国連委員会「日韓合意の見直し」に日本が反論。抗議は大事。

 

2015年、日本と韓国のあいだで画期的な合意がなされた。

日韓両政府が慰安婦問題の解決に合意する。

このことは日韓のマスコミが大きく報道していたから、知ってる人はたくさんいると思う。
この合意が「最終的かつ不可逆的」であることは日韓両政府が確認している。
だからもうこの問題が話し合われることはない。

日本はこの合意にもとづいて、安倍首相が心からのお詫びの気持ちを表明して韓国側に10億円をわたしている。

日本は約束を果たした。
だから次は、韓国が約束を守る番になる。
韓国がソウルの日本大使館前にある慰安婦像を撤去すればいい。
でも韓国は慰安婦像をなかなか動かそうとしない。

だから日本が今か今かと待っている状態が続いている。

 

 

そんななか、国連の拷問禁止委員会が2015年の日韓合意を見直すように勧告かんこくを出した。
これが日韓で大きな関心をよぶ。

 

これはあくまでも勧告であって、法的拘束力はない。
だから従う必要もない。

それにこれは国連の拷問禁止委員会の見解であって国連の意見ではない。
2015年に日韓合意が結ばれたとき、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長はこの合意を歓迎している。
*このことは後にも書く。

さらにいえば、この拷問禁止委員会という組織も問題視されている。

ここを舞台に活動する思想性の強い一部の非政府組織(NGO)と連動していると言っても過言ではないだろう。

その正体は国連憲章に規定ない条約機関 独立性に疑問符 欧州本部の強い影響下

 

 

結論からすると、2015年の日韓合意は見直す必要はない。
というかしてはいけない。
*この勧告は日本ではなくて、韓国に対して出されたものだけど。

「最終的かつ不可逆的」に合意したことを、後になってから「やっぱりあれは~」と見直していたら、キリがない。
そもそも、そういうことがないように「最終的」という言葉を入れたはず。

 

でも、「終わったことを見直す必要はない。だからこの勧告は放っておけばいい」というわけにもいかない。
「思想性の強い一部の非政府組織(NGO)と連動している」ためか、この委員会の意見には日本の主張を無視したり事実認識で間違いがあったりするから。

たとえばこの委員会のメンバーは、韓国人の慰安婦を「第二次世界大戦中の性奴隷制度の犠牲者」と断定している。

実際には、そんなことは確認されていない。
でもこれをそのままにしておくと、事実になってしまう。

 

そんなことで、日本政府が拷問委員会に反論している。
これはとても良いことだ。
抗議しなければいけないときもある。

これまで日本は不当なことがあっても、あまり声を上げてこなかったと思う。
でも黙っていて問題が解決することはない。

むしろ日本が抗議しないことで、間違いが事実として世界に定着したり問題がさらに大きなったりしてしまった。
韓国人の慰安婦が「性奴隷制度の犠牲者」となってしまったことは、その代表的な例だ。
何の問題もない旭日旗が、AFLでは「差別を象徴する旗」になってしまったこともそう。

 

それに「性奴隷」という表現に対して日本が何も言わなかったら、どうなるか?
韓国に「日本は慰安婦が性奴隷であることを認めた」という間違ったメッセージを与えてしまうことにもなりかねない。

日本人と韓国人にくわしい専門家はこう言っている。

ただ韓国人の方は、相手が何も言わないと、それは悪いことをしたから何も言えないんだととってしまうわけです。韓国人的な性格からいってもそれは言えると思います。

「日本の驕慢 韓国の傲慢 徳間書店」

 

日本政府は拷問禁止委員会に対して、このような反論をおこなっている。

・2015年の日韓合意は、当時の国連事務総長(潘基文)やアメリカ政府が高く評価している。
・日韓合意にもとづいて日本政府は、韓国側に10億円を渡している。
・慰安婦だった女性たちの7割が現金支給を受け入れた。

*日本政府の反論について、くわしくはこの産経新聞の記事(2017.5.23)を見てほしい。

日本政府が反論文 日韓合意見直し勧告の国連拷問禁止委員会に

 

政府の反論はどれも重要なことだ。
このなかでとても大事なことは、「強制連行説」を否定したことだろう。

旧日本軍が慰安婦を強制連行した証拠が見つかっていないこと

日本政府が反論文 日韓合意見直し勧告の国連拷問禁止委員会に

 

「慰安婦は性奴隷だった」という主張の根拠に、旧日本軍による強制連行がある。

でもここに書いてあるように、日本軍が朝鮮人を強制連行したという話には根拠がない。

以前は、強制連行が事実だと考えられていたこともあった。
でもその根拠が間違いであることが分かったため、今では完全に否定されている。

「旧日本軍による強制連行があった」と報道してきた朝日新聞は、2014年にそれらの記事が間違いであったことを認めて謝罪した。

 

「慰安婦は性奴隷だった」ということもふくめて、間違いがあったらしっかり抗議する必要がある。
ことはとても大切なことだ。

先ほどこんな文があった。

韓国人の方は、相手が何も言わないと、それは悪いことをしたから何も言えないんだととってしまうわけです。

 

これは韓国人だけではない。
ある意見に対して何も抗議しなかったら、世界では「日本はその意見を認めた」とみなされる。
そうやって、間違いが事実となって世界に広がってしまう。
こうなると、後から修正しようとしても本当にむずかしい。

 

慰安婦問題について、日本では国連の委員会や韓国の間違いを非難することが多い。
それはそれで大事なことだ。

でも日本国内に目を向けると、「強制連行説」や「性奴隷説」を事実だと信じていてそれを拡散する困った人たちがいる。

こうした間違いを放っておいたら、それを事実だと誤解する人が出てきてしまう。
一度信じてしまうと、自分の間違いを認めることはなかなかがむずかしい。
事実を伝えられても、感情的に反発するだけかもしれない。

と、こんなことを書くと怒り出す人はいる。

「これほど、中国と韓国を悪く書くのはなぜでしょうか」
「気持ちの悪いブログ立ち上げてるもんだ」

中学校の教科書にのっているような内容を書いても、こんなコメントをする人がいる。
そんな現実があるからこそ、間違いを指摘して事実を伝えることがとても大事なんだろうと思う。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。