外国人からは長所で短所、日本人の「ルール厳守(頭固い)」

 

日本に住んでいる外国人に、日本人の良い/悪いところについて尋ねると、ルールやきまりをしっかり守ることが長所で、短所はルールやきまりに厳しすぎるところ、と言う人がよくいる。
つまりこれは裏表で同じものだ。
この考え方が染み付いているから電車や地下鉄に乗る時、乗客は自然とキレイな列を作るし、車内で大声で話す人もいなくて静かで快適に過ごすことができる。

でも、「いやいや、それはやり過ぎだろ…」と外国人が引いてしまうのが、2008年に朝日新聞が報じたこんな”事件”だ。

駅コンセントで携帯充電の女子大生摘発、被害「3銭」

「やばっ!充電ないじゃん!」と思ったのか、駅構内にあったコンセントを使って電気0.015ワット時、金額にして3銭分の電気を盗んだとして、神奈川県の女子大生が窃盗容疑で摘発された。
「3銭分でも盗みは盗みです」と警察署の幹部は厳しい。

リトアニア人、タイ人、トルコ人、インド人と一緒にいたときにこの話をしたら、「ええええええっ!」と国籍や宗教の違いを超えて、満場一致でサプライズ。
「盗みは盗みというのはその通りだけど、でもそれは厳しすぎる」と言うリトアニア人の感想に他の外国人も同じ。
母国だったら警官がそんな場面を見てもスルーするか、その場で注意して終わりだろうと。
こんなことで警察に摘発され、全国紙に載るなんてことは考えられないらしい。

このへん、けっこうユルク考える外国人は多い。
インドネシア人を乗せて高速道路を走っていてサービスエリアに寄った後、彼がなかなか車に戻ってこない。
「何かトラブルでも?」と思って電話したら、ヤツは施設にあったコンセントで携帯電話に充電しているところだと言う。
「いやそれ、捕まるから。」という話を、彼は冗談だと思って信じなかった。
でも日本では、マジでそういうこともあると話すと、しばらく間があってから「わかりました。すぐやめます」と静かに言う。

 

こんな外国人の感覚からすると、ジャーナリストの江川紹子さんが書いたこんなことも「アリエマセン!」と言うに違いない。(10/5)

法廷で弁護人のPC用電源は使用禁止?!裁判所の仰天判断をどう見るべきか

公判前整理手続きが始まる直前、裁判長が弁護人にこう言って、法廷にあるコンセントに自分のノートパソコンをつなぐことを禁止した。

「国の電気ですから、私的とか、仕事上かもしれないけど、自前の電気でやってください。そのように各地の裁判所でもしています。」

この場で裁判所の電気を使うのは「筋違い」と言う裁判長に、弁護人はその場で異議申し立てをするも「異議を棄却します」」のひと言で撃沈。
いまや弁護活動にパソコンは必要不可欠で、これまでどこの裁判所でもそんなことを言われたことがないから、この弁護士はこの措置に納得していないという。
「国の電気だから使用禁止」という裁判長の判断に、ネット裁判官の判断は?

・今どきバッテリーなんて半日くらいは保つだろう
・全国の裁判所で弁護士も検察官も普通に充電はしてるだろ、何で今さら指摘される?
・パソコンを使わせない = 被告の不利益になりかねない。
アホな裁判長。
・これ、この裁判官が個人的にこの弁護士に嫌がらせしてるだけだろ
・盗電は犯罪だと自覚してない弁護士も大概だよな
・弁護人席に電源タップがあるならそういう目的で使う前提じゃないの?

裁判長の目の前でやっているから、弁護人の行為は違法ではないはず。
厳密に言えばルール違反なんだろうけど、こんなことも認められない世の中なんて…。と思うのだが。
規則やきまりを守って行動するから、日本の社会は効率的で快適だと多くの外国人は称賛するけど、

「3銭分でも盗みは盗み」
「国の電気ですから」

というレベルまでいくと、きっと「頭固すぎ」とウンザリする。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。