少年ジャンプでは「強敵」と書いて「とも」と読む。
同じように(か?)、「日台関係」と書いて「とわ」と読む。
そんなタイトな友好関係を築いた大きな理由に、2011年3月11日に起きた東日本大震災がある。
その年末に、台湾でこんな調査が行われた。
「台湾にとって、今年最高に幸福なできごとはなにか?」
その結果は、東日本大震災で、台湾が日本におくった義援金が世界で一番多かったことだった。
サーチナの記事(2012年1月1日)
11年最高に幸福な出来事「日本への義援金が世界一」=台湾
台湾の人たちは最高に幸福な出来事としてこれを選んだのだ。
なんてありが台湾。
その理由について記事にはこう書いてある。
「『台湾人の愛』であり、受けるよりも与える方が幸福ということで、この愛が台湾人を幸福にさせたのだ」
東日本大震災のことは、これからも日本の新聞やテレビで伝え続けるから、あの被害が人々の記憶から消えることはない。
でも、このときに見せてくれた台湾人の気持ちは取り上げられず、スルーされてしまうのだろうけど、日本人として忘れてはいけない。
それにしても、なんで台湾の人たちはこれほど多くの義援金を日本にくれたのか?
いろいろな台湾人に聞いてみると、「日本が好きだから」以外に次の3つの理由がでてきた。
○台湾人は、困っている人を助けたいという気持ちが強いから。
日本だけではなくて、他の国で大きな災害がおきたことを知ったときも、自分にできる最大限のことをしたいと思う台湾人は多いという。
○台湾人のメンツにもかかわるから。
台湾人には、お金を出すことが「気持ち良い」という感覚があるという。
みんなで食事をしていて、お金を払うときになるとこんな‘あらそい’がはじまることがある。
「ここの支払いはオレにまかせろ。おまえたちはいいから」
「なに言ってんだ!おまえこそいいから、ここはオレにまかせろ」
「いやいや、おまらこそ・・・」
とこんなふうに、だれが払うかでもめる。
台湾人は、自分がみんなのぶんを払うことに気持ち良さを感じることがあるらしい。
自分がまとめて払うことで、自尊心をくすぐられたりメンツをたもつことができたりするという。
とくにおじさん世代の台南の人たちには、その傾向が強くある。
台南出身の友だちは、日本人がするワリカンをきらっていた。
「台南だったら、ワリカンは嫌がられます。だれかひとりが、『これで』とクレジットカードを店にわたします」
そんなことを話していた。
○競争心があるから。
60歳ぐらいの台湾人からこんな話を聞いた。
台湾人はメンツを大事するから、他の人以上の金額を出したがる気持ちが強い。
だから、台湾である個人や団体が「○○円の義援金を出した」という話を聞くと、競争心が働いてそれより多くの額を出そうとする気持ちが発動する。
それで結果的に日本への義援金が多くなり、世界一だったと聞いて、台湾人のメンツや競争心が満たされた。
台湾人のハローキティ愛もすごい。
日本への義援金の額が世界一番だった理由について、ボクが台湾人に聞いてみたことをまとめるとこんな感じ。
・日本が好き
・もともと人助けをしたい気持ちが強い。
・お金を出すことがじつは気持ちいい。
・競争心
方程式にするとこうなる。
「親日感情+人助け+メンツ+競争心=日本への義援金が世界最高」
台湾の義援金が世界一になった理由は、聞いた人によって答えはちがっていた。
でも、共通している理由もある。
「台湾の人たちが、日本に対して親近感をもっているから」
ボクが話を聞いたすべての台湾人は、この考えをもっていた。
日本製のものは品質が高いし、日本人は勤勉でマナーも良い。
台湾では日本についてそんなイメージがあり、日本の人気はとても高いという。
2011年のあの日、日本は多くのものを失った。
けど、台湾人から大きなものをもらったことは、心のどこかにとどめておくべきだと思う。
台湾でなにかがおきれば、今度は日本が台湾にわたす番なのだから。
おまけ
セルビアでは、こんなことがありました。
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