はじめの一言
「実際及び機械的技術に於て日本人は非常な巧緻を示している。そして彼等の道具の粗末さ、機会に対する知識の不完全を考慮するとき、彼等の手工業の技術の完全なことはすばらしいもののようである。(ペリー 幕末)」
「日本絶賛語録 小学館」
今回の内容
・うざい国にはワケがある!?
・イスラーム教ってどんな宗教?
・イスラーム教に関して日本で起きた事件。
・うざい国にはワケがある!?
日本人の旅行者の間では、「インド・モロッコ・エジプト」が「世界三大うざい国」として知られている。
これらの国では、「商売のやり方が強引でしつこい」ということらしい。
これは旅行者を相手した現地の人の印象で、一般の人たちは違うと思う。
この「三大うざい国」を見てあることに気づいた。
この3国は、イスラーム教徒がたくさんいる国じゃないか。
*インド北部はイスラーム教の影響が強い。
ということは、「ウザイ」ということとイスラーム教には何か関係があるんじゃないんだろうか?
そう思って、イスラーム教とウザイの関係を考えてみた。
その前に、まずはイスーラム教とはどんな宗教か簡単に見ていこう。
イエメンのイスラーム教徒
・イスラーム教徒の割合
これは、世界各国のイスラーム教徒の割合(ウィキペディアから)
色の濃いところほどイスラーム教徒の割合が高い。
・ムスリム(イスラーム教徒)
ムスリムとはそのままイスラーム教徒のことをいう。
イスラーム教徒のこと。原義はアラビア語で「神に帰依する者」
(世界史用語集 山川出版)
外国人と話すときは、このアラビア語の「ムスリム(イスラーム教徒)」を使うといい。
アメリカ人、イギリス人、タイ人などには「ムスリム」で通じた。
「神に帰依する者」の「神」は、イスラーム教の神「アッラー」のこと。
・アッラー(神)
「アッラー」は、アラビア語でそのまま「神」という意味になる。
アッラー
イスラーム教における唯一絶対神。
「コーラン(クルアーン)」においてアッラーは、絶対的・超越的な存在、世界創造神、事物と人間の運命の決定神、啓示をとおして信徒を導く人格神などであるとされる。(世界史用語集 山川出版)
日本には「八百万神(やおろすのかみ)」と呼ばれるほど、いろいろな神様がいる。
でも、アッラーのような創造神はいない。
その代わり(?)、天地開闢(てんちかいびゃく)という話がある。
一昔前は「アラーの神様」という言い方があったけど、これだと「神の神様」みたいに言葉が重なってしまう。
イエメンのイスラーム教徒の女性
この「アッラー」とは、「アル・イッラー」を略した言葉になる。
「アル」というアラビア語は、じつは日本の中にもアルアル。
リトマス紙を青色に変える「アルカリ性」の「アル」、金属のアルミニウムの「アル」、お酒のアルコールの「アル」などなど。
これらは全部、アラビア語の「アル」。
アッラーの「アル」と同じ。
イエメン人の英語ガイドに聞いたところ、このアラビア語の「アル」は英語の「the」に当たるという。
だから「アッラー」を英語にすると、「The God」になるようだ。
では、何で「ザ(その)」という言葉をつけたのか?
イスラーム教が始まる前のアラビア半島には、いろいろな神を信仰する多神教の宗教があった。
ちょうど日本の神道のようなもの。
たくさんいる神様の中で唯一絶対正しい神であることを示すために、「アル(theその)」をつけた。
そんなことをイスラーム教の本で読んだ記憶がある。
とにかくそんなアッラーを信仰するのがイスラーム教。
・イスラーム教
イスラーム教
7世紀前半、ムハンマドが創始した宗教。
原義はアラビア語で「身を委(ゆだ)ねること」、転じて「唯一神(アッラー)への絶対服従」を意味する。アラブ人の征服活動とともにアラビア半島の外へ広がり、さらにムスリム商人の商業圏拡大ととも広がった。(世界史用語集 山川出版)
「ムハンマドが創始した」という表現は、イスラーム教徒にとっては問題があると思う。
ムハンマドは神の言葉をもらって、その言葉を人びとに伝えた預言者になる。
イスラーム教徒に聞いても、ムハンマドは自分たちと同じイスラム教徒の一人だという。
アッラーとはまったく違う。
ムハンマドという人物に対しては、「尊敬するけれど崇拝の対象ではない」と言う。
・ムハンマド
570年ごろ~632年の人。
イスラーム教の開祖。
40歳頃、メッカの洞窟で瞑想生活をおくっていたときに神の啓示を体験し、アッラーの使徒としての活動を始めた。
(世界史用語集 山川出版)
「ムハンマド」は、英語読みだと「マホメッド」になる。
でも英語の読み方を嫌うイスラーム教徒は多い。
だいから、「ムハンマド」で覚えた方がいい。
昔の本には「マホメッド」と書いてあったけど、今ではほとんど「ムハンマド」と書いてある。
トルコ
・聖書(クルアーン)
コーラン(クルアーン)
イスラーム教の根本聖典。
アラビア語で「音読されるもの」を意味する。
天使ガブリエルによってムハンマドに啓示された、神の教えの記録とされる。
114章からなり、第3代正統カリフのウスマーンの時代に現在の形にまとめられたとされる。(世界史用語集 山川出版)
「コーラン」は英語での読み方。
だからイスラーム教徒と話すときは、アラビア語の「クルアーン」を使った方がいい。
日本でも今、たくさんのイスラーム教徒が来るようになっている。
いつか日本でイスラーム教徒の人と話をする機会があるかもしれない。
だから「クルアーン」で覚えた方がいい。
・啓示(けいじ)
先ほどこんな文があった。
「40歳頃、メッカの洞窟で瞑想生活をおくっていたときに神の啓示を体験し」
この「啓示」という言葉が分かりにくい。
簡単に言えば、「神が、教え(宗教的真理)を人間に伝えること」でいいと思う。
「啓示(神が人に伝える)」と言っても、その伝え方は1つではない。
キリスト教の神(ゴッド)のように、)天にいる神が人間(キリスト)となって地上に現われて(受肉)、直接人々に神の言葉を伝える、という場合がある。
イスラーム教のアッラーはそうではない。
アッラーが人間となって地上に現れて、直接人びとに言葉を伝える。
そんな方法はとってはいない。
そうではなくて、天使(ジブリール)をムハンマドにおくっている。
そして、そのジブリールから神(アッラー)の言葉(教え)を伝えた。
ムハンマドは、瞑想生活をおくっていた洞窟の中でこの天使に会っている。
これはそのときの「啓示」の様子。
*「誦め」は「よめ」。
洞窟の中で瞑想(座っていたのか?)していると、天使のガブリエル(ジブリール)が来た。
「ある時、天使がやって来て、「誦め」と命じるが、彼は「私は誦めません」と拒む。しかし最終的に彼は天使の命令に従い、この96章をの句を口にした。
この「よめ」はアッラーが、ガブリエル(ジブリール)を仲介としてムハンマドに語りかけている言葉である
(聖典「クルアーン」の思想 大川玲子)
神はこのとき、アラビア語でムハンマドに話しかけたらしい。
そしてこのときの天使の言葉が、聖書(クルアーン)になる。
だからクルアーンは、アッラーの言葉であるアラビア語で書かれている。
ちなみにこれがアラビア語のアイフォンの画面。
チュニジア人の友だちもの。
このガブリエルはキリスト教の聖書でも出てくる天使で、聖母マリアにイエス(キリスト)の誕生を告げたとされる。
「ガブリエル」は英語でアラビア語だと「ジブリール」になる。
呼び方は違うけど、まったく同じ天使のこと。
天使のジブリール(ガブリエル)が洞窟に現われた画
(ウィキペディアから)
・イスラム教に関して日本で起きた事件。
むかし、イスラーム教への無理解のためにこんな事件が起きた。
1992年に、日本のメーカーがつくったタイヤの溝(みぞ)がアラビア語の「アッラー」という文字に似ている、ということが問題になる。
抗議を受けて日本のメーカーはすべてのタイヤの回収を決めた。
横浜ゴム(本社・東京都港区)が三菱自動車製のジープ型車両用に輸出したタイヤの溝の模様が、イスラム教の全知全能の神「アラー」のアラビア文字表記に似ているとして、サウジアラビア、ブルネイなどイスラム諸国で反発を買い、横浜ゴムが同型タイヤの回収・無償交換と生産中止を余儀なくされていたことが、二十三日明らかになった。
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