サウジアラビアの国王が1000人もの王族をつれて来日した!
この訪日は、日本からサウジアラビアへの投資を呼びかけることがおもな目的になっている。
でも今話題になっているのは、サウジアラビアの王族たちの豪華さだ。
世界最大の石油輸出量をほこるアラブの王様はすごい。
この王族の訪問に先だって、サウジアラビア政府は東京都の高級ホテルを中心に1000室以上を予約して、移動のためのハイヤー約500台を確保したという。
中国人旅行者の爆買いが消えたいま、ホテルや旅行業界はこの「サウジアラビア特需」で笑いが止まらないはず。

サウジアラビアの南にあるイエメン
こちらは世界最貧国のひとつ
サルマン国王は安倍首相や天皇陛下と面会する予定になっている。
「アラブの王族と天皇陛下との面会」ということを知って、思い出したことがある。
昨年2016年の9月にも、サウジアラビアの皇太子が天皇陛下と面会している。このとき、陛下が皇太子をむかえた部屋が世界的に大きな話題になった。
日本のシンプルな歓迎と、アラブ式のゴージャスな歓迎とを比べたら、違いは一目瞭然だ。
※著作権の関係で画像を載せることができないので、Tarek Barakat の Same same but different!で確認してほしい。
その写真を見て、世界の人たちはこう思った
・天皇の地位にあるお方の部屋がこれだ。もう尊敬するしかないね。
・もてなしの仕方や親密さの表現が真逆なんだ。
・ただただ美しい。
・無駄な装飾はしない。
すばらしい日本の人々のシンプルさの象徴だ。
ハフィントンポストも、日本の簡素さに驚いた外国人たちのコメントを紹介している。
「本当に素晴らしい場所だ。うるさくないシンプルな作りで、大事な部分1点にまとめられている。日本らしいよ!」(サウジアラビア)
「これこそが真のミニマリズムだ!」(マレーシア)
「金も装飾もなく、衝撃的な1枚だ。この謙虚さが美しいのだろう」(米国)
「写真は最低限のものしか置かれていないにもかかわらず、部屋から美しさや気品があふれています」(モロッコ)

京都の修学院離宮
シンプル・イズ・ビューティフル。
これが日本人の美的センスで、むかしから余計なものをはぶき、簡素なものを好んでいた。
戦前の日本を代表する東洋学者・内藤 湖南は著書で、「ありのままなる姿を尊ぶ(日本国民の文化的素質)」ことを日本人の文化的素質とした。
そんな価値観がよく表れているのが茶室だ。
戦前の日本を代表する思想家の岡倉天心はこう書いている。
茶室は簡素にして俗を離れているから真に外界のわずらわしさを遠ざかった聖堂である。
「茶の本 (岡倉 天心)」
天皇陛下がいらっしゃる部屋も「外界のわずらわしさ」が何もない。簡素な聖堂だ。
日本を訪れた外国人が感銘を受けたのもこれ。
幕末の日本を訪れたスエンソンは日本人の美的感覚に感動した。
あらゆる方面で発達している日本人の美的センスは、どんな種類の塗料、ラッカーよりも白木の自然な色を好むのである。
新しい家は〔障子〕紙と白さを競い合い、古い家は樫の木のような艶を帯びて、こちらの美しさも捨てがたい
「江戸幕末滞在記 講談社学術文庫」
天皇陛下がサウジアラビアの皇太子をお迎えされた部屋にも、江戸時代の庶民の美的感覚があらわれている。
日本のおもてなしは世界でも独特なもの。
それは今までの日本の歴史・伝統・文化といった過去の蓄積(ちくせき)の上に成り立っている。
過去の日本と現代の日本人の感覚をうまく融合させることで、日本人らしいおもてなしができるのだ。
フランスの世界的な文化人類学者であるレヴィ・ストロースは、日本という国について「過去との絆(キズナ)」に注目している。
私が非常に素晴らしいと思うのは、日本が、最も近代的な面においても、最も遠い過去との絆を持続し続けていることができるということです
「レヴィ・ストロース」
天皇陛下とサウジアラビアのサルマン国王の面会は、もうすぐおこなわれる。
日本はどのように国王をむかえるのか?
それを楽しみにしている。
おまけ
明治時代に日本を訪れたシドモアというアメリカ人女性がこう書いている。
欧州の君主や権勢を誇る王族は、日本の統治者・天皇に比較すると成り上がり者にすぎません。皇室は紀元前六六〇年に初代神武天皇が即位して以来とぎれることなき系統を保っています。後代へ下って、現在の天帝の子孫、睦仁(明治天皇)は歴代系図から一二二代目となります
日本の皇室が外国の王室と違うところは持続力、つまり歴史の長さだ。
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