【ロシアのマトリョーシカ】有名になったワケ・意味・日本との影

 

日本では新しい首相が誕生すると、その人物にちなんだお菓子が発売される。
いまの菅首相には就任を記念して、「スガちゃんまんじゅう」や「スガちゃん瓦割りせんべい」の販売が始まった。

それがロシアの場合はこれらしい。

共同通信の記事(2020年11月30日)

バイデン氏のマトリョーシカ登場 モスクワの土産物市場

次のアメリカ大統領がバイデン氏にきまったことで、早速そのマトリョーシカ人形が作られたってさ。
モスクワのアメリカ大使館から8個の注文があって、工房側はそれをすでに制作して職員に渡した。
ちなみにこのときロシアのプーチン大統領は、「米大統領選の正式結果を待つ」とバイデン氏に祝電を送っていなかったから、バイデン・マトリョーシカはそれより早かったことになる。

 

 

パかっと中を開けると、ひと回り小さい人形がいくつも出てくるマトリョーシカ

マトリョーシカとはロシアの田舎にあるような女性の名前というから、日本でいえば「うめ」とか「やえ」といったところか。後半はテキトーだけど、ロシアの民芸品をあつかう「ロマノフ」のホームページによると、マトリョーシカの語源は英語のマザーと同じ。

ロシアというと北方領土問題があって日本国内でのイメージは悪いほうだけど、なぜか日本でこのロシアの民芸品はよく知られていて、好意的にみられていると思う。
この人形が世界的に有名になったきっかけは1900年のパリ万国博覧会。
このときに銅メダルを受賞したことから、ロシア各地でマトリョーシカ制作がさかんに行われるようになり、いろんな種類の人形ができて現在ではロシア土産の鉄板となった。

 

ロシア大統領のマトリョーシカ
日本の首相も就任順にマトリョーシカ人形になったら覚えやすい。

 

さて昨年、ロシア人と神奈川県の金時山に登ったときのこと。

そのロシア人はペテルブルグ出身で、そのあたりの地形はすさまじいほどの真っ平で山という巨大な突起物はないらしい。
「だからハイキングはすごく楽しい」と前を歩く彼女の服を見ると、これと目が合った。

 

 

ひょっとしてマトリョーシカ?という予想はビンゴ。

これを見たから、いまロシアでマトリョーシカがどんな扱いを受けているかきいたら、子供のおもちゃになっているという。
ただし近ごろ強力なライバルが現れた。

「わたしも小っちゃいころはこの人形で遊んだわ。でも、すぐに飽きた。プレイステーションとかのゲームのほうが楽しかったから、そっちで遊ぶようになった。他の人もみんなそう。だからマトリョーシカは外国人用のお土産のイメージが強い」

うわ、なんか聞かなきゃよかった…。
日本のゲームもいいけど、もっと自国の民芸品を大事にしてほしい。
といっても日本の子どもだって、もらって嬉しいのは「こけし」よりプレステやニンテンドーのはず。あれももうお土産に特化した感がある。
すべては時代の流れか。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。