インドで平和を考えた① ~プロに聞く、魅力的な人と退屈な人のこの違い~

 

40才に近くにもなると、会社で新入社員を採用する担当をしているという友人も出てくる。

前に、そいつに「就職志望の学生と面接をしていて、どういう人間を面白いと思うか?」ということを聞いたことがある。

彼が言うには、「この人を採用したい」という学生というは、抜きんでたコミュニケーション能力があったり他人とは違う発想ができたりしそうな人間だという。

 

「この人が欲しい!」という人間を見つけるために、何百人もの学生と会って話を聞いていると、魅力的な人間とあまりそうではない人間というのは、どうしても出てくる。では、その違いは、どのようにして生まれるのか?

それを聞くと、彼はこう言う。

「その人間が、『今までどんな種類の人たちと付き合ってきたか?』ってことだね。大事なのは、人の『数』じゃなくて『種類』。『私は、社交的な性格で交友関係が広いです。友人や知り合いが200人います』って言ったって、それが同じ価値観の人間ばかりだったら、結局、一種類の人間としか付き合ってこなかったのと同じだろ?それじゃ魅力はないわな」

それはそうかもしれない。

その意味では、若いうちにいろいろな国・宗教・人種の人たちと出会って、多くのことを吸収することは、今後を生きるためにもいい経験になる。もちろん、海外に行かなくても、国内でもいろいろな種類の人と付き合うことはできる。

 

最近、海外旅行に魅力を感じない大学生が増えているという気になるアンケートを見た。「タイは若いうちにいけ」というCMのコピーがあったけれど、タイには限らず、若いうちに海外に行くことをおススメする。

ただ、今回の記事は、就活をテーマにしたものではないから、ここではこれ以上は触れない。

 

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友人の話を聞いて、改めて周りを見渡してみると、確かに「人間力のある人」というのは、付き合っている人の数が多いのではなく、多種多様な人と付き合っている人間だ。

年齢性別に関係なく、様々なバックグラウンドの人と付き合える人間というのは、それなりの「人間の幅」がある。

おそらく、そういう人は、自分とは違う価値観や考え方に接したときに、「こいつとは意見が合わない」と相手を遠ざけるのではなく、「そんな見方もあったのか」と相手の観点を自分に吸収することができる人なのだと思う。

だから、魅力のある人間は自分に都合の悪い意見にも、耳を傾ける寛容さや包容力があり、頭ごなしに否定しない。

その結果、「この人は、何でも話を聞いてくれる」となり、その人のもとに、人や情報が集まってくる。この過程は、かなり単純化して書いたが、少なくても、ボクの周りで「あの人は、魅力がある」と呼ばれる人にはこの要素がある。

 

逆に考えると、いろいろな種類の人たちとは付き合わず、自分と同じような考え方や価値観の人だけといつも一緒にいれば、楽なのだろうけど、成長は期待できそうにない。

オーストラリアにワーキングホリデーに行った友人の話でも、これと同じようなことを聞いた。

 

これは何も新しいものではなく、失敗ワーホリの「鉄板」のような話だ。

オーストラリアに行っても、現地では、ほとんど日本人だけと付き合っていて、日本語だけを使う環境に身を置いてしまう。その結果、英語を身につけることもなく、日焼けだけして帰国するというものだ。英語のシャワーは浴びなかったが、オーストラリアの日差しはたっぷり浴びたようだ。

彼女はそうなることがイヤで、語学の習得だけではなく、自分の成長のためにも、日本人や日本語から離れて生活しようとしていたという。

言葉も考え方も違う環境に自分を合わせている中で、帰国したくなるほどのストレスを感じていたけれど、そのときの苦労や努力は決して自分を裏切ることはなく、苦しんだ以上のものが自分に返って来たと話していた。

日本語を使って、日本人と付き合っていれば、摩擦やストレスを感じることは少なく、楽しいし居心地もいい。だから、ダメになるのだろう。

「鉄は熱いうちに打て」という古くからある言葉が、今でも使われ続けているのには、それなりの真理がある。

先ほど、「失敗ワーホリ」と少々失礼な表現をしたが、これは、単純に「英語力の向上を目的にしていたけど、それができなかったと」いうワーホリのことを指している。別の目的があったり、語学以上のものを得たりした場合は、この限りではないし、すべてのワーホリを一まとめにしたわけでもない。海外を旅していると、いろいろな価値観の人と出会う。

中には、「日本人宿」を嫌って「自分は、そんなところには泊まらない」と言う人もいる。「毛嫌いする」というくらいの人もいる。これも、「日本と似た環境にいたら、得られないものがある」という考えがあるだろう。

でも、案外、そう思って日本人宿を避けてきた人が、日本人宿に泊まると、今まで気づかなかったことも気づくことがあるかもしれない。

ボク自身は、その辺は、泊まるか泊まらないかの「0か100」ではなく、バランスをとって日本人宿とそうではない宿を組み合わせて泊まるといいと思っている。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。