをしたことをさす。
45年前に菅首相は小此木氏の秘書として採用されて政治の世界に飛び込み、そのあと横浜市議会議員や国会議員にステップアップしていき、ついに日本の政治家の頂点に立った。
恩人のお墓に手を合わせながら、その報告やお世話になった感謝の気持ちを伝えたのだろう。

「緻密で冷たい「仕事の虫」として知られる菅首相にしては珍しく、この日は声が湿っていた」とハンギョレ新聞は書く。

 

「なぜ韓国に冷たいのか?」というのは、対韓外交について菅首相が安倍前首相の政策をそのまま受け継いだことをさす。
いまの日韓関悪化の原因は、韓国最高裁が日本企業に賠償を命じて国際違法違反の状態が生まれ、文政権がそれを放置していることにある。
元徴用工問題は日韓が話し合いを重ねて1965年の請求権協定で解決したはずのに、いまになってひっくり返されたらたまんない。

国家間の合意を、どちらかの国が国内法で一方的に否定するのは国際法違反だ。
だから安倍政権では、韓国側が責任を持ってこの問題の解決にあたるよう要求していて、もし日本企業の資産を現金化したら韓国に対抗措置をとるとくり返しつたえてきた。
菅首相もこの強硬姿勢をそのまま継承する。

でも文大統領の考え方はこの真逆。
国内事情を持ち出して国際法違反の状態を見直そうとせず、日本の要望には無視で返す。
そんな韓国側は菅氏の首相就任に、こんなメッセージを出したという。

「いつでも向かい合って対話し、コミュニケーションを取る準備ができている。日本側の前向きな反応を期待している」と関係改善に対する期待感をにじませたが、日本政府の反応はぱっとしない。

 

話し合いの前提はまず韓国が約束を守ること。
なのにそういう都合の悪いことはすっ飛ばして、日本が自分の期待どおりに動かないと不満を言う。

 

ハンギョレ新聞が「冷徹な現実論者だが義理と人情を重視する菅首相が、韓国に対し否定的な認識を持つようになった決定的な契機」と指摘するのは慰安婦合意への韓国政府の対応で、菅首相のこんな言葉を紹介している。

「日韓両政府は2015年末、慰安婦問題の『最終的かつ不可逆な解決』で合意した。韓国側が合意を覆す可能性もゼロではなかった。もっとも、これほど早く関係がおかしくなるとは思わなかった」

日韓合意のとき菅首相は、まさかと思うけど万が一の事態を考えていたらしい。
だからアメリカ政府もこの合意に関わらせて、歓迎の言葉まで引き出したけど、4年もたたずに文政権は慰安婦合意を実質的に破棄した。
日本では「知ってた」という人もいたけど、「これほど早く…」と絶句する人がほとんどだったと思う。

 

日韓請求権協定も慰安婦合意も、日本からお金を受け取ったあとに韓国側は約束を破った。
これが日韓関係悪化の「決定的な契機」となるのは当たり前。

義理と恩はセットで、菅首相はお世話になった人には感謝と誠意の気持ちを持って対応するけど、不義理な相手に同じことをするわけがない。
「義理を重視する菅首相、なぜ韓国に冷たいのか」というのは、恩人と文大統領という正反対の存在を重ねためちゃくちゃな論理だ。
これまでの行いを見て、なお温かさを期待できる理由が分からない。

 

これは日本と関係ないけれど、この朝鮮日報の記事を読むといまの文政権の“体質”がみえてくる。(2020/10/22)

中国と三不合意を結んだ駐日韓国大使「合意ではないので守らなくても問題ない」

2017年に中国と「三不合意」を主導したナム・グァンピョ駐日韓国大使がいまになって、「中国に対して当時言及した三つは約束でも合意でもない」、「これにこだわる必要はない」、「そのような約束はないので、約束違反とは言えない」と発言して問題になっている。

予想どおり中国はすぐに反論して、韓国は合意を守るようきつく言う。
「三不合意」の内容が韓国に不利なものだったとはいえ、3年後に「守らなくても問題ない」はあり得ない。

 

明治時代、口だけは立派な朝鮮の人たちに、福沢諭吉があきれてこう怒った。
*100年以上前の文章だから、いまの常識や価値観をあてはめないで読んでほしい。

道義仁義を口にしながら、偽君子の巣窟にして、一人として信を置くに足るものなきは、吾輩の年来の経験なり。背信違約は彼らの持ち前なれば、朝鮮人相手の約束は最初から無効と覚悟して、事実上の実を収むる外なし。
対朝鮮の覚悟は右の外ならんとして

「福沢諭吉と朝鮮 時事新報社説を中心に (彩流社) 杵淵信雄」

 

福沢諭吉がこう言ったのは、朝鮮の人たちを蔑視していたからではなくて、信じて裏切られたことが何度もあったからだ。

ただ「背信違約は彼らの持ち前」という見方は福沢個人の経験によるもので、すべてがこうではなかっただろうし、これを現在の韓国人にもあてはめるのも無理。
ボクが付き合っている韓国人は約束も時間も守る。

でも韓国の政治家、特に文政権になると話は別だ。
「道義仁義を口にしながら、信を置くに足るものなき」という思いを持っている人は、菅首相をはじめ日本政府内にかなりいると思う。
いまの韓日関係は韓国の因果による応報。
「日本側の前向きな反応を期待している」と果報を待ってるだけじゃなくて、まずは韓国政府が前向きに動かないといけない。

 

 

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