日本が先進国である3つの理由。インド人の視点から。

 

始の一言

「日本人のすばらしさは、きちんとした躾(しつけ)の心のやさしさにある。アルバート・アインシュタイン」

 

 

前回、「インドの夏は暑いから、道路が溶け出す」と衝撃的なことを言っていたインド人が、「日本に来て、本当の先進国というものが分かった」と話していた。

今回の記事は、それを紹介したい。

 

このとき一緒にいたメンバーは、日本人はボク1人でそれ以外は、シーク教徒のインド人1人とヒンドゥー教徒のインド人が2人の計4人。

高速道路をつかって、富士山を見に行っていた。

1人のインド人は、富士山を見てこんなことを言う。

「今まで、こんな山を見たことがない」

でもシーク教徒の彼は、ヒマラヤを見たことがあると言ってたはず。
富士山は「日本一」だけど、景観としては「世界のヒマラヤ」にはかなわないんじゃないのかな?
ちなみにヒマラヤとは、サンスクリット語の「hima(雪)」と「alaya(居所)」で「雪のある所」という意味になる。

 

ヒマラヤを見たシーク教徒は、「でも、ヒマラヤは山脈だから。1つの大きな山ではないんだよ。富士山のように、地面から巨大な三角を描いた形の山がないんだ」と話す。
これは、チェンライ出身のタイ人も言っていた。
「タイで山というと、連なったものなんです。富士山みたいに、一つの三角形の山は見たことがないです」

 

 

でも、このインド人たちが感じた日本とインドの違いは山の形だけじゃなくて、高速道路もインドとはかなり違うらしい。

車中ではインドの経済発展について話を聞いた。

「今、インドって発展がすごいんですしょ?」

「すごいさ。今、オレが住んでいるグルガーオンは本当にすごい。15年前は、何もなかったただの農村だったのに、今ではビルが立ち並んでいて、世界的な企業のオフィスがいくつもあるんだよ」

そんなインドの経済発展を象徴するものが、日本の新幹線の導入だ。
インドで日本の新幹線が走るなんて、想像しただけでワクワクする。

 

でも、不思議だったのが新幹線が走る路線。
何でインド初の新幹線がグジャラート州のアーメダバードとムンバイの間なのか?
インド初の新幹線なんだから、首都のデリーとどこかの大都市を結ぶ路線だと思っていたから、アーメダバードというのはかなり意外。
それについてインド人はこんなことを言う。

「首相の出身地がグジャラート州だからね。首相を支持する地元の声に応えたんだろ。政治家はインド全体のことより、地元を優先するんだよ。これは、インドの大きな問題だ」

なるほど、「インドの田中角栄」か。

 

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彼らと見た富士山

 

「ところで、さっきから高速道路を走っていて、インドのハイウェイとはずい分違うと感じていたんだ」

例えば?

「この高速道路には、非常用の電話がたくさんあるだろ?インドのハイウェイでは、SOSの電話を置いている間隔がすごく離れているんだ。これだけ非常用の電話があったら、日本ではいつ何が起きてもすぐに助けを求められる。でも、インドはそうなっていない」

 

インドのハイウェイを走ったことはあるけど、そんなことにはまったく気がつかなかった。

もちろん、運転はボクじゃなくてインド人のドライバーだったけど。
非常用電話の間隔なんて考えたこともなかった。

「それに、さっき渋滞になったとき、電光表示板があったじゃないか。あれで、『何で渋滞が起きているのか、この渋滞を抜けるにはどのくらいの時間がかかるのか』ということが分かるだろ?インドじゃありえないよ。絶対、ドライバーにそんな情報を知らせてくれない。不親切だよ」

後ろの座席にいたインド人も話に加わる。

「そうそう。もし、インドでそんな電光表示板ができても、すぐに壊れるよ。インド製ってそんなものだから。それに壊れても、誰も直さないんだ。だからいつまでも壊れたまんま。それがインドの問題なんだ」

「確かに!」と、他のインド人も笑う。

「インドは、確かに発展している。イオンみたいなショッピングモールもできている。インドのハイウェイには、BMWやベンツみたいな高級車も走っているよ」

だろうね。

インドは金持ち大国だから。
ウィキペディアによると、ビリオネア(10億ドル以上の個人資産を持つ富豪)の人数が、インドは84人で世界4位。
日本は27人で、世界15位になっている。

人口の違いはあるけれど、インドには日本より金持ちが多くいることは間違いない。
インドのハイウェイに高級車が走っていても、まったく不思議ではない。

「でも、高級車は金持ちの『スタイタス』を示すだけものなんだ。スポーツカーや高級車が走っている国が先進国というわけじゃない。それは、『その国に一部の金持ちがいる』ということだけなんだ」

これに他のインド人が続ける。

「そうなんだよ。インドは、金持ちと貧しい人の差が激しすぎるんだ。先進国っていうのは、国民のことを第一に考える国のことだよ。高速道路もそう。車を運転する人のことを考えて、質の良い道路をつくる日本のような国が先進国だよ。『走りやすい道路をつくる』『必要な情報をドライバーに知らせる』『何か起きたときのための安全を確保している』、そんなハイウェイがある国が先進国なんだ」

これに、助手席のシーク教徒もうなづく。

「彼の言うことに賛成だよ。ハイウェイに、たくさんの高級車が走っている国は、まだまだ発展途上国だな。日本のハイウェイにみたいに、車じゃなくて道の質が高い国が先進国なんだよ」

そりゃ、どうも。

 

 

前の記事でも書いたけど、夏になると暑さで溶けるような道路にBMWやフェラーリが走っている国は先進国とは言えないかもね。

でもそんなこと、今まで全然気がつかなかった。
これには、考えさせられたな。
こういう話を聞くと、日本はやっぱりすごいんだと思う。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。